【R18】孤高の王子は夜伽の乙女に恋をする。

はじめての

「そんなはしたない声を出して。恥ずかしいか？」
「はい…恥ずかしい…です…」
「お前は素直で可愛いな」
「……へ？」
「俺にもっと見せてくれ」


ユダは薄く笑みを浮かべると、真っ赤になり動揺しているクロエの目を見たまま、胸の先端に舌を這わす。じわじわと吸ってみると、よほど気持ちいいのか堪え切れない様子でまた喘いだ。

その声がユダの体内に澱のようにたまったものを掻き立てる。


「やあ、っユダ様、なんかへんなの…」
「ん？」
「気持ちいいの、止まらないですっ…」


潤んだ瞳で見つめられて、理性が飛びかける。それははじめての経験だった。


「我慢しなくていい。ここには俺とお前の二人しかいないんだから」
「でも、……あ、あんっ」


話しながら乳首を舌の先端で舐め回すと、再び嬌声が聴こえた。


「クロエ」
「は、はい」
「服を脱げ」


きっぱり言うと、困惑しながらも脱ぎ始める。クロエは絶対に拒否をしない。ユダが口にする言葉はすべて命令だからだ。


やがて下着まで脱いでしまうと、薄暗い部屋の中で、窓から差し込む星の明かりに白い肌がぼんやりと浮き上がって見えた。両腕を交差させて、恥ずかしそうに身体を隠そうとしている。


「それじゃよく見えないだろ？」
「っ……！」


ユダは真顔で両手首を掴んで押し倒し、すべてをさらけ出させる。羞恥に耐えるよう目を瞑るその表情までもが、なんともいえず美しく、そして淫靡だった。あまりの美しさに息を飲み、ユダはため息をついた。


「……綺麗だ」
「でも、ユダ様は女性の身体なんて見慣れていらっしゃるのに…それに、私なんて」
「初めて見た、と言ったら驚くか？」


突然の言葉にクロエは目を見開いた。とても信じられないが、冷酷そうな顔をした美しいユダの表情は、嘘をついているようには思えない。


「お、驚きます」
「だろうな。でも、ちゃんと見たのは初めてだ。今まではこうしてじっと見たことはない。一度もだ。興味がなかったからだ」


クロエの心臓が跳ねる。ということは……少しくらいは、興味を持ってくれているのだろうか？
途端にそれまで以上に心臓がドキドキし出してしまう。


「ユダ様、あの」
「どうした？」
「私も、触ってみてもいいですか？」


予想外の申し出にユダは面食らった。見るからに純粋そうで今も恥ずかしさに頰を赤くしている少女と、その積極的な言葉がちぐはぐすぎて、アンバランスさにかえって興奮する。思い返すと、女の裸を見たこともなければ、まともに触らせたこともなかった。めんどうだったのだ。


「ああ。好きにしていい」


ユダは今、バスローブのような寝間着を身につけている。クロエがおそるおそる紐を引くと結び目は簡単にほどけた。


その大きさにクロエは息を飲んだ。元々のサイズに加えて、１ヶ月も処理をしていなかったことと、今ひどく興奮していることが原因だ。


まるでその硬さや大きさを確かめるように、クロエは小さな手でこわごわと撫でる。やがて、赤くて可愛らしい舌を出してぺろっと舐めた。


「ばか、何をして」
「好きにしていいって言ったのに…」
「…そうだったな」
「上手じゃないかもしれないけど、私、ユダ様を気持ちよくしてあげたいんです」


あくまで切実な声を聞いて、ユダは抵抗することを諦めた。今までは、必要以上に触れるのも触れられるのも絶対に嫌だったのに、その感情がまったくないのが不思議だ。


むしろ早くひとつになりたいとすら思う。クロエに会えなかった１ヶ月間、ひょっとするとこの日を待っていたのではないかという気にさえなった。でも、そんなはずはない。