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第一章 醜いあひるの子
26 海水浴で、どっきん!
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シルビアが言い出して、皆で海水浴に行くことになった。
ベーカーヒル伯爵の屋敷から、海までは近いし、せっかくルーファス王子が滞在されているのだからと、海岸でバーベキューをする計画も、若い人達を中心で考えた。アンブローシア伯爵夫人は、セドリックなら任せても大丈夫だと信頼していたし、真夏の海岸になど行くのは遠慮したかったのだ。
「ええっ! 服を着て、泳ぐのですか?」
ミリアム先生に、古着を着て海水浴に行くと聞いて、ジュリアは驚いた。
「当たり前です、まさか裸で泳ぐわけには、いかないでしょう。今までは、どうしていたの?」
「裸では無いけど……服は……脱いで泳いでました」
ミリアム先生が、もう子どもでは無いのだから、つつしみを持たなくてはとお説教している横で、シルビアは、泳げないし、泳ぐつもりも無いので、可愛い服を着て行きたいと考える。
「私は、海岸を散歩するつもりだから、新しいレースの日傘を持って行くわ」
ミリアムは、13歳なのに色気も無いジュリアと、10歳なのにルーファス王子に夢中なシルビアを、足して2で割りたくなった。
「シルビア様、泳げないと、いざという時に困った事になります。一度、泳ぎ方を覚えれば、一生忘れません! 良い機会ですから、泳げるようになりましょう!」
ええっ! と迷惑そうなシルビアは、ミリアム先生に抗議する。
「泳げないみっともない姿を、ルーファス王子様に見られるのは嫌よ! 泳ぐ練習は、ルーファス王子様が離宮に帰られてから、真面目にするわ」
ミリアムは、ルーファス王子が帰られたら、苦手な水泳などシルビアがするわけがないと、厳しい態度で言い聞かせる。
「水泳の練習をしないのなら、海岸には行かず、部屋で勉強しましょう」
ジュリアは自分一人で、ルーファス王子やセドリック様と海水浴だなんてと、シルビアを説得する。
「シルビア御嬢様、きっとルーファス王子が泳ぎ方を教えて下さいますよ! それに、海岸でバーベキューをするのですよ」
シルビアは少し考えて、自分から海水浴に行こうと言い出したのに、お留守番は嫌だと思った。
「しかたない。泳ぎ方の練習をするわ」
ミリアム先生は、頷くと、早速シルビアの海水浴に着ていく古着の手配をメイドに伝えた。
「なるべく色の濃い木綿の服が良いみたいだけど……」
古着なんて持ってないジュリアは、ルーシに相談すると、屋敷の召使の古着を貰ってきてくれた。濃い緑色に赤と白の線が入った古着を、ルーシーは痩せっぽっちのジュリアに合うように、縫い詰める。
「何度も洗っているから、緑色も白っぽくなっているけど、海水浴なんだから、これで大丈夫でしょう」
しらちゃけた古着を着たジュリアは、皆と馬車で海へと向かう。
「ルーファス王子様と一緒の馬車が良かったわ」
おませなシルビアは愚痴ったが、ジュリアはミリアム先生と、女ばかりの方が気楽で良いと思う。ルーファス王子の馬車には、セドリックとサリンジャーが一緒に乗っていた。
「妹のシルビアは、泳げないから、気を付けてやらなくては」
セドリックは妹を心配していたが、サリンジャーはジュリアが海のウンディーネに誘惑されて、引きずり込まれないかと、海水浴中は目を離さないようにしようと考えていた。
「海のウンディーネに会えるかな?」
サリンジャーは呑気そうなルーファス王子からも、目を離さないようにしようと溜め息をついた。
「ルーファス王子、ウンディーネに海の底へ連れていかれないように」
久しぶりに、海のウンディーネに会えるのは楽しみだが、自己の確立が出来てないジュリアと、呑気なルーファス王子を監督しなくてはいけないので、祖国の事情などを尋ねるどころでは無いと、サリンジャーは少し残念に思った。
「海の水って、塩辛いのね!」
シルビアは、ミリアム先生に熱血指導されて、自分が思っていた優雅な海水浴では無いと、ぷんぷんと怒る。
「ミリアム先生、シルビアの相手ばかりでは、つまらないでしょう。私がついていますから、少し泳いだら如何ですか」
セドリックは、妹が困らせているのをみかねて、交代を申し出た。
「そうですねぇ、私よりセドリック様の方が泳ぐのが上手そうですね」
ミリアムはやる気の無いシルビアの指導に疲れていたので、少し休憩することにした。監視の外れたシルビアは、お兄様より、ルーファス王子に教えて貰いたいと考えた。
「ルーファス王子様は……あれ? サリンジャー師とジュリアと一緒だわ、何をしてるのかしら?」
妹の言葉で、セドリックは三人がいる方向を見た。
「わぁ~! 海のウンディーネだぁ!」
日頃は冷静な態度の兄が大声をあげたのに、驚いたシルビアだが、何も変わった物は見えない。浜辺で、ルーファス王子と、ジュリアと、サリンジャー師が、棒立ちで海を見ているだけだ。
「シルビア、ミリアム先生のところに行ってなさい!」
セドリックに厳しい口調で言われて、泳ぐ練習はこりごりだったシルビアは、ミリアム先生の方へ行く。
『海のウンディーネ! 貴方はもしかしたらお名前をお持ちですか? 私はサリンジャーと申します、お名前をお聞かせ下さい』
三人の元に急いだセドリックは、巨大な海のウンディーネに、サリンジャー師が丁寧な口調で話しかけているのに驚いた。ルーファス王子とジュリアは、人間の三倍はありそうな海のウンディーネに驚き、そして魅入られて、視線を外す事もできない。
「ルーファス王子! 凄い海のウンディーネですね」
セドリックがルーファス王子の肩をポンと叩くと、ハッと我にかえる。
「こんな大きな精霊もいるんだね、サリンジャー師に名前を名乗るかな?」
精霊使いの講義で、稀に魔力の強い精霊が自分の名前を教えてくれることがあると、サリンジャー師は羨ましそうに話していたのだ。
「あの時は、名前を持った精霊が本当にいるとは、信じられなかったけど、この海のウンディーネなら……」
ルーファス王子とセドリックは、サリンジャー師が名前を精霊から聞けたら良いのにと、固唾を呑んでみつめていた。ジュリアは、きらきらと煌めく海のウンディーネに魅了されていた。
『何て、綺麗なんでしょう! それに強いのがわかるわ!』
海のウンディーネは、自分に名前を尋ねた精霊使いに興味を持ったが、その横の小さな女の子が、自分に見惚れているのに気づいた。
『サリンジャーとやら、その娘をくれたら、名前を教えてやろう』
青みがかった透明だった海のウンディーネが、よりハッキリと実体化する。
『それは、お断りだ!』
サリンジャーは、海のウンディーネを退けようと、風の精霊達を呼び寄せると実体化させた。
『ウンディーネを追い払ってくれ!』
海のウンディーネは、風のシルフィードより強そうで、魅入られていたジュリアは、心配になった。
『お願い、海のウンディーネ! 無茶なことは言わないで! それに、本心では無いはずよ! サリンジャー師を試したの?』
海のウンディーネは、小さな女の子に自分の心の中を見抜かれて、グワッハッハと笑った。その笑い声で、大きな波がバッシャンとみんなの頭の上から掛かった。
「ジュリア! 大丈夫ですか?」
サリンジャーとセドリックは、波に浚われそうなジュリアに駆け付けようとしたが、ルーファス王子が素早く抱き締めていた。
『すまない、これは意図してやったのでは無い。サリンジャーは、その女の子の師匠なのか? しっかりと鍛えるが良い! 我が名はテューオ! 気がむけば、一つぐらいは願いを叶えてやろう』
サリンジャーは、名前を教えて貰ったのは初めてなので、呆然としていたが、セドリックはルーファス王子の腕の中で、真っ赤になっているジュリアに、何故か胸が焼けた。
「ルーファス王子、ありがとうございます」
男の人に、まして王子様に抱きしめられて、ジュリアはポッとしていたが、ルーファス王子ラブのシルビアが走って来て、騒ぎだした。
「ジュリア、大丈夫だった? 凄い大波だったわねぇ!」
シルビアには、沖に去っていく、海のウンディーネが見えていないのだと、ジュリアは驚いた。
「ねぇ、頬が赤いわよ」
シルビアに、ルーファス王子に抱き締められた感じを尋ねられて、逞しい胸板を思い出して、もっと真っ赤になったジュリアだった。
ベーカーヒル伯爵の屋敷から、海までは近いし、せっかくルーファス王子が滞在されているのだからと、海岸でバーベキューをする計画も、若い人達を中心で考えた。アンブローシア伯爵夫人は、セドリックなら任せても大丈夫だと信頼していたし、真夏の海岸になど行くのは遠慮したかったのだ。
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「泳げないみっともない姿を、ルーファス王子様に見られるのは嫌よ! 泳ぐ練習は、ルーファス王子様が離宮に帰られてから、真面目にするわ」
ミリアムは、ルーファス王子が帰られたら、苦手な水泳などシルビアがするわけがないと、厳しい態度で言い聞かせる。
「水泳の練習をしないのなら、海岸には行かず、部屋で勉強しましょう」
ジュリアは自分一人で、ルーファス王子やセドリック様と海水浴だなんてと、シルビアを説得する。
「シルビア御嬢様、きっとルーファス王子が泳ぎ方を教えて下さいますよ! それに、海岸でバーベキューをするのですよ」
シルビアは少し考えて、自分から海水浴に行こうと言い出したのに、お留守番は嫌だと思った。
「しかたない。泳ぎ方の練習をするわ」
ミリアム先生は、頷くと、早速シルビアの海水浴に着ていく古着の手配をメイドに伝えた。
「なるべく色の濃い木綿の服が良いみたいだけど……」
古着なんて持ってないジュリアは、ルーシに相談すると、屋敷の召使の古着を貰ってきてくれた。濃い緑色に赤と白の線が入った古着を、ルーシーは痩せっぽっちのジュリアに合うように、縫い詰める。
「何度も洗っているから、緑色も白っぽくなっているけど、海水浴なんだから、これで大丈夫でしょう」
しらちゃけた古着を着たジュリアは、皆と馬車で海へと向かう。
「ルーファス王子様と一緒の馬車が良かったわ」
おませなシルビアは愚痴ったが、ジュリアはミリアム先生と、女ばかりの方が気楽で良いと思う。ルーファス王子の馬車には、セドリックとサリンジャーが一緒に乗っていた。
「妹のシルビアは、泳げないから、気を付けてやらなくては」
セドリックは妹を心配していたが、サリンジャーはジュリアが海のウンディーネに誘惑されて、引きずり込まれないかと、海水浴中は目を離さないようにしようと考えていた。
「海のウンディーネに会えるかな?」
サリンジャーは呑気そうなルーファス王子からも、目を離さないようにしようと溜め息をついた。
「ルーファス王子、ウンディーネに海の底へ連れていかれないように」
久しぶりに、海のウンディーネに会えるのは楽しみだが、自己の確立が出来てないジュリアと、呑気なルーファス王子を監督しなくてはいけないので、祖国の事情などを尋ねるどころでは無いと、サリンジャーは少し残念に思った。
「海の水って、塩辛いのね!」
シルビアは、ミリアム先生に熱血指導されて、自分が思っていた優雅な海水浴では無いと、ぷんぷんと怒る。
「ミリアム先生、シルビアの相手ばかりでは、つまらないでしょう。私がついていますから、少し泳いだら如何ですか」
セドリックは、妹が困らせているのをみかねて、交代を申し出た。
「そうですねぇ、私よりセドリック様の方が泳ぐのが上手そうですね」
ミリアムはやる気の無いシルビアの指導に疲れていたので、少し休憩することにした。監視の外れたシルビアは、お兄様より、ルーファス王子に教えて貰いたいと考えた。
「ルーファス王子様は……あれ? サリンジャー師とジュリアと一緒だわ、何をしてるのかしら?」
妹の言葉で、セドリックは三人がいる方向を見た。
「わぁ~! 海のウンディーネだぁ!」
日頃は冷静な態度の兄が大声をあげたのに、驚いたシルビアだが、何も変わった物は見えない。浜辺で、ルーファス王子と、ジュリアと、サリンジャー師が、棒立ちで海を見ているだけだ。
「シルビア、ミリアム先生のところに行ってなさい!」
セドリックに厳しい口調で言われて、泳ぐ練習はこりごりだったシルビアは、ミリアム先生の方へ行く。
『海のウンディーネ! 貴方はもしかしたらお名前をお持ちですか? 私はサリンジャーと申します、お名前をお聞かせ下さい』
三人の元に急いだセドリックは、巨大な海のウンディーネに、サリンジャー師が丁寧な口調で話しかけているのに驚いた。ルーファス王子とジュリアは、人間の三倍はありそうな海のウンディーネに驚き、そして魅入られて、視線を外す事もできない。
「ルーファス王子! 凄い海のウンディーネですね」
セドリックがルーファス王子の肩をポンと叩くと、ハッと我にかえる。
「こんな大きな精霊もいるんだね、サリンジャー師に名前を名乗るかな?」
精霊使いの講義で、稀に魔力の強い精霊が自分の名前を教えてくれることがあると、サリンジャー師は羨ましそうに話していたのだ。
「あの時は、名前を持った精霊が本当にいるとは、信じられなかったけど、この海のウンディーネなら……」
ルーファス王子とセドリックは、サリンジャー師が名前を精霊から聞けたら良いのにと、固唾を呑んでみつめていた。ジュリアは、きらきらと煌めく海のウンディーネに魅了されていた。
『何て、綺麗なんでしょう! それに強いのがわかるわ!』
海のウンディーネは、自分に名前を尋ねた精霊使いに興味を持ったが、その横の小さな女の子が、自分に見惚れているのに気づいた。
『サリンジャーとやら、その娘をくれたら、名前を教えてやろう』
青みがかった透明だった海のウンディーネが、よりハッキリと実体化する。
『それは、お断りだ!』
サリンジャーは、海のウンディーネを退けようと、風の精霊達を呼び寄せると実体化させた。
『ウンディーネを追い払ってくれ!』
海のウンディーネは、風のシルフィードより強そうで、魅入られていたジュリアは、心配になった。
『お願い、海のウンディーネ! 無茶なことは言わないで! それに、本心では無いはずよ! サリンジャー師を試したの?』
海のウンディーネは、小さな女の子に自分の心の中を見抜かれて、グワッハッハと笑った。その笑い声で、大きな波がバッシャンとみんなの頭の上から掛かった。
「ジュリア! 大丈夫ですか?」
サリンジャーとセドリックは、波に浚われそうなジュリアに駆け付けようとしたが、ルーファス王子が素早く抱き締めていた。
『すまない、これは意図してやったのでは無い。サリンジャーは、その女の子の師匠なのか? しっかりと鍛えるが良い! 我が名はテューオ! 気がむけば、一つぐらいは願いを叶えてやろう』
サリンジャーは、名前を教えて貰ったのは初めてなので、呆然としていたが、セドリックはルーファス王子の腕の中で、真っ赤になっているジュリアに、何故か胸が焼けた。
「ルーファス王子、ありがとうございます」
男の人に、まして王子様に抱きしめられて、ジュリアはポッとしていたが、ルーファス王子ラブのシルビアが走って来て、騒ぎだした。
「ジュリア、大丈夫だった? 凄い大波だったわねぇ!」
シルビアには、沖に去っていく、海のウンディーネが見えていないのだと、ジュリアは驚いた。
「ねぇ、頬が赤いわよ」
シルビアに、ルーファス王子に抱き締められた感じを尋ねられて、逞しい胸板を思い出して、もっと真っ赤になったジュリアだった。
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