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第三章 防衛都市
色々と作ってみよう
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今日はダンジョンはお休みだ。昨日、馬鹿に絡まれて疲れたからね。
「よし! 下級回復薬を作ろう!」
少しゆっくり寝たから、ルシウスとジャスはいなかった。もう仕事をしているのかもね。
「おや、遅いねぇ。今日はお休みかい?」
金熊亭の女将さんにも慣れてきた。あちらも私の食べる量が分かっている。
「明日は、肉を詰めたパンを五個作って欲しい」
料金は先払いしておく。ジル達がそこで全部食べなくても、夕食に回すだろう。
「あああ……もしかして一階からなのか?」
しまった! 余計な事を言った自分を殴りたい。
がっかりしながら、朝食を取り、部屋から錬金釜や下級薬草や空瓶を待って、中庭に出る。
「薪を持ってきてくれ!」
女中にチップを渡して、薪を持って来てもらう。
今日は、二回、下級回復薬を作った。つまり三十本! 前のは、ルシウスがカインズ商会に売ってくれた。これは、多分、ギルド行きかな? ルシウスに任せよう!
荷物を部屋に置いて、防衛都市を探索しよう! まだ、カインズ商会と武器屋とギルドしか知らないからね。
服は交易都市で買っている。欲しいのは、食料の備蓄だね。城から持ち出したオレンジやパンも残り僅かになったからさ。
それと、何か野菜とかスイーツが食べたい。ルシウスやジャスと一緒だと、肉、エール、肉だからさぁ。
あっ、エールは飲んでも良いかもね! 下級回復薬を二回分作ったんだし!
「うん? もう少し大きな鍋があれば便利かも? あああ、ロイヤルゼリーで何か作りたかったんだ!」
アイテムボックスの中にロイヤルゼリーの瓶が二つある。これ、高価買取りされるけど、何かに使えそうなんだよね。
屋台でエールと焼き串を買って、横のベンチで食べながら、神様の知識と女神様の知識を調べる。
ダンジョンでドロップしたロイヤルゼリーだから、神様の知識かな? と思ったけど……相変わらず細かい文字の注意書きが多くて読みずらい。
回復薬関係は、女神様の知識で知ったから、こちらを探索する。
うん、ロイヤルゼリーの使い方を見つけた。
「なるほどねぇ! 花街のお姉様方が欲しがるから、高価なんだね!」
飲むとお肌がピチピチになるそうだ! まぁ、これを探しているわけじゃないんだよ!
「えええっ! 準竜の肝がなくても、ロイヤルゼリーで中級回復薬ができるの?」
これは、試してみたい! 木のジョッキを屋台の親父に返して、錬金術の鍋を探しに行く。ついでにギルドで中級薬草を買いたいけど、ギルドは鬼門なんだよなぁ。
「そうだ! カインズ商会なら色々取り揃えていそう!」
やはり知らない店よりも、知っている店だよね。
「アレクさん!」
えっ、ハモンドさんの熱烈歓迎を受けた。回り右して出ていきたい気分。
でも、素早く奥の部屋へと案内された。グレアムさんも出てきちゃったよ。
「アレクさん、この前の下級回復薬、凄く好評なのです。それで、次の納入時期について話し合いたいと考えていたのですが……」
今朝、三十本作ったけど、あれはギルドに納入する予定なんだよね。
「ギルドマスターが防衛都市の北に沸いたダンジョンの制覇を目指した探索隊を派遣するそうです。だから、下級回復薬を納入して欲しいと言われています」
冒険者ギルドの言いなりになる気は無いけど、オークが沸くダンジョンは潰して欲しいからね。
「それは、勿論ですが……探索隊以外にも優れた下級回復薬が必要なのです」
ハモンドさん、粘り強い。あっ、良い事考えた。
「あのう、薬師が作る中級回復薬とダンジョンからドロップした中級回復薬を見せて頂けませんか? これから中級回復薬を作ろうと考えているのです」
グレアムさんとハモンドさんが、パッと笑顔になる。
「いや、作ってみようと思っているだけですから……」と慌てて言い訳をするけど、ハモンドさんが従業員に中級回復薬を二つ持って来させる。
『鑑定!』と心の中で唱えて、二つの瓶を調べる。
ふむ、ふむ、片方は薬師が作った中級回復薬(劣)。色も黄色く濁っている。
片方は、ダンジョンからドロップした中級回復薬(並)。少しだけ濁っているな。
「それで、中級回復薬を作ったら、グレアム商会に売って頂けるのでしょうか?」
うっ、ハモンドさんの圧が強い。ルシウスを連れてくるべきだった。
「出来たら、持ってくる」全部とは限らないけどさ。
「それと、もう少し大きな鍋と中級薬草と空瓶が欲しい。お金はちゃんと支払うから」
ただ程高い物はないからね。
「まぁ、まぁ、そんな事言わずに……」
大きな鍋と中級薬草、そして空瓶の入った箱を笑顔で渡されちゃったよ。
果物やスイーツを探すつもりだったけど、荷物が多くなったから宿に戻る。
それと、私って小心者だから、中級回復薬を作って納入しなきゃいけない気になった。
部屋から道具を持って中庭で、中級回復薬を作ってみる。オーソドックスな中級回復薬は、中級薬草を刻んで、浄水で煮出し、準竜の肝を干したのを砕いて混ぜるんだ。
ロイヤルゼリーは、最後の竜の肝の代わり。
綺麗な黄色の中級回復薬(優)が二十本、出来た。秀じゃないのは、準竜の肝じゃないからだろう。
ついでに、残っている下級薬草で下級回復薬を十本ほど作っておく。これで、薬草の在庫は全て使い切った。
道具と作った回復薬を部屋に置く。下級回復薬が四十本、それと中級回復薬が二十本。
「今日は、これでおしまいにしよう!」
お昼は、肉の串焼きとエールで済ませたので、夜は野菜が食べたい。それと、アイテムボックスの中の食料品を補充しなくては!
金熊亭の近くは、繁華街になっている。食べ物屋は多いけど、果物は売っていないのかな?
こんな時は女将さんに聞いてみるに限る。
「果物は、朝に買う方が良いんだよ。それと、スイーツなら『アンジェラ』が評判良いよ。近いしね!」
オレンジなど食べやすい果物を女将さんに一金貨分買ってもらう事にした。これは、明日の朝ごはんで渡してもらう。
スイーツ店、ちょっと冒険者の格好では入り難いけど、革の胸当てを外した普通の格好だと、スリに狙われちゃう。
「いらっしゃいませ」
可愛いヘッドピースの従業員が笑顔で出迎えだ。
前世のケーキ屋を想像していたけど、こちらには冷蔵庫がないみたい。つまり、焼き菓子オンリー! でも、スイーツは買うよ。
でも、どれにするか悩む。見た目は、どれも同じに見えるからね。
「あちらで食べられます」
うっ、レースのカーテンに白いテーブルに椅子。
従業員さんが愛想良いのは、サーシャの見た目が綺麗だからか?
「それでは、一つずつお願いしよう。それとお茶を」
スイーツ、高価だけど、自分へのご褒美だよ。今日は、冒険者はお休みしたけど、薬師としては働いたからね。
「ううん、美味しい!」
ぱぁって笑顔になると、何故か従業員さん達が「きゃあ!」と嬌声をあげている。
四種類食べて、一番気に入ったのは、バナナの焼き菓子だ。二番目は、オレンジが薄く切って上に置いてあるの。それに、皮を刻んで生地に練り込んである。
この二つは沢山買おう!
『アンジェラ』で金貨五枚も使っちゃった。でも、アイテムボックスの中に入れておけば、悪くならないし、疲れた時にはスイーツだよね!
夜は、流石にお腹いっぱいで、お風呂に入って寝たよ。焼き菓子、四個は多かったな。
「よし! 下級回復薬を作ろう!」
少しゆっくり寝たから、ルシウスとジャスはいなかった。もう仕事をしているのかもね。
「おや、遅いねぇ。今日はお休みかい?」
金熊亭の女将さんにも慣れてきた。あちらも私の食べる量が分かっている。
「明日は、肉を詰めたパンを五個作って欲しい」
料金は先払いしておく。ジル達がそこで全部食べなくても、夕食に回すだろう。
「あああ……もしかして一階からなのか?」
しまった! 余計な事を言った自分を殴りたい。
がっかりしながら、朝食を取り、部屋から錬金釜や下級薬草や空瓶を待って、中庭に出る。
「薪を持ってきてくれ!」
女中にチップを渡して、薪を持って来てもらう。
今日は、二回、下級回復薬を作った。つまり三十本! 前のは、ルシウスがカインズ商会に売ってくれた。これは、多分、ギルド行きかな? ルシウスに任せよう!
荷物を部屋に置いて、防衛都市を探索しよう! まだ、カインズ商会と武器屋とギルドしか知らないからね。
服は交易都市で買っている。欲しいのは、食料の備蓄だね。城から持ち出したオレンジやパンも残り僅かになったからさ。
それと、何か野菜とかスイーツが食べたい。ルシウスやジャスと一緒だと、肉、エール、肉だからさぁ。
あっ、エールは飲んでも良いかもね! 下級回復薬を二回分作ったんだし!
「うん? もう少し大きな鍋があれば便利かも? あああ、ロイヤルゼリーで何か作りたかったんだ!」
アイテムボックスの中にロイヤルゼリーの瓶が二つある。これ、高価買取りされるけど、何かに使えそうなんだよね。
屋台でエールと焼き串を買って、横のベンチで食べながら、神様の知識と女神様の知識を調べる。
ダンジョンでドロップしたロイヤルゼリーだから、神様の知識かな? と思ったけど……相変わらず細かい文字の注意書きが多くて読みずらい。
回復薬関係は、女神様の知識で知ったから、こちらを探索する。
うん、ロイヤルゼリーの使い方を見つけた。
「なるほどねぇ! 花街のお姉様方が欲しがるから、高価なんだね!」
飲むとお肌がピチピチになるそうだ! まぁ、これを探しているわけじゃないんだよ!
「えええっ! 準竜の肝がなくても、ロイヤルゼリーで中級回復薬ができるの?」
これは、試してみたい! 木のジョッキを屋台の親父に返して、錬金術の鍋を探しに行く。ついでにギルドで中級薬草を買いたいけど、ギルドは鬼門なんだよなぁ。
「そうだ! カインズ商会なら色々取り揃えていそう!」
やはり知らない店よりも、知っている店だよね。
「アレクさん!」
えっ、ハモンドさんの熱烈歓迎を受けた。回り右して出ていきたい気分。
でも、素早く奥の部屋へと案内された。グレアムさんも出てきちゃったよ。
「アレクさん、この前の下級回復薬、凄く好評なのです。それで、次の納入時期について話し合いたいと考えていたのですが……」
今朝、三十本作ったけど、あれはギルドに納入する予定なんだよね。
「ギルドマスターが防衛都市の北に沸いたダンジョンの制覇を目指した探索隊を派遣するそうです。だから、下級回復薬を納入して欲しいと言われています」
冒険者ギルドの言いなりになる気は無いけど、オークが沸くダンジョンは潰して欲しいからね。
「それは、勿論ですが……探索隊以外にも優れた下級回復薬が必要なのです」
ハモンドさん、粘り強い。あっ、良い事考えた。
「あのう、薬師が作る中級回復薬とダンジョンからドロップした中級回復薬を見せて頂けませんか? これから中級回復薬を作ろうと考えているのです」
グレアムさんとハモンドさんが、パッと笑顔になる。
「いや、作ってみようと思っているだけですから……」と慌てて言い訳をするけど、ハモンドさんが従業員に中級回復薬を二つ持って来させる。
『鑑定!』と心の中で唱えて、二つの瓶を調べる。
ふむ、ふむ、片方は薬師が作った中級回復薬(劣)。色も黄色く濁っている。
片方は、ダンジョンからドロップした中級回復薬(並)。少しだけ濁っているな。
「それで、中級回復薬を作ったら、グレアム商会に売って頂けるのでしょうか?」
うっ、ハモンドさんの圧が強い。ルシウスを連れてくるべきだった。
「出来たら、持ってくる」全部とは限らないけどさ。
「それと、もう少し大きな鍋と中級薬草と空瓶が欲しい。お金はちゃんと支払うから」
ただ程高い物はないからね。
「まぁ、まぁ、そんな事言わずに……」
大きな鍋と中級薬草、そして空瓶の入った箱を笑顔で渡されちゃったよ。
果物やスイーツを探すつもりだったけど、荷物が多くなったから宿に戻る。
それと、私って小心者だから、中級回復薬を作って納入しなきゃいけない気になった。
部屋から道具を持って中庭で、中級回復薬を作ってみる。オーソドックスな中級回復薬は、中級薬草を刻んで、浄水で煮出し、準竜の肝を干したのを砕いて混ぜるんだ。
ロイヤルゼリーは、最後の竜の肝の代わり。
綺麗な黄色の中級回復薬(優)が二十本、出来た。秀じゃないのは、準竜の肝じゃないからだろう。
ついでに、残っている下級薬草で下級回復薬を十本ほど作っておく。これで、薬草の在庫は全て使い切った。
道具と作った回復薬を部屋に置く。下級回復薬が四十本、それと中級回復薬が二十本。
「今日は、これでおしまいにしよう!」
お昼は、肉の串焼きとエールで済ませたので、夜は野菜が食べたい。それと、アイテムボックスの中の食料品を補充しなくては!
金熊亭の近くは、繁華街になっている。食べ物屋は多いけど、果物は売っていないのかな?
こんな時は女将さんに聞いてみるに限る。
「果物は、朝に買う方が良いんだよ。それと、スイーツなら『アンジェラ』が評判良いよ。近いしね!」
オレンジなど食べやすい果物を女将さんに一金貨分買ってもらう事にした。これは、明日の朝ごはんで渡してもらう。
スイーツ店、ちょっと冒険者の格好では入り難いけど、革の胸当てを外した普通の格好だと、スリに狙われちゃう。
「いらっしゃいませ」
可愛いヘッドピースの従業員が笑顔で出迎えだ。
前世のケーキ屋を想像していたけど、こちらには冷蔵庫がないみたい。つまり、焼き菓子オンリー! でも、スイーツは買うよ。
でも、どれにするか悩む。見た目は、どれも同じに見えるからね。
「あちらで食べられます」
うっ、レースのカーテンに白いテーブルに椅子。
従業員さんが愛想良いのは、サーシャの見た目が綺麗だからか?
「それでは、一つずつお願いしよう。それとお茶を」
スイーツ、高価だけど、自分へのご褒美だよ。今日は、冒険者はお休みしたけど、薬師としては働いたからね。
「ううん、美味しい!」
ぱぁって笑顔になると、何故か従業員さん達が「きゃあ!」と嬌声をあげている。
四種類食べて、一番気に入ったのは、バナナの焼き菓子だ。二番目は、オレンジが薄く切って上に置いてあるの。それに、皮を刻んで生地に練り込んである。
この二つは沢山買おう!
『アンジェラ』で金貨五枚も使っちゃった。でも、アイテムボックスの中に入れておけば、悪くならないし、疲れた時にはスイーツだよね!
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