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第二章
接触!教祖デスラー・ハウンド
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ポンコツ女神の手違いで正教ではなく、邪教という宗教の聖地へきてしまった。ややこしい地名で俺自身も詳しくは把握してなかったが為に、組織内で絶賛指名手配中の俺自らが、幹部の懐に侵入する結果となったのである。
偶然の産物で目的の妖精・テレンくんの発見には成功したのだが、彼が変に誤解したせいで邪教の教祖兼リターンズ幹部と、二つの顔を持つデスラー・ハウンドを倒す流れとなる。
めちゃくちゃ嫌だけどテレンくんの張り切りっぷりを見たら引くに引けない。
結局は彼の熱意に負けた俺とアテーネは、デスラーに挑む方向で話を進めることにした。
幹部相手に無策で挑み、なるようになれ!では命がいくつあっても足らない。山賊なんかのゴロツキとはひと味もふた味も違うのだ。
作戦会議と題して俺たち三人はテレンくんが泊まってる宿屋へと歩いていた。
先導するのはテレンくん。
で、隣を歩くのがアテーネ。
俺は前を歩くテレンくんに聞こえない程度の声量でアテーネに文句を言った。
「アテーネ、お前のせいだぞ」
基本的にトラブルの元凶はこいつだ。元女神のくせして、こうしょっちゅう問題事を起こされては俺の身がもたない。
どうにか改善して欲しいが、期待薄だ。
「・・・人に責任を押し付けるのは、四英傑の跡取りとしてはいただけませんね」
いやいや、ほぼお前の責任だろ。
「うるさい。ともかくどうすんの?まじでデスラーって奴と戦うのかよ?俺やだよ」
「わたしも嫌です。いきなり幹部となんて、命がいくつあっても足りません」
だよね。やっぱり足りないよね。
最低でも残機が五つくらいないと安心できない。
「隙を見て退散できないかな?」
二割冗談、八割本音の籠った提案をする。
アテーネの反応次第で今後の展開を決めよう。
「え、さすがのわたしでもそれは引くんですけど。さっき威勢よく、任せろ!とか仰ってたではありませんか。もう前言撤回するのですか?今は亡きマレス様が嘆きますよ」
アテーネはドン引きした。
こいつ・・・父さんを引き合いに出すとか卑怯だな。
「や、やだなぁ・・・俺がほ、本気でそんなクズ発言すると思うか?冗談だよ、冗談!」
「はぁ・・・充分に過去の経験からマルス様が割と本気で言ってるのは理解できているつもりですが・・・」
鋭いな。その鋭さをもう少し日常で活かせよ。
こんな調子で奇妙な街を進む俺たち三人。
すると対面方向から死装束を着込んだ男が歩いてきた。
ただ、その色はどの信徒らの装束よりも深く濃い黒。背中には大きな鎌を背負っている。
まるでその風貌は死神そのもので、背中にゾワッとした悪寒が駆け抜けた。
スカイムなど比じゃない、体外へと漏れ出す膨大な魔力。
男が歩けば人波は崩れ、自然と男の進路が開けた。
そして一直線に俺たちと繋がる。
邪悪な空気を纏いし男が俺たちに気付くとあちらから歩み寄ってきた。
「これはこれはあの導勝の四英傑子孫が一人、マルス・エルバイスくんではないか。会えて光栄だな」
俺を知っている様子で親しげに話しかけてくる男。
当然ながら俺と男の間に面識などない。
「俺はあなたとは初対面のはずですが・・・どうして俺の名前を?」
返さないのも不自然なので、警戒しつつも拒絶し過ぎない無難な返答をする。
「ああ、かねがね噂には聞いているからな。世界で有名な四英傑の跡取りに一度会ってみたかったんだ」
噂か。足でまとい!とか面汚し!とかか?
どうせろくでもない噂ってのは容易に想像できるので深くは聞かないでおこう。
「どちら様ですか?それにどういったご用件で?」
「俺は邪教の教祖を務めるデスラー・ハウンドだ。エルバイスくん。君を明日の邪神祭に招待したいんだが・・・受けてくれるか?」
俺の目を見て誘う邪教教祖デスラー。
つまりこいつが今回のターゲットってわけか。
俺を邪神祭に誘う動機は多分・・・俺の抹殺。
笑顔を貼り付けてはいるが、その裏に潜む狂気・殺意を見逃す程に俺は鈍感じゃないのだ。
「なんの目的があって俺っちたちを誘うんだい?」
俺に変わって、テレンくんが質問する。
「別にエルバイスくんを誘ってるだけでお前を誘ってるわけではないんだがな。まぁまぁ、そんな身構えなくていいじゃねぇか。今は教祖としての立場で接してるんだぜ?」
「今は、ですかい?」
含みを持たせたデスラーの言い方。
テレンくんは奴を睨んだ。
「ああ、そうだ。今は、だ」
巨漢を誇るテレンくんに負けず劣らずに高身長な教祖デスラー。迫力満点の男二人が睨み合うため、チラチラと視線を寄越す街の人々も気が気でない様子だ。
変に目立つのも避けたいな。
ここは誘いを受けよう。どっちみち倒しに行くのだから。
「わかったよ。参加する」
俺が誘いを承諾すると、デスラーはテレンくんから視線を外して俺の方を見た。
「んじゃ、準備しとくから楽しみにしといてくれよ。祭りの開催時刻は明日の午前三時だからな。悪いが早起き頑張ってくれ」
手をヒラヒラと振り踵を返すデスラーは、去り際にそう言って人混みの中へと消えていった。
「今の男です」
デスラーが去りしばらくして、テレンくんが低く呟いた。
「ん?」
「今の男こそが、国際テロ犯罪者リストS級に位置付けられる教祖デスラー・ハウンド。あのリターンズ幹部・十焉星が一人です」
十焉星?いかにも俺たち強い幹部組です!って感じのネーミング。
かっこいいな、ちょっと惹かれちゃう。
「どっかの国が捕まえたりしないの?」
そしたら俺がわざわざ危険を冒してまで倒さなくて済む。
「マルス様の仰る通りで、デスラーの存在を危惧した各国の間で秘密裏にデスラー捕縛計画は何度も立案されました。しかし、実現には至らなかった」
「なんで?」
「宗教の力が絶大なのです。数は正教に劣りますが、信徒の一人一人がかなり深い信仰をしてましてね。各国が教祖に手を出せば戦争を起こしかねないと。ですから奴は未だに野放し状態なのでさぁ」
「ふーん、そうなんだ」
フレイが以前に言っていたS級・・・確かに別格な魔力を放っていた。武力自慢の国が精鋭を揃えたとしても迂闊に手を出せないのも納得な強さだ。
それに宗教を取り締まるのは中々に至難の業だ。信仰の自由だとか色々な主張が邪魔をするから仕方ないね。
「ですので・・・なんとしても明日必ず仕留めておかねば・・・」
「うんうん、そのために早く帰って作戦を考えよう」
もう情報過多だ。お腹いっぱい。
「おっ?」
「あ」
しかし、脳内に反して俺の胃袋が唸りを上げた。
「そうですな!まずは腹ごしらえせねば!」
「あはは」
「マルス様、今日はなにになさいますか?要望ありましたらお聞きします」
「うーん、歩きながら考えよう」
俺たちは宿屋へと向かうのであった。
なに食べようか。
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結局は彼の熱意に負けた俺とアテーネは、デスラーに挑む方向で話を進めることにした。
幹部相手に無策で挑み、なるようになれ!では命がいくつあっても足らない。山賊なんかのゴロツキとはひと味もふた味も違うのだ。
作戦会議と題して俺たち三人はテレンくんが泊まってる宿屋へと歩いていた。
先導するのはテレンくん。
で、隣を歩くのがアテーネ。
俺は前を歩くテレンくんに聞こえない程度の声量でアテーネに文句を言った。
「アテーネ、お前のせいだぞ」
基本的にトラブルの元凶はこいつだ。元女神のくせして、こうしょっちゅう問題事を起こされては俺の身がもたない。
どうにか改善して欲しいが、期待薄だ。
「・・・人に責任を押し付けるのは、四英傑の跡取りとしてはいただけませんね」
いやいや、ほぼお前の責任だろ。
「うるさい。ともかくどうすんの?まじでデスラーって奴と戦うのかよ?俺やだよ」
「わたしも嫌です。いきなり幹部となんて、命がいくつあっても足りません」
だよね。やっぱり足りないよね。
最低でも残機が五つくらいないと安心できない。
「隙を見て退散できないかな?」
二割冗談、八割本音の籠った提案をする。
アテーネの反応次第で今後の展開を決めよう。
「え、さすがのわたしでもそれは引くんですけど。さっき威勢よく、任せろ!とか仰ってたではありませんか。もう前言撤回するのですか?今は亡きマレス様が嘆きますよ」
アテーネはドン引きした。
こいつ・・・父さんを引き合いに出すとか卑怯だな。
「や、やだなぁ・・・俺がほ、本気でそんなクズ発言すると思うか?冗談だよ、冗談!」
「はぁ・・・充分に過去の経験からマルス様が割と本気で言ってるのは理解できているつもりですが・・・」
鋭いな。その鋭さをもう少し日常で活かせよ。
こんな調子で奇妙な街を進む俺たち三人。
すると対面方向から死装束を着込んだ男が歩いてきた。
ただ、その色はどの信徒らの装束よりも深く濃い黒。背中には大きな鎌を背負っている。
まるでその風貌は死神そのもので、背中にゾワッとした悪寒が駆け抜けた。
スカイムなど比じゃない、体外へと漏れ出す膨大な魔力。
男が歩けば人波は崩れ、自然と男の進路が開けた。
そして一直線に俺たちと繋がる。
邪悪な空気を纏いし男が俺たちに気付くとあちらから歩み寄ってきた。
「これはこれはあの導勝の四英傑子孫が一人、マルス・エルバイスくんではないか。会えて光栄だな」
俺を知っている様子で親しげに話しかけてくる男。
当然ながら俺と男の間に面識などない。
「俺はあなたとは初対面のはずですが・・・どうして俺の名前を?」
返さないのも不自然なので、警戒しつつも拒絶し過ぎない無難な返答をする。
「ああ、かねがね噂には聞いているからな。世界で有名な四英傑の跡取りに一度会ってみたかったんだ」
噂か。足でまとい!とか面汚し!とかか?
どうせろくでもない噂ってのは容易に想像できるので深くは聞かないでおこう。
「どちら様ですか?それにどういったご用件で?」
「俺は邪教の教祖を務めるデスラー・ハウンドだ。エルバイスくん。君を明日の邪神祭に招待したいんだが・・・受けてくれるか?」
俺の目を見て誘う邪教教祖デスラー。
つまりこいつが今回のターゲットってわけか。
俺を邪神祭に誘う動機は多分・・・俺の抹殺。
笑顔を貼り付けてはいるが、その裏に潜む狂気・殺意を見逃す程に俺は鈍感じゃないのだ。
「なんの目的があって俺っちたちを誘うんだい?」
俺に変わって、テレンくんが質問する。
「別にエルバイスくんを誘ってるだけでお前を誘ってるわけではないんだがな。まぁまぁ、そんな身構えなくていいじゃねぇか。今は教祖としての立場で接してるんだぜ?」
「今は、ですかい?」
含みを持たせたデスラーの言い方。
テレンくんは奴を睨んだ。
「ああ、そうだ。今は、だ」
巨漢を誇るテレンくんに負けず劣らずに高身長な教祖デスラー。迫力満点の男二人が睨み合うため、チラチラと視線を寄越す街の人々も気が気でない様子だ。
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俺が誘いを承諾すると、デスラーはテレンくんから視線を外して俺の方を見た。
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手をヒラヒラと振り踵を返すデスラーは、去り際にそう言って人混みの中へと消えていった。
「今の男です」
デスラーが去りしばらくして、テレンくんが低く呟いた。
「ん?」
「今の男こそが、国際テロ犯罪者リストS級に位置付けられる教祖デスラー・ハウンド。あのリターンズ幹部・十焉星が一人です」
十焉星?いかにも俺たち強い幹部組です!って感じのネーミング。
かっこいいな、ちょっと惹かれちゃう。
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しかし、脳内に反して俺の胃袋が唸りを上げた。
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