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好きな人が離してくれない
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謎の屋敷の中でユリウスとサラは一緒のベットに入って満足していた。お互いの性欲が満たされていたからだ。
「サラ、私たちは国の命令で結婚しないといけないらしい」
「……それは逆らうとどうなるんですか?」
サラをユリウスは抱き寄せると首筋にキスを繰り返した。サラは逆らったらいけないことなんだなと分かってしまった。
「身分が平民でも伯爵様と結婚できるものなのですか?」
「どこかの家の養女になってから結婚するはずだ。サラは結婚してくれるの?」
「はい、結婚します。」
周りに聞かれている状況で断れるわけもなくサラは同意するしかなかった。
「ユリウス様はずっと監視してましたね。」
「何の事かな」
サラはたまに誰かが見ている視線を感じていた。それが強くなったのは倒れているユリウスと性行為をしている時からだった。サラは1回やったらお終いと思っていたが、まさか益々監視が強くなっただなんて思わなかった。
自分に危害を与えそうな人間は勝手に排除されていた。ユリウスと出会う前は平民だから馬鹿にしたり、ちょっかいをかけてくる人はいた。しかしそれがいつの間にかなくなっていた。
ユリウスのファンクラブに入ってからは気にしていなかったが、ユリウスは2重人格なんだろうか。
「そういえば媚薬はどこで買ったんですか?」
「媚薬?疲労回復ポーションを露天商から買ったんだ。探しているんだが見つからない」
……騎士団の人が露天商から買うわけがない。世間知らずの貴族でも買うわけない。
既成事実を作られたあと、神殿に行くとサラは女神の寵愛を受けた者だった。女の子の場合は7歳の時と14歳の時に神殿で加護があるか調べないといけないのだが、サラは7歳の時しかやっていない。14歳の時は両親が死んでしまい、ゴタゴタしていてお金もない時間もなかったのだった。
「それでは仕方ありませんね。女神の寵愛をサラ様も受けていたのですね。」
「サラ様の両親のどちらかが女神様か子孫なのかもしれないですね」
♢
サラとユリウスが神殿から出て行くと騎士団の人たちがジロジロとサラを見る。女神の寵愛を受けている者に近づきたいと誰でも思う。しかしそれをユリウスは許さなかった。サラは寵愛をあげることも加護をあげることも分からない。知っている事は性行為をして満足させれば与えられるかもと何となくの情報だけ。
「女神の寵愛があっても魔法を使えないから意味があるのかな」
伯爵家に住むことになったサラはメイドに質問をしていた。メイドは生きているだけでありがたい存在なのですよと言ってくれる。
ユリウスは女神の寵愛を実感している。魔獣討伐に行くと襲われなくなり、息が吸いにくいくらい汚れている空気も澄んだ空気になる。精霊たちがユリウスに寄ってくる姿を団員は何度も見ている。
領地も特産品のブドウが豊作だった。ワインを大量に作ることが出来たので販売をするとユリウスになった年から、領地のワインを多くの人に販売することが出来た。
サラは絹に興味があるので蚕の育て方を教えてもらって育てて絹を作って貰うことにした。
「ユリウス様見てください。羽化した直後に交尾してたくさん卵を産んでます。通常の15倍くらい産んでますね」
「「……」」
性欲の強さが似たのだろうか。上質な絹が作られて他国でも販売されている。蚕の工場を作ることが出来たので、領民たちの働く場所も保証された。領民たちも小さい頃から働くことが出来る場所が出来たので、メイドを雇うことも出来た。領民たちも裕福になっていく。
伯爵領は領民もお金持ちになった。治める税金は変わらないのでお金は貯まっていく。伯爵領に住みたい人たちも多い。
♢
「やっと見つけたよ、サラ」
ああ、神様いるならこの状況どうにかしてくれませんか?身分が平民の私が何故名門貴族のユリウス・バルナム様に迫られているの?うっとりした光悦な表情をされても正直言って私は困る。
でも私はこの人と結婚してしまった。
結婚した理由?何故なら私は媚薬で記憶がないユリウス様を抱いたからよ。
平民の私を見つけて何がしたいのかしら。平和な生活のまま生きることって出来ないのかしら。国ぐるみで狙われたら平民で何もできない私なんて逃げられるわけがない。
平日の昼間で太陽が昇っているのに、おかしいわ。寒くて鳥肌になっている。何も知らないフリをして立ち去ることに決めた。ああ、一人に戻りたい。こんなにしつこくて溺愛してくるなんてファンの頃には知らなかった。
「王国騎士団の騎士様ですね、何かございましたか?」
「サラ、ずっと探していたんだ。そんなに他人行儀にならなくてもいい。」
どうしよう、この人言葉が通じないのかしら。推しに迫られてまんざらでもないのがダメね。
今日はメイドを連れてお忍びで人気のカフェに来てみた。ユリウス様と来ると食べている姿に欲情したとか、周りが色々話してくるから楽しめない。確かにユリウス様はカッコイイ。平々凡々の私と一緒にいると迷惑がかかる。
「こういうところが好きなんだね。私はデートしたことがないからしてみたいんだ」
デート……。
伯爵家の寝室で毎日抱き合っているからあれがデートにならないのかしら。外を歩いた後って疲れるから、ベットに入ってすぐに寝たいのに離してくれない。
婚約をすっ飛ばして結婚した私たち。国王陛下から女神の寵愛を与えし者と寵愛を受けた者。どうやって与えたのか。口が裂けても言えないので笑って誤魔化して教皇様に話を振った。
天界にいた時に悪戯をしすぎて追放された元女神の私。罪滅ぼしをしたら天界に帰れる。誰も好きにならないはずが、好きになった人がユリウスだった。女神の力を失って人間になってしまったから何もできない。見ていることしか出来なかった。
女神の私の力が性行為であげることが出来るなんて知らなかった。多分性交以外でもあげることが出来るけど今は黙っておこう。女神の寵愛を自分にもかけることが出来た。彼と行為している自分も好きになっていた。
他人にはあげない、必要以上にあげてしまうと人生狂ってしまうからね。
「サラ、君は僕の女神だ。女神は天界に帰ったりしないよね?」
「天界?どうして?」
意味深な微笑みをサラに向けるユリウス。
ああ、神様、創造主様。もう一度聞きます。
ユリウスの独占欲が強い気がします。
この状況何とかしてください。
「サラ、私たちは国の命令で結婚しないといけないらしい」
「……それは逆らうとどうなるんですか?」
サラをユリウスは抱き寄せると首筋にキスを繰り返した。サラは逆らったらいけないことなんだなと分かってしまった。
「身分が平民でも伯爵様と結婚できるものなのですか?」
「どこかの家の養女になってから結婚するはずだ。サラは結婚してくれるの?」
「はい、結婚します。」
周りに聞かれている状況で断れるわけもなくサラは同意するしかなかった。
「ユリウス様はずっと監視してましたね。」
「何の事かな」
サラはたまに誰かが見ている視線を感じていた。それが強くなったのは倒れているユリウスと性行為をしている時からだった。サラは1回やったらお終いと思っていたが、まさか益々監視が強くなっただなんて思わなかった。
自分に危害を与えそうな人間は勝手に排除されていた。ユリウスと出会う前は平民だから馬鹿にしたり、ちょっかいをかけてくる人はいた。しかしそれがいつの間にかなくなっていた。
ユリウスのファンクラブに入ってからは気にしていなかったが、ユリウスは2重人格なんだろうか。
「そういえば媚薬はどこで買ったんですか?」
「媚薬?疲労回復ポーションを露天商から買ったんだ。探しているんだが見つからない」
……騎士団の人が露天商から買うわけがない。世間知らずの貴族でも買うわけない。
既成事実を作られたあと、神殿に行くとサラは女神の寵愛を受けた者だった。女の子の場合は7歳の時と14歳の時に神殿で加護があるか調べないといけないのだが、サラは7歳の時しかやっていない。14歳の時は両親が死んでしまい、ゴタゴタしていてお金もない時間もなかったのだった。
「それでは仕方ありませんね。女神の寵愛をサラ様も受けていたのですね。」
「サラ様の両親のどちらかが女神様か子孫なのかもしれないですね」
♢
サラとユリウスが神殿から出て行くと騎士団の人たちがジロジロとサラを見る。女神の寵愛を受けている者に近づきたいと誰でも思う。しかしそれをユリウスは許さなかった。サラは寵愛をあげることも加護をあげることも分からない。知っている事は性行為をして満足させれば与えられるかもと何となくの情報だけ。
「女神の寵愛があっても魔法を使えないから意味があるのかな」
伯爵家に住むことになったサラはメイドに質問をしていた。メイドは生きているだけでありがたい存在なのですよと言ってくれる。
ユリウスは女神の寵愛を実感している。魔獣討伐に行くと襲われなくなり、息が吸いにくいくらい汚れている空気も澄んだ空気になる。精霊たちがユリウスに寄ってくる姿を団員は何度も見ている。
領地も特産品のブドウが豊作だった。ワインを大量に作ることが出来たので販売をするとユリウスになった年から、領地のワインを多くの人に販売することが出来た。
サラは絹に興味があるので蚕の育て方を教えてもらって育てて絹を作って貰うことにした。
「ユリウス様見てください。羽化した直後に交尾してたくさん卵を産んでます。通常の15倍くらい産んでますね」
「「……」」
性欲の強さが似たのだろうか。上質な絹が作られて他国でも販売されている。蚕の工場を作ることが出来たので、領民たちの働く場所も保証された。領民たちも小さい頃から働くことが出来る場所が出来たので、メイドを雇うことも出来た。領民たちも裕福になっていく。
伯爵領は領民もお金持ちになった。治める税金は変わらないのでお金は貯まっていく。伯爵領に住みたい人たちも多い。
♢
「やっと見つけたよ、サラ」
ああ、神様いるならこの状況どうにかしてくれませんか?身分が平民の私が何故名門貴族のユリウス・バルナム様に迫られているの?うっとりした光悦な表情をされても正直言って私は困る。
でも私はこの人と結婚してしまった。
結婚した理由?何故なら私は媚薬で記憶がないユリウス様を抱いたからよ。
平民の私を見つけて何がしたいのかしら。平和な生活のまま生きることって出来ないのかしら。国ぐるみで狙われたら平民で何もできない私なんて逃げられるわけがない。
平日の昼間で太陽が昇っているのに、おかしいわ。寒くて鳥肌になっている。何も知らないフリをして立ち去ることに決めた。ああ、一人に戻りたい。こんなにしつこくて溺愛してくるなんてファンの頃には知らなかった。
「王国騎士団の騎士様ですね、何かございましたか?」
「サラ、ずっと探していたんだ。そんなに他人行儀にならなくてもいい。」
どうしよう、この人言葉が通じないのかしら。推しに迫られてまんざらでもないのがダメね。
今日はメイドを連れてお忍びで人気のカフェに来てみた。ユリウス様と来ると食べている姿に欲情したとか、周りが色々話してくるから楽しめない。確かにユリウス様はカッコイイ。平々凡々の私と一緒にいると迷惑がかかる。
「こういうところが好きなんだね。私はデートしたことがないからしてみたいんだ」
デート……。
伯爵家の寝室で毎日抱き合っているからあれがデートにならないのかしら。外を歩いた後って疲れるから、ベットに入ってすぐに寝たいのに離してくれない。
婚約をすっ飛ばして結婚した私たち。国王陛下から女神の寵愛を与えし者と寵愛を受けた者。どうやって与えたのか。口が裂けても言えないので笑って誤魔化して教皇様に話を振った。
天界にいた時に悪戯をしすぎて追放された元女神の私。罪滅ぼしをしたら天界に帰れる。誰も好きにならないはずが、好きになった人がユリウスだった。女神の力を失って人間になってしまったから何もできない。見ていることしか出来なかった。
女神の私の力が性行為であげることが出来るなんて知らなかった。多分性交以外でもあげることが出来るけど今は黙っておこう。女神の寵愛を自分にもかけることが出来た。彼と行為している自分も好きになっていた。
他人にはあげない、必要以上にあげてしまうと人生狂ってしまうからね。
「サラ、君は僕の女神だ。女神は天界に帰ったりしないよね?」
「天界?どうして?」
意味深な微笑みをサラに向けるユリウス。
ああ、神様、創造主様。もう一度聞きます。
ユリウスの独占欲が強い気がします。
この状況何とかしてください。
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