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第五章 王太子への道 ゴルチェ大陸
30 蛇神様
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カドフェル号は寄港した途端に、水と食糧の補給を済ませるとイルバニア王国に向けて出航準備を始める。
「早くローラン王国に行かないと、真冬になると港が凍りついてしまいます。例年通りなら、まだ大丈夫だとは思いますが、急ぎましょう。冬中、ローラン王国の港に氷付けにされるのは御免ですからな」
大陸の北に位置するローラン王国の港は、冬になると氷付いてしまう。レッサ艦長は、出航準備を急がせる。
「できればショウ王子を乗せて帰りたいですが、最悪ならカドフェル号はイルバニア王国の東北部の港で待機することになるかもしれません。その場合はユングフラウの大使館からも竜騎士を派遣しますから、ケイロンの大使館付きの竜騎士と港まで来て頂かなければならない。ローラン王国訪問は、ロジーナ姫もご一緒なので、できればこの方法は避けたいですね」
慌ただしい出立に、レーベン大使は泣く泣くカドフェル号の到着の歓迎会を諦める。
しかし、アルジェ女王への出国の挨拶は欠かせないと、渋るショウ王子のお尻を叩いて王宮に連れて行く。
出国を告げるショウにアルジェ女王は、思いがけないことを言い出す。
「まぁ、残念ですわ。もう少しゆっくりと滞在して下されば、宜しいのに。でも、丁度、ショウ王子をお呼びしようと思ってましたので、好都合ですわ。蛇神様がショウ王子と是非会いたいと仰っていますの。蛇神様は滅多に人と会わないのに、珍しいことなのですよ」
ショウは気絶してしまいたくなったが、レーベン大使はこのような名誉を与えて下さりありがとうございますと、アルジェ女王に御礼を言う。
神殿までは輿で移動するので、用意が整うまで控え室で待たされる。
「レーベン大使、無理です。僕が蛇神様の前で、気絶したら困るでしょ」
ショウはレーベン大使に無理だと小声で訴える。挨拶だけだとターシュを大使館において来ていたし、巨大な金色の蛇の彫像だけでも見るのを避けていた。
「貴方は東南諸島連合王国の王子なのですよ! 蛇神様の前で気絶などしたら、私が許しませんよ。そんな失態を曝したら、服の中に蛇を入れますからね! それに比べたら、会うぐらい耐えれるでしょう」
ホラー好きなレーベン大使なら、やりかねないとショウは震える。
レーベン大使に叱咤激励されて、アルジェ女王と輿に乗ったショウだったが、緊張しきって豊満な肉体とセクシーアピール満点なドレス姿も目に入ってない。
王宮から輿ごと船に乗り、神殿前で船から輿ごと降りて長い階段を上っていく。輿を運ぶ男達は屈強で、なるべく輿を揺らさないように細心の注意をしていたが、階段を上るのでやはり少しは揺らしてしまう。
ボンヤリしていたショウは、輿の揺れに対応が遅れてしまい、アルジェ女王の方に倒れ込む。柔らかな胸に顔ごと突っ込んだショウは、流石に我に返ってガバッと座り直して、真っ赤になって申し訳ありませんと謝罪する。
「まぁ、初なこと……そんなに可愛い顔をされたら、蛇神様に会いに行くのを止めて、私の寝室に連れて行きたくなりますわ。あら、冗談ですのよ。そんなことをしたら、ゼリアに口をきいてもらえなくなってしまいますわ。あの子を怒らすと面倒ですもの」
妖艶なアルジェ女王の冗談は、14歳のショウには荷が重い。着かなければ良いと思っていた蛇神様の神殿に、早く着けば良いのにと真っ赤になってショウは願った。
輿が神殿内部で下ろされると、無言の神官に出迎えられた。
神殿は天井が凄く高くて、風通しの良い設計になっていたが、神官の案内で何処までも続く静寂に支配されている回廊をどんどん奥へと進む。
長い回廊の先に、上に蛇神様の彫像が乗っている巨大な神殿の本殿が見えた。下から彫像を見上げて、ショウは蛇と言うより前世の東洋の龍に似ているのに気づく。
恐ろしさのあまり、しっかり見ていなかったし、外からはわからなかったが、ヘビの身体の下に足らしきものが付いていたのだ。
鎌首を上げた蛇の身体を支える為に、足を付けたのかと、ショウは見上げる。
現金な物でヘビは苦手なのに、短くても足が付いて龍っぽいと思うと、巨大な金の彫像も見ても平気になって、しげしげと眺めながら本殿に入る。
本殿は巨大な空間になっていて、目の前には蛇神様が鎮座される前に天井から紗の御簾が下がっていた。神官はアルジェ女王とショウ王子を残して本殿から出て行く。
『アルジェ、ショウを連れて来てくれたのですね。会ってみたいので、御簾をあげて下さい』
ショウは、内心でできれば御簾越しに挨拶したかったと悲鳴をあげる。
ショウはアルジェ女王が紐をひいて御簾が上がり、蛇神様をじかに見てビックリした。
『龍だ!』
ハッと失礼を詫びるショウを、クスクスと蛇神様は笑う。
『ショウ、蛇が千年生きると、龍になると知らなかったのですか? 貴方が愛する竜とは別の生き物なのに、龍は平気なのですね。でも、デスやロスを嫌わないでやって下さいね。私の愛しい子供ですから』
蛇嫌いもお見通しの蛇神様に、ショウは赤面して努力しますと答える。
アルジェ女王は、蛇神様が龍だということは極秘ですわよと嫣然と微笑む。
『勿論、誰にも言いません。でも、秘密にしなくても良いのではありませんか? だって、彫像にも足を付けてあるし』
ショウ王子が本殿の前でまじまじと彫像を眺めていたのを思い出して、アルジェ女王は目ざといですねと笑う。
『気づく者だけが、気づけば良いのです。それに、私は心より蛇を愛してますから、蛇を大事にして貰いたいし。デスが1000年生きて龍になるのを目にできませんが、なってくれるのを夢みていますの。こういう秘密を悪用する馬鹿もいないとは限りませんもの』
アルジェ女王が少し目を陰らしたのに気づいて、蛇神様は厭わしそうにのた打つ。
『ジェナスは、諦めた方が良いわ。あれはアルジェを苦しめるだけです。悪い芽は早く摘むに限りますよ』
蛇神様の言葉に、アルジェ女王は悲しそうに頷く。ショウは王族内の重い話に、此処にいて良いものかと躊躇ったが、蛇神様はショウに会ってゼリア王女を託せるか確認したかったのだと話す。
『ショウ、ゼリアを護って下さい。アルジェが生きているうちは大丈夫ですが、ゼリアは優しすぎる娘ですから』
ショウは一度会っただけだが、ゼリアは年より幼いと思っていた。確かに女王になるのは荷が重そうに感じたが、護れと言われても遠く離れているのに物理的に無理だと思う。
『何も、ずっと側に居て護れとは言ってませんよ。ショウの娘を授けて下されば良いのです。ショウの娘なら、強いでしょうから母親のゼリアを護ってくれるでしょう』
ショウは未だ幼いゼリアとの婚姻は先のことだろうと、気楽にしていたので驚いたが、コロコロと蛇神様にあと数年先の話ですと言われてホッとした。
『可愛いわねぇ~、食べてしまいたくなるわ』
ショウがギョッとしているのを、蛇神様とアルジェ女王は、ホホホ……と笑う。
『私も本気で、娘を授けて貰いたくなりましたわ。私なら数年も待たなくても良いし……』
ハハハ……冗談ですよねぇとショウは力無く笑って、蛇神様の神殿を後にする。
帰りの輿の中で、ショウはアルジェ女王の色気満点なドレスの谷間を見ないように必死で努力したが、目が自然と吸い寄せられるので苦労して汗をかく。
ドッと疲れたショウに大使館でレーベン大使は、蛇神様との話の内容を聞きたがったが、秘密です! と拒否する。
「レーベン大使、ジェナス王子の動きに気をつけて下さい。彼の取り巻き連中の動きも、レイテに報告お願いします」
ショウの言葉で蛇神様との話の内容を察したレーベン大使は、真剣な顔で承知しましたと答える。
サンズとシリンを甲板に乗せたカドフェル号は、サリザンを出航していった。
「ピップス、船酔いとか大丈夫?」
初めての航海なので、見るもの全てに驚いているピップスを笑いながらショウは心配したが、船酔いって何ですかと聞き返されて大丈夫そうだと安心する。
ユングフラウでヌートン大使とローラン王国訪問の話し合いを持たなくてはいけないので、ショウは帆に風を送り込む。パーンと帆を満杯にして、スピードをあげたカドフェル号は大型艦はプリウス運河を通行できないので、グルッと大回りしてペリニョン岬を目指す。
本来の場所に帰ったワンダーとバージョンは活き活きと航海を楽しんでいたが、マッキンリー大瀑布を見れたのは良かったなぁと口にして、嵐に遭ったり、休憩無しでメーリングまで航海する他の士官や士官候補生にブーイングにあった。
初めはピップスに不審そうな目を向けていた乗組員達も、少し落ち着きは無いがクルクルとよく働く様子を見て好意を持って受け入れて、ロープの結び方や、ショウ王子の好みの食べ物などを教える。
ピップスが士官候補生達と剣の稽古をしていると、ショウも稽古に参加して、バージョンと良い勝負ができるようになった。
「ショウ王子、腕をあげましたね」
レッサ艦長に褒められて、嬉しそうな顔をしたが、バルバロッサ討伐の際の父上やメルト、カリンの剣捌きの鮮やかさを思い出して、まだまだですと答える。
レッサ艦長はまた一つショウが成長したと微笑んだ。
「早くローラン王国に行かないと、真冬になると港が凍りついてしまいます。例年通りなら、まだ大丈夫だとは思いますが、急ぎましょう。冬中、ローラン王国の港に氷付けにされるのは御免ですからな」
大陸の北に位置するローラン王国の港は、冬になると氷付いてしまう。レッサ艦長は、出航準備を急がせる。
「できればショウ王子を乗せて帰りたいですが、最悪ならカドフェル号はイルバニア王国の東北部の港で待機することになるかもしれません。その場合はユングフラウの大使館からも竜騎士を派遣しますから、ケイロンの大使館付きの竜騎士と港まで来て頂かなければならない。ローラン王国訪問は、ロジーナ姫もご一緒なので、できればこの方法は避けたいですね」
慌ただしい出立に、レーベン大使は泣く泣くカドフェル号の到着の歓迎会を諦める。
しかし、アルジェ女王への出国の挨拶は欠かせないと、渋るショウ王子のお尻を叩いて王宮に連れて行く。
出国を告げるショウにアルジェ女王は、思いがけないことを言い出す。
「まぁ、残念ですわ。もう少しゆっくりと滞在して下されば、宜しいのに。でも、丁度、ショウ王子をお呼びしようと思ってましたので、好都合ですわ。蛇神様がショウ王子と是非会いたいと仰っていますの。蛇神様は滅多に人と会わないのに、珍しいことなのですよ」
ショウは気絶してしまいたくなったが、レーベン大使はこのような名誉を与えて下さりありがとうございますと、アルジェ女王に御礼を言う。
神殿までは輿で移動するので、用意が整うまで控え室で待たされる。
「レーベン大使、無理です。僕が蛇神様の前で、気絶したら困るでしょ」
ショウはレーベン大使に無理だと小声で訴える。挨拶だけだとターシュを大使館において来ていたし、巨大な金色の蛇の彫像だけでも見るのを避けていた。
「貴方は東南諸島連合王国の王子なのですよ! 蛇神様の前で気絶などしたら、私が許しませんよ。そんな失態を曝したら、服の中に蛇を入れますからね! それに比べたら、会うぐらい耐えれるでしょう」
ホラー好きなレーベン大使なら、やりかねないとショウは震える。
レーベン大使に叱咤激励されて、アルジェ女王と輿に乗ったショウだったが、緊張しきって豊満な肉体とセクシーアピール満点なドレス姿も目に入ってない。
王宮から輿ごと船に乗り、神殿前で船から輿ごと降りて長い階段を上っていく。輿を運ぶ男達は屈強で、なるべく輿を揺らさないように細心の注意をしていたが、階段を上るのでやはり少しは揺らしてしまう。
ボンヤリしていたショウは、輿の揺れに対応が遅れてしまい、アルジェ女王の方に倒れ込む。柔らかな胸に顔ごと突っ込んだショウは、流石に我に返ってガバッと座り直して、真っ赤になって申し訳ありませんと謝罪する。
「まぁ、初なこと……そんなに可愛い顔をされたら、蛇神様に会いに行くのを止めて、私の寝室に連れて行きたくなりますわ。あら、冗談ですのよ。そんなことをしたら、ゼリアに口をきいてもらえなくなってしまいますわ。あの子を怒らすと面倒ですもの」
妖艶なアルジェ女王の冗談は、14歳のショウには荷が重い。着かなければ良いと思っていた蛇神様の神殿に、早く着けば良いのにと真っ赤になってショウは願った。
輿が神殿内部で下ろされると、無言の神官に出迎えられた。
神殿は天井が凄く高くて、風通しの良い設計になっていたが、神官の案内で何処までも続く静寂に支配されている回廊をどんどん奥へと進む。
長い回廊の先に、上に蛇神様の彫像が乗っている巨大な神殿の本殿が見えた。下から彫像を見上げて、ショウは蛇と言うより前世の東洋の龍に似ているのに気づく。
恐ろしさのあまり、しっかり見ていなかったし、外からはわからなかったが、ヘビの身体の下に足らしきものが付いていたのだ。
鎌首を上げた蛇の身体を支える為に、足を付けたのかと、ショウは見上げる。
現金な物でヘビは苦手なのに、短くても足が付いて龍っぽいと思うと、巨大な金の彫像も見ても平気になって、しげしげと眺めながら本殿に入る。
本殿は巨大な空間になっていて、目の前には蛇神様が鎮座される前に天井から紗の御簾が下がっていた。神官はアルジェ女王とショウ王子を残して本殿から出て行く。
『アルジェ、ショウを連れて来てくれたのですね。会ってみたいので、御簾をあげて下さい』
ショウは、内心でできれば御簾越しに挨拶したかったと悲鳴をあげる。
ショウはアルジェ女王が紐をひいて御簾が上がり、蛇神様をじかに見てビックリした。
『龍だ!』
ハッと失礼を詫びるショウを、クスクスと蛇神様は笑う。
『ショウ、蛇が千年生きると、龍になると知らなかったのですか? 貴方が愛する竜とは別の生き物なのに、龍は平気なのですね。でも、デスやロスを嫌わないでやって下さいね。私の愛しい子供ですから』
蛇嫌いもお見通しの蛇神様に、ショウは赤面して努力しますと答える。
アルジェ女王は、蛇神様が龍だということは極秘ですわよと嫣然と微笑む。
『勿論、誰にも言いません。でも、秘密にしなくても良いのではありませんか? だって、彫像にも足を付けてあるし』
ショウ王子が本殿の前でまじまじと彫像を眺めていたのを思い出して、アルジェ女王は目ざといですねと笑う。
『気づく者だけが、気づけば良いのです。それに、私は心より蛇を愛してますから、蛇を大事にして貰いたいし。デスが1000年生きて龍になるのを目にできませんが、なってくれるのを夢みていますの。こういう秘密を悪用する馬鹿もいないとは限りませんもの』
アルジェ女王が少し目を陰らしたのに気づいて、蛇神様は厭わしそうにのた打つ。
『ジェナスは、諦めた方が良いわ。あれはアルジェを苦しめるだけです。悪い芽は早く摘むに限りますよ』
蛇神様の言葉に、アルジェ女王は悲しそうに頷く。ショウは王族内の重い話に、此処にいて良いものかと躊躇ったが、蛇神様はショウに会ってゼリア王女を託せるか確認したかったのだと話す。
『ショウ、ゼリアを護って下さい。アルジェが生きているうちは大丈夫ですが、ゼリアは優しすぎる娘ですから』
ショウは一度会っただけだが、ゼリアは年より幼いと思っていた。確かに女王になるのは荷が重そうに感じたが、護れと言われても遠く離れているのに物理的に無理だと思う。
『何も、ずっと側に居て護れとは言ってませんよ。ショウの娘を授けて下されば良いのです。ショウの娘なら、強いでしょうから母親のゼリアを護ってくれるでしょう』
ショウは未だ幼いゼリアとの婚姻は先のことだろうと、気楽にしていたので驚いたが、コロコロと蛇神様にあと数年先の話ですと言われてホッとした。
『可愛いわねぇ~、食べてしまいたくなるわ』
ショウがギョッとしているのを、蛇神様とアルジェ女王は、ホホホ……と笑う。
『私も本気で、娘を授けて貰いたくなりましたわ。私なら数年も待たなくても良いし……』
ハハハ……冗談ですよねぇとショウは力無く笑って、蛇神様の神殿を後にする。
帰りの輿の中で、ショウはアルジェ女王の色気満点なドレスの谷間を見ないように必死で努力したが、目が自然と吸い寄せられるので苦労して汗をかく。
ドッと疲れたショウに大使館でレーベン大使は、蛇神様との話の内容を聞きたがったが、秘密です! と拒否する。
「レーベン大使、ジェナス王子の動きに気をつけて下さい。彼の取り巻き連中の動きも、レイテに報告お願いします」
ショウの言葉で蛇神様との話の内容を察したレーベン大使は、真剣な顔で承知しましたと答える。
サンズとシリンを甲板に乗せたカドフェル号は、サリザンを出航していった。
「ピップス、船酔いとか大丈夫?」
初めての航海なので、見るもの全てに驚いているピップスを笑いながらショウは心配したが、船酔いって何ですかと聞き返されて大丈夫そうだと安心する。
ユングフラウでヌートン大使とローラン王国訪問の話し合いを持たなくてはいけないので、ショウは帆に風を送り込む。パーンと帆を満杯にして、スピードをあげたカドフェル号は大型艦はプリウス運河を通行できないので、グルッと大回りしてペリニョン岬を目指す。
本来の場所に帰ったワンダーとバージョンは活き活きと航海を楽しんでいたが、マッキンリー大瀑布を見れたのは良かったなぁと口にして、嵐に遭ったり、休憩無しでメーリングまで航海する他の士官や士官候補生にブーイングにあった。
初めはピップスに不審そうな目を向けていた乗組員達も、少し落ち着きは無いがクルクルとよく働く様子を見て好意を持って受け入れて、ロープの結び方や、ショウ王子の好みの食べ物などを教える。
ピップスが士官候補生達と剣の稽古をしていると、ショウも稽古に参加して、バージョンと良い勝負ができるようになった。
「ショウ王子、腕をあげましたね」
レッサ艦長に褒められて、嬉しそうな顔をしたが、バルバロッサ討伐の際の父上やメルト、カリンの剣捌きの鮮やかさを思い出して、まだまだですと答える。
レッサ艦長はまた一つショウが成長したと微笑んだ。
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