花の香りのその人は〜怪異調査対策室清掃係業務レポート〜

 その人は、他の人とは違う匂いがした。

 人の死を臭いとして感じてしまう嗅覚を持つ那子は、その能力ゆえ家族から、周囲から孤立していた。
 ある日仕事先であるカフェの男性客から、生を感じさせる鮮やかな花の匂いと、死を予感させる腐臭の両方を同時に感じ取った那子。
 その男と再び出会った瞬間から、那子は否応なく人ならざるモノと関わる事になっていく。
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