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第4章「実は私」

第4話「待ち伏せ?」

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 ---そして放課後、俺はみのりと帰ることになった。しかし2人で校門まで向かっていた時だった。

 「ん? アレって…」

 「どうかしました?」

 俺は校門の前を凝視した。みのりもそれにつられて校門の方を凝視した。そこには何故か有紗が立っていたのだった。まるで誰かを待っているかのように。

 「有紗、何やってんだ!? 家に帰んないのか?」

 「……」

 俺の質問に対し難しい顔をして俺の方に歩いてくる有紗。

 「何だぐうぅ!!」

 俺の前まで来ると突然有紗に腹パンをぶち込まれた。あまりの速さに腹パン入れられたかもよく分からない。でもこのうずくまってしまいたくなる程の激痛は間違いなく腹パンだ。

 「マジ…で、なん…だ…よ…」

 蹲(うずくま)り悶絶する俺のことなどお構いなしにしゃがみ込んで俺を睨みつけてくる有紗。しゃがんでいるからスカートの中が見えそうになっているが今の俺には見る余力など無い。

 「アンタ、本当にバカなの!? 何でコイツと一緒に帰ろうとしてんのよ!?」

 まさかとは思うが俺のスマホをハッキングしてメールのやり取りを盗み見したのか?

 彼女が待っていた理由。それは俺がみのりと一緒に帰ることを知っていたからだ。イヤ正確には2人で何かの約束をしているのを悟ったというべきか。

 「最近、やたらと仲良くしてるから何かあるとは簡単に分かったわよ」

 「流石っすぶへぇ!」

 冗談交じりに言ってみたがそれをまた腹パンで返される俺。もう腹パンが返事と化してきている。有紗(このコ)恐ろしいな。

 「この前私が助けてあげたのにまだ凝りてないのアンタは!!」

 そういうと激情する有紗はみのりを指差した。

 「コイツは吸血鬼よ! しかもアンタの血を狙ってる!」

 「ちょっ、声大きいって」

 俺は慌てて人差し指を鼻につけて静かにというジェスチャーを送った。今のは流石に聞かれるのは色々とまずいだろうと思ったからだ。

 「あらあら。私達はもう大の仲良しですから一緒に帰っても問題無いと思いますけど」

 「アンタまでバカなの!? 問題大アリよ!」

 容姿端麗(ようしたんれい)頭脳明晰(ずのうめいせき)、学校のマドンナ的存在の彼女に対して有紗(このコ)ときたらバカ呼ばわりしたぞ!

 しかし学校では全く見せない有紗の姿に驚く様子も見せないどころか更に煽るような発言をするみのり。本当に素なのかな?

 「とりあえず場所を変えましょうか?」

 みのりの提案に渋々乗っかる有紗。まあみのりの判断が正しいだろうから文句の一つもつけられないよな。こうして俺達3人はみのりの家へと向かって行ったのだった。
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