上 下
195 / 273
第九章 思春期

15  100クローネ金貨

しおりを挟む
 ユーリはイリスにお説教をされながら、ユングフラウに帰った。騎竜にお説教される竜騎士なんているのかしらと、ユーリは愚痴りたくなったが、確かに不注意だったと反省する。

 リューデンハイムの寮の夕食に間に合うかしらと、ユーリはイリスを急がす。ちょっとメーリングの雰囲気を知りたくて、夕方から遠乗り感覚で出かけたのに、バザールで道を迷って酔っ払いに絡まれたりしたせいで、かなり遅くなっていた。

『イリス、お願いだからメーリング行きのことは黙っていてね。今度からは気をつけるから』

 イリスはユーリの不安をダイレクトに感じて心配したので、なかなか承知しなかったが、寝るまで目の周りを掻いてあげると買収される。ユーリは終わりかけの食堂で、仕舞い掛けていた小母さんら夕食を貰うと、どうやって100クローネ金貨を調達しようかと考えながら食べる。

「やっと、財務室の算盤代は支払ってもらえたところなのに……お小遣いの前借りはしたくないけど、仕方ないわね」

 ユーリは見習い竜騎士になって、お小遣いは大幅にアップして貰っていたが、手持ちには100クローネはなかった。エリザベート王妃の付き添いをしていた間は、1ペニーも使ってなかったので12月になれば、すぐに100クローネ返せると考えた。

「金貨かぁ~」

 通常はお小遣いを10クローネ銀貨で貰っているので、金貨で前借りしたいとお祖父様に説明するのが億劫だ。ふぅ~とユーリが溜め息を付いていると、グレゴリウスがお風呂のお湯を頼みに下に降りてきた。

「ユーリ、遅くまで国務省で実習だったの?」

 遅い夕食を食べていたユーリの横にグレゴリウスは座って、久しぶりにリューデンハイムの寮にいるのを嬉しく思う。

「ええ、まぁ……」

 嘘はつきたくないが、メーリングに一人で行ったとバレたら叱られるのが嫌で、ユーリは急いで食べている風をよそおって、曖昧な返事を返す。

 グレゴリウスは、ユーリが何か隠しているとピンときた。国務省の実習で遅くなったなら、食べながらでも人使いの荒いシュミット卿の大悪口を言うユーリが、何も言わないのは変だ。

 それにエリザベート王妃の付き添いをしている間に、算盤のモデル校が決まった件で大爆発しそうなのに、絶対に怪しいとグレゴリウスの恋する感覚は危険を感知する。

 そそくさと夕食を食べると、イリスの機嫌をとってくるわと竜舎に向かうユーリの背中を、グレゴリウスはずっと眺めていた。隣の席に座った時に、微かにスパイシーな香りと、南国の高級な香料の残り香があったような気がしていたのを不思議に感じていたのだ。

「どうされたのですか? お風呂のお湯を頼みに来たのでしょ」

 呆然と食堂に座って出口を見つめているグレゴリウスを見つけて、フランツは訝しく思って声をかける。

「ユーリが今まで夕食を食べていたんだ」

 フランツは遅くまで国務省で実習していたのだと、腹をたてる。

「いくら財務室が忙しい時期だからといっても、こんなに遅くまで実習するのですか。ユーリはまさか残業ですか」

 お祖母様にキチンと食事と睡眠をとらないとイリスに見張らせますよと脅されてからは、食事は取るし睡眠しているが、夕食後も財務室に行って残業しているのをフランツは前から腹立たしく思っていたのだ。

「いや、ユーリはイリスの機嫌をとりに竜舎に行ったよ。ただ、あの香りは……」

 席を立った時にも微かに香った南国の香りに、グレゴリウスは悩まされる。

「イリスの機嫌をとりに竜舎へ行ったのですか? 竜舎で寝ないと良いですけどね~。見習い竜騎士は外泊も許されていますが、無断外泊はシャレになりませんよ。予科生なら、竜舎の罰掃除ですみますがね」

 見習い竜騎士は大人として扱われるので、外泊届を出せばかなり自由が認められてはいたが、その分厳しく自覚を持った行動を義務づけられている。ユングフラウには夜の誘惑も多かったので、若い青年達が無軌道な行動をしないようにと考えられたもので、ユーリのように竜舎でうっかり寝てしまうのを想定してはいなかったが、厳しくは退学も有り得るのだ。

「まずい、ユーリが寝る前に寮に帰さなきゃ」

 女子寮の扉に手を触れる事のできないグレゴリウスとフランツは、ユーリが自力で帰れるうちにと竜舎に向かう。案の定、ユーリはイリスの目の周りを掻いてやりながら、ウトウトしかけていた。見知らぬ街で道に迷ったり、酔っ払い達に絡まれたりで、精神的に疲れていたのだ。

「ユーリ、寝たら駄目だよ。無断外泊は退学になるかもしれないよ」

 フランツに揺すぶられて、ユーリは目を覚ます。ぼんやりしているユーリを抱き起こした時に、フランツは竜湶香の微かな香りに気づく。

「ユーリ、この香りは……」

 女性がつける香料ではない高級な香りに、フランツは何があったのかと疑問を感じたが、兎も角ユーリを女子寮に帰さなければと、ぼんやりしているのを抱き支えながら連れて帰る。

 グレゴリウスはユーリの香りにフランツも気づいたと察した。一瞬、エドアルドや、アンリを疑って嫉妬しかけたが、彼らが竜湶香みたいなエキゾチックな香料を付けているとは思えない。

 いったいどうやって、竜湶香がユーリに移ったのかを考えるだけで、あらぬ妄想を掻き立てられるグレゴリウスはぼんやりしているユーリを揺すぶって問い詰めたい気持ちでいっぱいいっぱいだ。半分寝かけているユーリに手こずっているフランツを助けるのも忘れて、後ろから付いて食堂に入ると、そこにいたエドアルドが助けにきた。

「ユーリ、寝ては駄目ですよ」

 どうにかユーリを女子寮に帰して、フランツはホッとして手伝ってくれたエドアルドにお礼を言う。

「エドアルド皇太子殿下、ありがとうございます。イリスの所で寝かけていたのです」

 エドアルドも、ユーリを支えた時に竜湶香の微かな香りに気づいた。それで、ユーリに恋するグレゴリウスが女子寮にユーリを帰そうと苦労しているフランツを手伝いもしないで、呆然と後ろから付いて来ていたのだとわかった。

 グレゴリウスはエドアルドがユーリを女子寮に帰すのを手伝いはじめてハッと我にかえると、ユーリと呼び捨てにしているのにショックを受けた。

 お互いに牽制しあって、竜湶香については素知らぬ顔で両皇太子達は、お湯を頼むと各自の部屋で風呂に浸かりながら、ユーリが何か隠し事をしているのを暴かなくては気が安まらないと考える。



「おはよう、フランツ、昨夜はありがとう。ウッカリ竜舎で、寝てしまうところだったわ」

 ユーリは食堂に降りてきたフランツにお礼を言うと、あれこれ聞かれないうちにとお祖母様に挨拶してくるわと慌ただしく出て行く。

 今朝は珍しく両皇太子とも寝坊だなと、フランツはユーリの竜湶香の香りに悩んで眠れなかったのだろうと溜め息をつく。

 二人ともきっとユーリの事だから、一人で出歩いたに違いないと考える。

 ユーリはお祖母様に100クローネ金貨を貸して貰おうかと思ったが、理由を聞き出されそうで結局言い出せなかった。

「アスランに、100クローネ返さなきゃ」

 ユーリは午前中にシュミット卿にこき使われながらも、頭の中は100クローネ金貨のことでいっぱいだ。ランチを取りに食堂に行きかけていたユーリは、アンリに金貨を借りようかとまで思い詰めていた。

「ユーリ、今からランチですか? ちょうど良かった、母から貴女への手紙とプレゼントが届いたのです。今から大使館まで取りに行きましょう」

 エドアルドは朝一番に大使夫人にランチの支度を頼んでいた。武術訓練を途中ぬけするという大胆な行動に出る。

「でも、昼からも実習があるのですよ」

「私も武術訓練がありますから、昼までには送り届けますよ」

 ユーリは2週間もカザリア王国大使館に滞在していたので、さほど抵抗を感じずに門をくぐる。

「エドアルド皇太子殿下、ユーリ嬢、お食事の用意ができてますよ」

 にこやかなレーデルル大使夫人に出迎えられて、ユーリは小さなサロンに通された。テーブルの上には、二人分のランチが用意されている。

「さぁ、早く食べましょう。手紙とプレゼントは食後のお茶を飲みながらにしましょう」

 ユーリは昼からの実習に遅れないように急いで食べながら、アレッ、手紙とプレゼントを持ってきて貰えば良かったのではとやっと気づく。慌ただしくランチを食べ終わると、お茶を飲みながら、エリザベート王妃の手紙とプレゼントを渡された。

 ユーリは手紙を読んで、やはり生活の細々とした注意が書いてあるなぁと少しうんざりはしたが、エリザベート王妃の好意は伝わってきて懐かしく思う。

「あっ、そう言えば……夏休みにニューパロマに行くと約束したかも……」

 手紙の最後に夏にニューパロマで会えるのを楽しみにしてますと書いてあって、ユーリは別れの寂しさに泣きながら約束したのを思い出す。エドアルドはユーリが情に脆いを知っていたので、母上がポロリと涙を浮かべたのにほだされたのだと苦笑する。

「プレゼントも下さったのね。若い頃の髪飾りだと書いてあるわ」

 手紙と一緒に渡されたプレゼントの小箱を、ユーリはあけてみる。中にはダイヤモンドで作られた氷の結晶の髪飾りが入っていた。

「まぁ、とても綺麗だわ。初雪祭の思い出の品では無いのかしら? こんなに貴重な品を頂いても良いのかしら」

 その髪飾りは、初雪祭によく母上が付けていたので見覚えがあった。お気に入りの品をプレゼントするほど、母上がユーリのことを歌だけでなく、お淑やかでないのも含めて愛しているのに気づく。

「貴女に喜んで頂いて、母も喜んでいるでしょう」

 ユーリはエリザベート王妃に侍女も付き添わず歩き回ってはいけませんよと注意されていたのにと、全く言うことを聞かなかった自分に、貴重な品を貰う資格がないと思うと涙があふれてきた。

「これは頂けませんわ。エリザベート王妃様に、申し訳なさ過ぎますもの」

 シクシク泣き出したユーリから、エドアルドは昨夜のメーリングでの出来事を聞き出す。もともと、昨夜のユーリの様子で一人で出歩いたのだろうとは思っていたが、酔っ払いに絡まれて見知らぬ男に助けられたと聞いて、さすがに腹を立てる。

 しかし、こんな自分にはエリザベート王妃のプレゼントなど貰う資格はないと泣いている姿に、エドアルドは胸が締め付けられ、ユーリを抱きしめて二度と危険な真似はしないようにと諭す。

「今日は、アスラン様に100クローネ金貨を返しに行かなきゃいけないの。お祖父様に、お小遣いの前借りを頼むわ」

「そんなの、返す必要はありませんよ。あちらが勝手に、酔っ払い達にくれてやったのでしょ」

 エドアルドはユーリに竜湶香の移り香を残したアスランなどには、二度と関わって貰いたくなかった。

「でも返すと言ったし、返さないと気持ちが落ち着かないわ。お祖父様には、叱られるでしょうね」

 ふ~ッと溜め息をつくと、エドアルドは変に生真面目なユーリは止めても返しに行くだろう思った。

「100クローネ金貨は、私が出しますよ。貴女の求婚者として当然です」

「いいえ、私の考えなしの行動でこんな事になったのだし、12月になればお小遣いが貰えますから。でも、立て替えて頂ければ嬉しいわ。お祖父様に叱られるのはまだしも、お祖母様に知られたら何を言われるやら。イリスに行動を見張られるのは御免ですもの」

 エドアルドは辞退するユーリに雪の結晶の髪飾りを受け取らせて、二度と一人歩きしない自戒にして下さいと諭す。

「では、実習が終わり次第、メーリングに向かいましょう。夜は遅くなるかも知れませんから、寮には外泊届を出しておかないとね」

 ユーリを国務省まで送って行って、エドアルドは夕方からのメーリング行きに少し浮かれていた。

『邪魔なアスランとかには100クローネ金貨を渡して、助けてくれたお礼を述べてさっさと用事を済ませよう! 異国情緒のある港町をユーリと散策したり、夕食を食べたら楽しいだろうなぁ』

 しかし、昼前に武術訓練を早めに切り上げたエドアルドは、シルベスター師範にビシバシ昼から鍛えられるのであった。

 ハロルド達は、昨夜からエドアルドの様子がおかしいのに気づいていた。今日もあの恐ろしいシルベスター師範の武術訓練を途中ぬけするなど、ユーリ嬢関連だとは察してはいたが、ビシバシやられながらも上機嫌な様子に何があったのだろうと不思議に思う。

「あれは、ユーリと何か企んでいますね。でなきゃ、シルベスター師範にあれほど打ち込まれて、ヘラヘラ笑っていられませんよ」

 昼前に武術訓練を抜け出したりと、怪しい動きにはグレゴリウスもフランツも気づいていたが、ユーリ絡みならイリスをおさえておけば大丈夫だとわかっている。いくら秘密裏に動こうと、イリスがユーリを他の竜に乗せるわけがない。

 馬車での移動は、昨夜のユーリの香辛料の香りからして考えられない。その上、自国の有利さで算盤のモデル校にメーリングの小学校が含まれているのを知った二人は、はは~んと思い当たった。寮に帰ると二人も外泊届を提出し、ユーリとエドアルドも外泊届を出しているのを確認すると竜舎に急ぐ。

「ユーリ、メーリングに一緒に行くよ。年頃の令嬢が、男の人と二人で出かけるのは感心しないからな」

 ユーリとエドアルドは、竜舎にあらわれたグレゴリウスとフランツに驚いた。

「なんでメーリング行きがわかったの?」

 不思議がるユーリと、不機嫌なエドアルドに、フランツとグレゴリウスは爽快な気分になる。

「なんでも良いわ! 早くメーリングに行って、アスラン様に100クローネ金貨を返さなきゃ!」

「え~! アスラン様? 100クローネ金貨? 何をやらかしたんだ~」

 一瞬前のしてやったという爽快感はアッサリ崩れ去り、イリスの後を追いかけながら、ユーリの側にいると苦労が絶えないし、自分の恋愛どころではないとトホホのフランツだ。
しおりを挟む
感想 82

あなたにおすすめの小説

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

処理中です...