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第十一章 林間に煌めく火花

八十八話 激突

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 バギィン!
 耳に障る金属音が高く鳴り響く。
 翔霏(しょうひ)の棍の一撃目は、覇聖鳳(はせお)が慌てて拾い上げた大刀によって防がれてしまった。
 本当に、悪運の強いやつだッ!
 しかしその衝突で、覇聖鳳自慢の大刀が割り折られる。
 強いぞ、椿珠(ちんじゅ)さんオススメ、西方鋼鉄を使った車軸鉄棍!
 切っ先の破片が宙を舞い、翔霏は上体を反らして難なくそれを避ける。
 
「生きてたかサル女!」

 折れた刀のもう半分を翔霏に投げつけ、見栄えも気にせず逃げの一手を打つ覇聖鳳。
 覇聖鳳の愛馬はとても優秀らしく、主人の危機を察してぴょんと跳ねるように走り出す。

「逃がさんッ!」

 翔霏は自分に投げられた覇聖鳳の刀をキャッチし、そのまま覇聖鳳が跨る白馬の尻に投げ返す。
 見えている範囲なら、翔霏に飛び道具の攻撃は効かないんだよ!
 回転しながら飛んだ刀は、見事に馬の臀部に突き刺さる。
 驚いた馬が跳ね、バランスを崩した覇聖鳳は地面に投げ出され、ごろごろと受け身を取りながら転がった。
 唖然としてその一瞬の出来事を見ていた白髪部(はくはつぶ)、青牙部(せいがぶ)双方の兵士たちも我に返る。

「囲め! 頭領を守れ!」
「こうなっては一騎打ちもあるものか! 突撃だ!」
「どこの刺客だ!? 白髪の連中の味方か!?」
「あの子らは死んだんじゃなかったんか!!」

 現場は両軍入り乱れての混戦、混沌のるつぼと化した。

「なっ!? 俺と覇聖鳳の勝負だ!! 男二人が、勝負の中にあるのだ!! 誰も手出しをするなァッ!!」

 斗羅畏(とらい)さんが悲痛に叫ぶのも虚しく、一度火の点いた戦場が鎮まることはない。
 そもそも覇聖鳳がなりふり構わず逃げ出した以上、勝負もへったくれもないのだ。 

「邪魔をするなら死ぬぞッ!!」

 覇聖鳳の盾となるため立ちはだかる、青牙部の兵士。
 それらを正確な急所への打撃でバタバタと薙ぎ倒し、斃れた敵の身体を飛び越えながら、翔霏が覇聖鳳を追う。
 頑強な鉄棍を携え、手加減なし容赦なしの瞬殺モードを発揮している翔霏は、通り過ぎただけで命を奪う死神の如しだ。
 人の目で追える攻撃の速度ではなく、鎧や兜もまるで意味を成さない衝撃の強さで、モーセが海を割るように兵の波を切り抜ける。

「頭領、こっちだ!」

 仲間にかばわれながら、他の馬に乗り換えて逃げようとする覇聖鳳。

「させるかよおおおおおおッ!!」
「ブンメエエエエエエエッッ!!」

 そこに軽螢とヤギが雄叫びと共に、捨て身の特攻をぶちかます。

「ぐっわ!!」
「ヒヒヒイィィィン!!」

 兵士たちはヤギに弾かれ、馬は軽螢の青銅剣に脚を打たれる。
 暴れた馬体に振りほどかれ、覇聖鳳はふたたび地面に飛んだ。

「いででっ」

 どうやら足を挫いたようで、立ち上がろうとした際に足首に力が入らず、再びコケた。
 そこに、ただの邑人Aにしか見えない、目立たず、誰にも警戒されず、小さな体でコソコソと、修羅場の真ん中へと紛れ込む一人の女。
 私だよ!
 起き上がろうとする覇聖鳳の前に。
 毒の串を逆手に握った、私が一人、立っている!!

「あ、お前」

 ぽかんとした顔の覇聖鳳に。

「うわああああああああああああああああああああああっ!!」

 全力で、串を持つ手を振り下ろす。
 私の小さな体、乏しい腕力でも。
 お前一人くらい、殺せるんだからなーーッ!!

「ぐっ!」

 私が右手で振り下ろした一本目の串は、顔をかばった覇聖鳳の左手に突き刺さる。
 喉を狙ったんだけど、上手く行かないもんだ!
 それでも、人間の手は、二本あるんだぞ!!

「ああああああああああああああああっ!!」

 殺意しか籠っていない叫びとともに、私の左手に握られたもう一本の毒串が、続けて覇聖鳳の首筋を狙う。

「でぇッ!」

 しかし、覇聖鳳の頭突きをカウンターで顔面に受け、私は後ろに吹っ飛んだ。

「ギィ!」

 アドレナリン出まくってるからか、ちっとも痛くないもんね!
 二本目の串は、覇聖鳳の服に引っ掛かってぶら下がり、すぐに地面に落ちた。

「ふーーーーーーーっ! ふーーーーーーーーっ!!」

 昂奮の息吹、流れる鼻血とともに私は起き上がり、懐からさらに二本の串を取り出す。

「毒かよ」

 覇聖鳳は下腕に刺さった串をすぐさま抜き取り、この一撃がたちの悪い毒劇物であることを敏感に悟る。
 傷の深さ、毒の沁み具合はわからない。
 しかし、覇聖鳳は生きて、まだ元気に動いている。
 秘蔵の毒串、手には二本。
 残り二本。
 最後の二本だ!

「覇、聖、鳳おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

 絶叫して走り出す私を見て。
 覇聖鳳は、確かに、笑っていた。
 この期に及んで、呼び捨てにするなよ、とでも思っているんだろうか。
 どうでもいいよ、今は。
 お前がどう思おうと。
 私がどう感じようと。
 これで、終わりだ!!

「麗央那、危ねえッ!!」

 突然、私の横から軽螢が飛んできて、胴タックルを仕掛けた。
 もんどりうって地面に転がる私たち。
 
「軽螢どいて! 覇聖鳳を殺せない!!」

 私が叫んで、憎き仇の顔を見ると。
 ストトトトトトッ! と連続して、さっきまで私がいた場所に、大量の矢が飛んで来て、地面に刺さった。

「二人とも走れ!! 狙われてる!!」

 翔霏の声でハッと事態に気付く私。
 ふと見た上空から、無数の矢がこっちに飛んでくるのがわかった。

「ヤな予感はこれかよ~~~!!」

 軽螢がうんざりした声で叫ぶ。
 一緒に全力でダッシュして、ヤギも私たちに続き、降り注ぐ矢の群れから逃げる。
 最初に軽螢が嫌がって拒否した観察ポイントの近くに、青牙部の伏兵が潜んでいたんだ。
 そいつらが今、覇聖鳳を避難離脱させるため、援護射撃を始めたのか!

「北西の丘じゃあ! 潜んでる弓兵を片付けい!!」

 白髪部の誰かわからないけれど、年配の将が叫ぶ。
 迅速に兵たちが動き、丘の林に隠れる伏兵たちを掃討しに向かう。
 私と軽螢は邑の入り口に構えられた矢倉の陰に滑り込み、飛んでくる矢から身を守る。

「二人とも大丈夫か?」

 翔霏が合流して、私たちの安否を気遣った。

「な、なんとか……」
「メメメメメェ……」

 ひぃはぁと息を乱し、軽螢が答えた。
 ヤギは超、震えて啼いてた。
 私も、矢が服や毛皮の帽子をかすめたけれど、不幸中の幸いで大きな怪我はない。
 あ、鼻血をドバドバ出してますね。
 今になって、じんじんと痛くなってきちゃったよう。
 でも、両目から溢れる涙は、痛みのせいじゃない。

「ダメだった……あと一歩だったのに……あああああああん、うわあああああん」

 わあわあと泣く私を、翔霏がぎゅうっと抱き締める。
 翔霏が覇聖鳳をこれ以上、追い詰めていない理由は。

「余計なことを、してくれたなァ……!!」

 怒りで右目の傷口からゴポゴポと血を噴出させてる斗羅畏さんが、私たちの前に立っていた。
 まさに地獄の鬼か羅刹のような形相だ。
 覇聖鳳たちを追い散らし、邑を制圧した白髪部の精兵たちが私たちを取り囲んで、刀槍をずらりと向けている。
 一騎打ちを邪魔され、誇りを穢された斗羅畏さん。
 私たちの行いが、白髪部としての軍事行動に対する阻害、迷惑行為であることも、重々承知している。
 分かっていた、理解していた。
 それでも私たちは、こうするしかなかったんだ。
 なのに、ここまでのことをしたのに、覇聖鳳にトドメを刺すことはできず。
 混乱の中で、逃げられてしまった。

「この場でお前らを血祭りに上げて、皮を剥いで野犬に食わせたいところだが」

 血管のビキビキに浮いた顔で、それでも斗羅畏さんは自分を抑え、剣を鞘に納めた。

「親爺(おやじ)が待つ東都で拘留させてもらう。赤目(せきもく)の大伯父貴に感謝しながら、マシな言い訳でも考えるんだな」

 私たちが星荷(せいか)さんの連れて来た客人であることを理由に、その処分を保留してくれたのだった。
 またあの胡散臭い坊さんに、借りを作っちゃったよ。

「形の上だけじゃが、縄をかけさせてもらうぞ」

 私たちの体を拘束しようと、老将が近付く。
 声からして、丘の上の伏兵にいち早く気づき、討伐を指示した人だ。

「指一本、私たちに触るな」

 彼を翔霏が睨み、拒絶する。
 その気迫と覚悟がただ事でないと正しく理解した老将は、一瞬、たじろぐ。
 翔霏がやけを起こして暴れ出すとどうなるか、ついさっきにまじまじと見せつけられたばかりだからだ。
 辺りには、翔霏の棍を喰らって悶絶昏倒している青牙部の雑兵たちが、何人も横たわっている。
 しかし彼は引き下がることなく、と言って威圧的に脅すでもなく。
 小さな声色で、私たちだけに聞こえるように言った。

「そうでもせんと、御曹司は納得してくれぬ。頼む、ここは聞いてくれ」 

 なおも黙って静かな威嚇をする翔霏に、老将は重ねて言った。

「御曹司を救ってくれて、感謝しておる。あのままでは、覇聖鳳のやつに打ち負かされていたじゃろう……」

 その顔に憎しみや敵意は感じられなかった。
 私たちの行動は、あくまでも結果だけを見れば、片目が塞がって不利になっていた斗羅畏さんを、有耶無耶のうちに助けたことになるからだろう。
 斗羅畏さんのプライドを慮り、割って入ることができなかったお仲間の、代わりを務めたように見えなくもない。
 老将の重厚で優しい雰囲気に、翔霏も抵抗の意志を引っ込め、黙って俯き棍の構えを下げた。

「今日はこれ以上、走るのも喧嘩も無理だよ。従っとこうぜェ」

 軽螢がバンザイ状態で、疲れた声を出した。
 私たちは、素直にお縄につくことにした。
 翔霏一人ならともかく、私と軽螢はもう、抵抗できないのだ。

「助かる。悪いことにならんよう、最善は尽くす」

 老将さんの気遣いか、手足は拘束されずに、胴体を緩く結ぶだけの縄が、私たちにかけられた。
 がくり、と翔霏がその場に這いつくばり、拳で地面を叩いた。

「最初の一撃、飛んだ刀の破片を無意識に避けてしまった。それがなければ二撃目を、もっと速く打ち込めたはずなのに! 私は、臆病者だ……!!」

 普段は泣き言も後悔も、まず口にすることはない彼女が。
 自分の判断が、あの一瞬の行動が誤っていたのだろうかと、声を震わせ、目尻を濡らすまでして、悔しさに喘いだ。
 あの翔霏ですら泣くほど、地をかきむしるほどに悔しいのだ。
 翔霏が臆病者なら、全人類の9割9分9厘は震える子鹿ちゃんみたいなものだな。
 けれど。
 本当に、文字通り、あと一歩、あと一挙の距離に、覇聖鳳の命を、捉えることができたのに。
 残り1厘の勢いが私たちにあれば、やつを、殺せたのに。
 そう思うと、私の胸も、たまらない感じになる。

「次があるよ」

 強がって上を向き、そう言った。
 まだ私たちだって、生きているんだ。
 次に覇聖鳳を、じっくりと殺し直すためには。
 時間と休息、そしてなにより、新しい策が必要だ。
 局面も状況も、大きく変わってしまった。
 第3ラウンドは、痛み分け。

「おぬしら、とんでもない気迫じゃったのう。背に炎を負っておるようじゃったわ……」

 私たちを東都に送る馬に乗せ、先ほどの老将さんが嘆息する。
 前にも誰かにそんなことを言われた気がする。
 ジャッジの採点では今回のラウンド、私たちに優勢点がついたかな?
 戦いは終わっておらず、これはただのインターバル。
 泣いている場合じゃないぞ、北原麗央那!
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