416 / 445
第11章「異世界編、始まる」
第46話「有紗を守るため」
しおりを挟む
「グオォォォ!!」
「くっっそぉ!?」
目の前に立ちはだかったベオウルフマンは鋭い爪で俺達に襲い掛かった。
俺はそれを転がって回避した。有紗にも多少痛い思いはするだろうが、爪で背中貫かれるよりかはマシだろう。
「くっ!?」
ベオウルフマンの攻撃を紙一重で躱したものの、攻撃の際に発生したわずかな風圧で俺と有紗はさらに転がっていき、近くの木に背中を強打した。
「ッ!?」
不幸中の幸いというべきか、転がっている途中で位置が変わって俺が背中を強打したが、有紗は俺がクッション代わりになったおかげで大したダメージはなさそうだ。まあ俺にとっては不幸中の不幸だけどな。ただの2次被害だ。
それにしても背中を強打しただけで瀕死になるとかどんだけ軟弱なステータスだよ。
「和彦君、大丈夫ですか?!」
「お兄ちゃん!? 有紗ちゃん!?」
俺が背中に強烈な痛みを感じていると、みのりと梓が俺達の方に向かってきていた。
「ヴゥゥゥゥゥゥ」
「ッ!?」
だがしかし、それよりも早くベオウルフマンが俺達のところにやってきた。
みのり達とはまだ距離が離れていて間に合いそうにない。
「グオォォォ!!」
「くっ!?」
再びベオウルフマンの爪が俺達を襲おうとしていた。背中を強打したせいでさっきみたいに避けることができない。くそっ、ここまでか。
グシャッ
そう思った俺は観念するように目を瞑った。
だがしかし、切り裂く音が響くだけで痛みは全く感じられなかった。
一体なにが起こったのか。気になった俺は恐る恐る目を開けた。
「ッ!!??」
すると、俺の目の前に有紗の姿が映った。
有紗は俺を庇うようにベオウルフマンの前に立ちはだかっていたが、ベオウルフマンの爪で身体を切り裂かれ、次の瞬間、有紗の身体から血飛沫が飛び散った。
「ありさーーー!!」
後ろに倒れそうになる有紗を俺は絶叫しながら受け止めた。
有紗の容態を見ると、腹から大量に出血していた。
そんな有紗を見て、俺はあのときの光景を思い出した。
「ハア…ハア…」
あのときの光景を思い出し、呼吸がだんだん荒くなってきた。
もうこんな光景2度と見たくなかったのになにやってんだ俺!? 1人で勝手に諦めて仲間に庇われて、その上瀕死にまで追いやって。
これこそ不幸中の幸いというべきか、有紗のHPを見ると、まだわずかに残っている。ステータスが高かったからか。梓に見せればまだ助かるはずだ。
「…なら、まだ諦めるわけにはいかねーだろ!?」
今度は俺が守らねーと。
そう思った俺は有紗を抱き寄せ近くにあった木の枝を手にした。まともに身体は動かせねーし、みのり達もまだ助けに入れそうにない。状況は圧倒的にこっちの方が不利だ。
それでも俺は有紗を守るため、戦うことを決意した。
「くっっそぉ!?」
目の前に立ちはだかったベオウルフマンは鋭い爪で俺達に襲い掛かった。
俺はそれを転がって回避した。有紗にも多少痛い思いはするだろうが、爪で背中貫かれるよりかはマシだろう。
「くっ!?」
ベオウルフマンの攻撃を紙一重で躱したものの、攻撃の際に発生したわずかな風圧で俺と有紗はさらに転がっていき、近くの木に背中を強打した。
「ッ!?」
不幸中の幸いというべきか、転がっている途中で位置が変わって俺が背中を強打したが、有紗は俺がクッション代わりになったおかげで大したダメージはなさそうだ。まあ俺にとっては不幸中の不幸だけどな。ただの2次被害だ。
それにしても背中を強打しただけで瀕死になるとかどんだけ軟弱なステータスだよ。
「和彦君、大丈夫ですか?!」
「お兄ちゃん!? 有紗ちゃん!?」
俺が背中に強烈な痛みを感じていると、みのりと梓が俺達の方に向かってきていた。
「ヴゥゥゥゥゥゥ」
「ッ!?」
だがしかし、それよりも早くベオウルフマンが俺達のところにやってきた。
みのり達とはまだ距離が離れていて間に合いそうにない。
「グオォォォ!!」
「くっ!?」
再びベオウルフマンの爪が俺達を襲おうとしていた。背中を強打したせいでさっきみたいに避けることができない。くそっ、ここまでか。
グシャッ
そう思った俺は観念するように目を瞑った。
だがしかし、切り裂く音が響くだけで痛みは全く感じられなかった。
一体なにが起こったのか。気になった俺は恐る恐る目を開けた。
「ッ!!??」
すると、俺の目の前に有紗の姿が映った。
有紗は俺を庇うようにベオウルフマンの前に立ちはだかっていたが、ベオウルフマンの爪で身体を切り裂かれ、次の瞬間、有紗の身体から血飛沫が飛び散った。
「ありさーーー!!」
後ろに倒れそうになる有紗を俺は絶叫しながら受け止めた。
有紗の容態を見ると、腹から大量に出血していた。
そんな有紗を見て、俺はあのときの光景を思い出した。
「ハア…ハア…」
あのときの光景を思い出し、呼吸がだんだん荒くなってきた。
もうこんな光景2度と見たくなかったのになにやってんだ俺!? 1人で勝手に諦めて仲間に庇われて、その上瀕死にまで追いやって。
これこそ不幸中の幸いというべきか、有紗のHPを見ると、まだわずかに残っている。ステータスが高かったからか。梓に見せればまだ助かるはずだ。
「…なら、まだ諦めるわけにはいかねーだろ!?」
今度は俺が守らねーと。
そう思った俺は有紗を抱き寄せ近くにあった木の枝を手にした。まともに身体は動かせねーし、みのり達もまだ助けに入れそうにない。状況は圧倒的にこっちの方が不利だ。
それでも俺は有紗を守るため、戦うことを決意した。
0
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる