393 / 445
第11章「異世界編、始まる」
第23話「部屋割り」
しおりを挟む
「シルヴィアさん! ちょっと待ってください!?」
「ん? どうかしたのかミノリ?」
おそらく俺と同じことに気づいたみのりはシルヴィアさんを呼び止めた。シルヴィアさんはなんのことかわからなそうな表情を浮かべているが。
「あのー、そのー、2人部屋2部屋だとなんと言いますか、和彦君のことも考慮してもらった方がいいと言いますか…」
「?」
みのりは言いづらそうにしながらも伝えようとしているが、シルヴィアさんには全然伝わっていないようだ。
「男女比が1:3だから2人部屋だとだれか1人が和彦と一緒になるってこと」
「…ああ」
しかし、有紗がみのりのフォローを入れるようにはっきりと言った。そのおかげでシルヴィアさんはようやく理解したようだ。
2人部屋となると、だれかが俺と相部屋になってしまう。さすがに俺も異性と同じ部屋で寝泊りするのはちょっと抵抗がある。イヤ、別にイヤというわけではなく、むしろラッキーなことなのだが。
「部屋割りの話か。なら、問題ないのではないか?」
「え?」
だがしかし、シルヴィアさんは平然とした表情でそんなことを言い出してきたから思わず声が漏れてしまった。今の話を聞いてどこが問題ないんだ?
「部屋割りならアリサとミノリ、カズヒコとアズサで良いんじゃないか? 君達2人は兄妹なのだろう?」
「そ、そうですけど…」
どうやらシルヴィアさんは俺と梓が兄妹だからなにも問題ないだろうという考えらしいが、いくら兄妹でも相部屋はマズいと思うが。2人共小学生だったらまだ大丈夫なのかもしれないが、もういい年頃だしな。
「わ、私は大丈夫です!!」
と思ったが、梓はあっさりと了承した。そんなに大声張り上げなくてもいいんだけどな。
「ま、まあ梓がいいって言うんだったら俺も…」
「よくありません!」
「よくないわよ!」
俺も仕方なく了承しようと思った途端、みのりと有紗が苦言を呈すように割って入ってきた。
「あんた、あのときのこと忘れたわけじゃないわよね?」
「? あのときって…あっ」
有紗に言われて2人が割って入ってきた理由がわかった。
有紗が言っているあのときとはおそらく俺の部屋で梓が発情して俺に襲いかかってきたときのことだろう。
けど、あれは由香さんからもらった媚薬入りジュースを梓が飲んだから起きてしまったことだ。さすがにあんなことは2度も起こりうるとは考えにくい。
そういえばそのことを有紗達には言ってなかったっけ。もうだいぶ前のことだし話しても大丈夫か。
「あれは由香さんが…」
「ならこうしませんか?」
そのことを話そうとしたが、思いっきり無視され、みのりがなにか提案を出そうとしていた。その前に俺の弁明を聞いて欲しいのだが。
「ここは平等にグーパーで決めませんか?」
みのりは平等に部屋割りを決める為、グーパーで決めようと提案してきた。グーパーなんて久しぶりに聞いたな。
「なによそれ?」
しかし、有紗はグーパーを知らないようで、みのりに問いかけていた。アメリカとかではそういうのなかったのか。まあ地域によって違うって聞いたことあるし、アメリカだとなおさら聞いたことないか。
「すまない。私もそのぐーぱー? というものを知らなくてな。にほんのことについてはまだまだ勉強不足で、良ければ教えてくれないだろうか?」
シルヴィアさんも知らないようで、みのりに教えて欲しいと頼んできた。異世界なら余計知らないか。
「ええ、いいですよ!? まず、ジャンケンってご存知ですか?」
「あ、ああ。3つの型で勝敗を決する遊びだろう?それなら私もやったことはあるが」
みのりはまずシルヴィアさんにも分かりやすいように説明を始めた。どうやらジャンケンぐらいはこの世界でも認知されているようで、シルヴィアさんはグーチョキパーを作ってみせた。たしかにジャンケンは理解できているようだ。
「それを応用した遊びと言ったらいいでしょうか。名前の通り使うのはグーとパーだけです。そして、同じものを出した人同士が仲間になります。今回の場合だと2・2になるまでそれを続ければいいですね」
「なるほど。確かにそれであれば部屋割りも簡単に決められるな。にほんの遊びというのは中々に面白い趣向をしているな」
みのりの説明を受けたシルヴィアさんはふむふむと感心していた。有紗の方から聞いてきたのにシルヴィアさんの方が興味津々だな。
「説明もしたことですし、さっそくやりましょうか!?」
説明を終えたみのりはさっそく始めようと俺達に促してきた。俺達は促されるかたちで手を構えた。
「それじゃあいきますよー!? グーとパーで分かれましょ!?」
「ん? どうかしたのかミノリ?」
おそらく俺と同じことに気づいたみのりはシルヴィアさんを呼び止めた。シルヴィアさんはなんのことかわからなそうな表情を浮かべているが。
「あのー、そのー、2人部屋2部屋だとなんと言いますか、和彦君のことも考慮してもらった方がいいと言いますか…」
「?」
みのりは言いづらそうにしながらも伝えようとしているが、シルヴィアさんには全然伝わっていないようだ。
「男女比が1:3だから2人部屋だとだれか1人が和彦と一緒になるってこと」
「…ああ」
しかし、有紗がみのりのフォローを入れるようにはっきりと言った。そのおかげでシルヴィアさんはようやく理解したようだ。
2人部屋となると、だれかが俺と相部屋になってしまう。さすがに俺も異性と同じ部屋で寝泊りするのはちょっと抵抗がある。イヤ、別にイヤというわけではなく、むしろラッキーなことなのだが。
「部屋割りの話か。なら、問題ないのではないか?」
「え?」
だがしかし、シルヴィアさんは平然とした表情でそんなことを言い出してきたから思わず声が漏れてしまった。今の話を聞いてどこが問題ないんだ?
「部屋割りならアリサとミノリ、カズヒコとアズサで良いんじゃないか? 君達2人は兄妹なのだろう?」
「そ、そうですけど…」
どうやらシルヴィアさんは俺と梓が兄妹だからなにも問題ないだろうという考えらしいが、いくら兄妹でも相部屋はマズいと思うが。2人共小学生だったらまだ大丈夫なのかもしれないが、もういい年頃だしな。
「わ、私は大丈夫です!!」
と思ったが、梓はあっさりと了承した。そんなに大声張り上げなくてもいいんだけどな。
「ま、まあ梓がいいって言うんだったら俺も…」
「よくありません!」
「よくないわよ!」
俺も仕方なく了承しようと思った途端、みのりと有紗が苦言を呈すように割って入ってきた。
「あんた、あのときのこと忘れたわけじゃないわよね?」
「? あのときって…あっ」
有紗に言われて2人が割って入ってきた理由がわかった。
有紗が言っているあのときとはおそらく俺の部屋で梓が発情して俺に襲いかかってきたときのことだろう。
けど、あれは由香さんからもらった媚薬入りジュースを梓が飲んだから起きてしまったことだ。さすがにあんなことは2度も起こりうるとは考えにくい。
そういえばそのことを有紗達には言ってなかったっけ。もうだいぶ前のことだし話しても大丈夫か。
「あれは由香さんが…」
「ならこうしませんか?」
そのことを話そうとしたが、思いっきり無視され、みのりがなにか提案を出そうとしていた。その前に俺の弁明を聞いて欲しいのだが。
「ここは平等にグーパーで決めませんか?」
みのりは平等に部屋割りを決める為、グーパーで決めようと提案してきた。グーパーなんて久しぶりに聞いたな。
「なによそれ?」
しかし、有紗はグーパーを知らないようで、みのりに問いかけていた。アメリカとかではそういうのなかったのか。まあ地域によって違うって聞いたことあるし、アメリカだとなおさら聞いたことないか。
「すまない。私もそのぐーぱー? というものを知らなくてな。にほんのことについてはまだまだ勉強不足で、良ければ教えてくれないだろうか?」
シルヴィアさんも知らないようで、みのりに教えて欲しいと頼んできた。異世界なら余計知らないか。
「ええ、いいですよ!? まず、ジャンケンってご存知ですか?」
「あ、ああ。3つの型で勝敗を決する遊びだろう?それなら私もやったことはあるが」
みのりはまずシルヴィアさんにも分かりやすいように説明を始めた。どうやらジャンケンぐらいはこの世界でも認知されているようで、シルヴィアさんはグーチョキパーを作ってみせた。たしかにジャンケンは理解できているようだ。
「それを応用した遊びと言ったらいいでしょうか。名前の通り使うのはグーとパーだけです。そして、同じものを出した人同士が仲間になります。今回の場合だと2・2になるまでそれを続ければいいですね」
「なるほど。確かにそれであれば部屋割りも簡単に決められるな。にほんの遊びというのは中々に面白い趣向をしているな」
みのりの説明を受けたシルヴィアさんはふむふむと感心していた。有紗の方から聞いてきたのにシルヴィアさんの方が興味津々だな。
「説明もしたことですし、さっそくやりましょうか!?」
説明を終えたみのりはさっそく始めようと俺達に促してきた。俺達は促されるかたちで手を構えた。
「それじゃあいきますよー!? グーとパーで分かれましょ!?」
0
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる