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第三章 防衛都市
食物ダンジョン十階を目指そう 1
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転移陣で地上に戻り、荷物待ちの背負い籠から、トレントからドロップした肉、ギルドに依頼があるオレンジ、林檎、それとロイヤルゼリーの瓶を退けて、周りの商人に売る。
「アレク、欲しい物は退けておけよ!」
ポポとバナナと林檎とオレンジ、そしてメープルシロップは少し欲しい。
袋に入れて、ロイヤルゼリーと中級薬草と一緒にルシウスに渡す。
「ギルドに納める品と一緒に預かって貰うぞ」
半券を貰って、やっと食事だ。
「あれっ? 売った代金は?」
屋台でエールでパンを齧りながら、気がついた。
「あれだけの食品をすぐに勘定は出来ないさ。後で貰う」
ふうん? いつも金勘定はシビアなルシウスなのに、変なの?
疑問が顔に現れていたみたい。ジャスに笑われた。
「食物ダンジョンの引取値段は、あそこに書いてあるだろう! ギルドの依頼品以外は、あの表のまんまなのさ」
なるほどね! それにしても、ルシウスとジャスの食べる速度、速すぎるよ!
荷物待ちの四人は、各自持ってきたパンを食べたり、屋台の焼き串を食べている。大人だし、面倒をみなくて良いのは楽だ。
◇
「よし! 十階まで頑張るぞ!」
昼休憩を終えて、五階の転移陣に行く。
「六階から花とキノコが出る。キノコは、胞子に毒があったり、眠らされるから注意しろ!」
ふうん、ルシウスの注意を聞き流していたけど、花って私のイメージと違いすぎるよ!
「あれって化け物じゃん!」
全く花とは違うよ! ラフレシアみたいだけど、根が脚みたいで、枝で攻撃してくる。
「トゲに気をつけろ! 毒があるぞ!」
バラっぽい花だけど、バラだとは認めたくない。
「メシベを攻撃したら良いのさ!」
矢でメシベを貫くと、消えた。
「矢と相性が良いかもな!」
周りにバラの化け物がいっぱいだ。ジャスにおだてられたから、矢でメシベを攻撃していく。
二人は斧で叩きつけているけどね。ワイルドさは負けるけど、討伐数は勝ったかも。
ドロップ品は、香料とローズヒップの袋、バラの花弁のジャム、そして何故か紅茶の袋も。神様は、絶対に遊びながら設定を考えたと思う。
「花のドロップ品は、高価買取りが多い!」
相変わらずルシウスは金の亡者だよ。でも、クランが作れたら良いのは、ちょっと分かってきた。
中級者用のダンジョン、十階までなら日帰りでも行けるけど、ここから十五階とかなると泊まりが必要になる。
セーフゾーンがあると、これもジル達から聞いたけど、他の冒険者達と一緒だと見張りも必要になるからね。相変わらず、魔物より冒険者の方が注意が必要だ!
つまり、人数が多くないと、十五階には達せられないのだ。
それに、その間、宿屋を借りておくとか、戻った時に宿が満室だとか、クランがあれば心配しなくて良い。
それに……初心者の冒険者を育成できるんじゃないのかな? ジャスに甘い! って笑われそうだけどね。
先ずは、銀級になる事! そしてお金だ! だって、家を買うか借りる資金、そして維持する為に人を雇わないといけないからね。
そんな事を考えながら、六階を進む。林から森っぽくなった。
「嫌な感じだなぁ」
ジャスじゃなくても、ヴリシャーカピが好きそうな環境だと眉を顰めたくなるよ。
ヴリシャーカピだけなら楽勝だけど、トレントや花も攻撃してくるから、厄介だ。
脳内地図で確認したら、大きな群れがいる。
「あちらからヴリシャーカピの群がくるぞ! その上、トレントもやってくる」
ルシウスは、リーダーとして指示をするのも上手い。荷物持ちを集めて、私にバリアを張らせる。
「そこを動かなければ、攻撃は受けない! アレクは、ヴリシャーカピ! ジャスは私とトレント、その後でヴリシャーカピだ!」
二十頭以上のヴリシャーカピ! こんな時は、ボスからやるに限る。
「遮断!」で一撃する。後は「バリア!」で十分だよね。
「おお、アレク! やるじゃないか!」
ジャスに背中をバン! と叩かれたよ。油断しちゃった。
「俺に触ると手を無くすぞ!」と警告しておくけどね。
林檎が山になっているから、ルシウスはホクホクだ。ギルドの依頼は、これで十分だろう。
ヴリシャーカピは、肉が多いけど、バナナとかポポはまだ理解できるが、何故、砂糖?
「ボスは偶に変わった物をドロップする。しかし、砂糖は初めてだ。まぁ、高く売れるからラッキーだな!」
深く考えたら負けだ! 神様の気紛れだからね。
◇
七階も六階と同じ感じだったけど、ファイヤーウルフの群れが加わった。
「名前が嫌なんだよな!」
馬鹿な奴らを思い出して、ナタでぶった斬る。やはり一人よりも三人だから、討伐は楽だ。ファイヤーウルフのドロップ品、肉だけど?
「ウルフの肉って食べられるの?」
肉食獣の肉って不味そうなんだけど?
「普通に食べるけど、食物ダンジョンだからな!」
鑑定したら、アルミラージやビッグエルクの肉もある。不思議設定だよ!
段々、食物ダンジョンにも慣れてきた。矢は、花の時に使う! 魔法はボス戦に残しておく作戦だ。
トレントは、ルシウスとジャスに任せる。私は、その間に魔物討伐!
「あっ、キノコだ!」
これも私のイメージするキノコとは大違い。子どもぐらいの大きさで、ぶっふん、ぶっふん、飛びながら攻撃してくる。
「アレク、傘と軸の間が急所だ!」
キノコの胞子には毒や眠りの効果があるので、近接戦のルシウスとジャスより、矢か魔法の攻撃の方が良い。つまり、私がキノコ係だ。
矢で射ると、消える。でも、どんどん仲間を呼んで増えてくる。
「早く倒さないと囲まれるぞ!」
ジャスに言われなくてもわかっている。それに、トレントとヴリシャーカピもやってきた。
「バリア!」を横に放って、キノコを全滅させる。
トレントは、二人に任せて、ヴリシャーカピのボスをやっつける。他のは、一緒に討伐したよ。
「やれ、やれ、もっと弓矢の練習が必要だな。スピードアップしなきゃ! キノコに囲まれるところだった」
むぅう! 確かに連射速度は課題だけど、ジャスに言われると腹が立つ。
キノコのドロップ品、トリュフにルシウスが小躍りしている。きっと凄く高いのだろう。それと、松茸、マッシュルーム、舞茸! シチューにしたら美味しそう。
◇
八階からは、ビッグベアも出てきた。ドロップ品が肉とハチミツ!
ここで少し休憩! 水を飲んで、林檎を齧る。
「ジューシーで美味しい!」
ジャスとルシウスは、林檎は食べない。肉と酒だけで、栄養は偏らないのか?
「アレク、魔力の減りはどうだ?」
「まだまだ大丈夫!」
一人だと大変だったけど、三人だとやはり楽だ。
「それなら、十階まで飛ばすぞ!」
「アレク、欲しい物は退けておけよ!」
ポポとバナナと林檎とオレンジ、そしてメープルシロップは少し欲しい。
袋に入れて、ロイヤルゼリーと中級薬草と一緒にルシウスに渡す。
「ギルドに納める品と一緒に預かって貰うぞ」
半券を貰って、やっと食事だ。
「あれっ? 売った代金は?」
屋台でエールでパンを齧りながら、気がついた。
「あれだけの食品をすぐに勘定は出来ないさ。後で貰う」
ふうん? いつも金勘定はシビアなルシウスなのに、変なの?
疑問が顔に現れていたみたい。ジャスに笑われた。
「食物ダンジョンの引取値段は、あそこに書いてあるだろう! ギルドの依頼品以外は、あの表のまんまなのさ」
なるほどね! それにしても、ルシウスとジャスの食べる速度、速すぎるよ!
荷物待ちの四人は、各自持ってきたパンを食べたり、屋台の焼き串を食べている。大人だし、面倒をみなくて良いのは楽だ。
◇
「よし! 十階まで頑張るぞ!」
昼休憩を終えて、五階の転移陣に行く。
「六階から花とキノコが出る。キノコは、胞子に毒があったり、眠らされるから注意しろ!」
ふうん、ルシウスの注意を聞き流していたけど、花って私のイメージと違いすぎるよ!
「あれって化け物じゃん!」
全く花とは違うよ! ラフレシアみたいだけど、根が脚みたいで、枝で攻撃してくる。
「トゲに気をつけろ! 毒があるぞ!」
バラっぽい花だけど、バラだとは認めたくない。
「メシベを攻撃したら良いのさ!」
矢でメシベを貫くと、消えた。
「矢と相性が良いかもな!」
周りにバラの化け物がいっぱいだ。ジャスにおだてられたから、矢でメシベを攻撃していく。
二人は斧で叩きつけているけどね。ワイルドさは負けるけど、討伐数は勝ったかも。
ドロップ品は、香料とローズヒップの袋、バラの花弁のジャム、そして何故か紅茶の袋も。神様は、絶対に遊びながら設定を考えたと思う。
「花のドロップ品は、高価買取りが多い!」
相変わらずルシウスは金の亡者だよ。でも、クランが作れたら良いのは、ちょっと分かってきた。
中級者用のダンジョン、十階までなら日帰りでも行けるけど、ここから十五階とかなると泊まりが必要になる。
セーフゾーンがあると、これもジル達から聞いたけど、他の冒険者達と一緒だと見張りも必要になるからね。相変わらず、魔物より冒険者の方が注意が必要だ!
つまり、人数が多くないと、十五階には達せられないのだ。
それに、その間、宿屋を借りておくとか、戻った時に宿が満室だとか、クランがあれば心配しなくて良い。
それに……初心者の冒険者を育成できるんじゃないのかな? ジャスに甘い! って笑われそうだけどね。
先ずは、銀級になる事! そしてお金だ! だって、家を買うか借りる資金、そして維持する為に人を雇わないといけないからね。
そんな事を考えながら、六階を進む。林から森っぽくなった。
「嫌な感じだなぁ」
ジャスじゃなくても、ヴリシャーカピが好きそうな環境だと眉を顰めたくなるよ。
ヴリシャーカピだけなら楽勝だけど、トレントや花も攻撃してくるから、厄介だ。
脳内地図で確認したら、大きな群れがいる。
「あちらからヴリシャーカピの群がくるぞ! その上、トレントもやってくる」
ルシウスは、リーダーとして指示をするのも上手い。荷物持ちを集めて、私にバリアを張らせる。
「そこを動かなければ、攻撃は受けない! アレクは、ヴリシャーカピ! ジャスは私とトレント、その後でヴリシャーカピだ!」
二十頭以上のヴリシャーカピ! こんな時は、ボスからやるに限る。
「遮断!」で一撃する。後は「バリア!」で十分だよね。
「おお、アレク! やるじゃないか!」
ジャスに背中をバン! と叩かれたよ。油断しちゃった。
「俺に触ると手を無くすぞ!」と警告しておくけどね。
林檎が山になっているから、ルシウスはホクホクだ。ギルドの依頼は、これで十分だろう。
ヴリシャーカピは、肉が多いけど、バナナとかポポはまだ理解できるが、何故、砂糖?
「ボスは偶に変わった物をドロップする。しかし、砂糖は初めてだ。まぁ、高く売れるからラッキーだな!」
深く考えたら負けだ! 神様の気紛れだからね。
◇
七階も六階と同じ感じだったけど、ファイヤーウルフの群れが加わった。
「名前が嫌なんだよな!」
馬鹿な奴らを思い出して、ナタでぶった斬る。やはり一人よりも三人だから、討伐は楽だ。ファイヤーウルフのドロップ品、肉だけど?
「ウルフの肉って食べられるの?」
肉食獣の肉って不味そうなんだけど?
「普通に食べるけど、食物ダンジョンだからな!」
鑑定したら、アルミラージやビッグエルクの肉もある。不思議設定だよ!
段々、食物ダンジョンにも慣れてきた。矢は、花の時に使う! 魔法はボス戦に残しておく作戦だ。
トレントは、ルシウスとジャスに任せる。私は、その間に魔物討伐!
「あっ、キノコだ!」
これも私のイメージするキノコとは大違い。子どもぐらいの大きさで、ぶっふん、ぶっふん、飛びながら攻撃してくる。
「アレク、傘と軸の間が急所だ!」
キノコの胞子には毒や眠りの効果があるので、近接戦のルシウスとジャスより、矢か魔法の攻撃の方が良い。つまり、私がキノコ係だ。
矢で射ると、消える。でも、どんどん仲間を呼んで増えてくる。
「早く倒さないと囲まれるぞ!」
ジャスに言われなくてもわかっている。それに、トレントとヴリシャーカピもやってきた。
「バリア!」を横に放って、キノコを全滅させる。
トレントは、二人に任せて、ヴリシャーカピのボスをやっつける。他のは、一緒に討伐したよ。
「やれ、やれ、もっと弓矢の練習が必要だな。スピードアップしなきゃ! キノコに囲まれるところだった」
むぅう! 確かに連射速度は課題だけど、ジャスに言われると腹が立つ。
キノコのドロップ品、トリュフにルシウスが小躍りしている。きっと凄く高いのだろう。それと、松茸、マッシュルーム、舞茸! シチューにしたら美味しそう。
◇
八階からは、ビッグベアも出てきた。ドロップ品が肉とハチミツ!
ここで少し休憩! 水を飲んで、林檎を齧る。
「ジューシーで美味しい!」
ジャスとルシウスは、林檎は食べない。肉と酒だけで、栄養は偏らないのか?
「アレク、魔力の減りはどうだ?」
「まだまだ大丈夫!」
一人だと大変だったけど、三人だとやはり楽だ。
「それなら、十階まで飛ばすぞ!」
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