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1 嘘だろ。でも、ラッキー。

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「アイルベルト、すまないが別れてくれ。好きな人が出来たんだ。婚約破棄して欲しい。悪いが、お前が別れたいって言ったことにしてくれないか?」

「えっ はぁ~あ あ」

 あれ、俺って、アイルベルト、嘘、嘘。嘘だー。「君が一番好きだと言いたい」の準ヒロインになってる。ヤバい、えっと、何って言うんだっけ?えっと、あっ

「ギルバート様、僕は、別れたくありません。」

 よしよし、思い出してきた。

「アイルわがまま言わないでくれ、俺が幸せならお前も幸せだろ。」

 アホか、そんな訳ないだろうが、でも、

「はい。ギルバート様の幸せが一番です。」

 なんだよこのセリフ

「分かってくれてうれしいよ。アイルは、一番良い子だ」

 何が良い子だ。だが、仕方ない。

「一番ですか?」

「そうだ一番良い子だ。」

「うれしいです。父様に伝えます。」

「頼んだぞ。」

「はい。」



 はぁ、終わった。俺って転生したのか?でも、ほとんど前のこと覚えてないぞ、思い出したことを整理しよう。 

 俺は、「君が一番好きだと言いたい」のBLゲームの準ヒロイン役のアイルベルト。水色の髪の毛で茶色の瞳のクリクリおめめ。キュートな顔に細い体で庇護欲をばっちりそそる。そして、さっき、最後のシーンが終わったばかり。

 前世で覚えていることは、ゲイで受け=ねこ。そして、ビッチ。うん。これだけ。でも、俺の出番はもう終わった。良かった思い出したのが最後のシーンで。もっとはじめだったら死ぬわ。
 とりあえず、家に帰って婚約破棄しよ。そして、楽しいビッチライフの始まりだ。なんせ、準ヒロイン、キュートなのだ。どんな男も落とせるな。楽しみだ。

 

「お父様、お話があります。あ、あの、ギルバート様と別れたいのです。婚約破棄をお願いします。」

「何故だ?好きだったではないか。何かあったのか?アイル。」

「実は相性がいまいちだったみたいです。僕とそのするといつも、あの、なんか、『何だ、この体は?おかしい』と言われていました。僕は、特に何もしてませんし、僕は普通なんですがギルバート様は満足していないと思いまして、やはり別れた方がギルバート様のためかと。」

 なんてな、思い出すとあいつ早漏だし下手なんだよ。多分この体は、名器だ。名器でビッチ最高じゃないか。
ちゃんと僕から別れたいって伝えたしOKだよな。

「そ、そうか。まぁ結婚となったら相性も必要だ。アイルは、可愛くて引く手あまただから、すぐにまた婚約者が出来る。」

「いえ、しばらくは婚約者はつくりません。もしかしたらこの体が変なのかもしれません。とりあえずお医者様に診察してもらいたいです。そして、他の方とも経験し確かめます。」

「アイル、いいのか?アイルは、この国では珍しく結婚する相手としかそういうことをしたくないと言っていたが。相性で結婚相手を選ぶより、性格などで選びたいと。」

「考えが変わりました。お互いに幸せになるためには、そういうことも必要だと。」

「そうか、大人になったのだな。では、頑張って自分の
相手を見つけなさい。」

「はい。」
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