上 下
22 / 83
第1章

22

しおりを挟む
『ふわぁ~!凄い、、、』
歓喜の言葉が洩れてしまう。それ程までに、フェアリー広場は人集りで溢れていた。

赤や青、色取り取りのドレスに身を包んだ女性達。
騎士の格好や紳士。近くには様々な使い魔かな?契約の首輪をしていた。

『こんなに沢山の人がいると、圧倒されますね』
「まなみに見せたい所があるんだ、こっちだよ。」

アランさんに手を掴まれたまま、歩いて行く。
通りを過ぎた先に一軒の家があった。
真奈美はアランさんに手を掴まれているのに気付き、ドギマギしながらも顔に出さない様 視線を家に向ける。

植物に溢れた中に古風な建物がある。
ぱっと見 植物園に近い感じがする。



なんだろぅ?家?お店?
コテンと傾げてみていると、扉が開いた。
ナイスバディな真っ赤な洋服のおねいさんが出て来ましたょ。


「おーほっほっほ!あらあら、誰かと思ったらハッシュバーグの坊やじゃない?な~に?今日は何の御用かしら?」



「マダム・イシュリー。突然の来訪で申し訳ありません。
今日は私の使い魔で聞きたい事があり、貴女の知恵を貸して下さい。」

「んー?使い魔って、もしかして この可愛らしいお嬢さんかしら?
・・・・・・あら?ちょっと待って、この子・・・!?
坊や!早く中にお入り!貴女も!」
パチンッ

『うわっ!』
大きなシャボン玉が出て、私とアランの腰から下にくっついて浮いた。そのまま、建物の中に入ってしまった。

アランを見ると深刻そうな顔をしてる。

(どうしたんだろ?何かあったのかな?)

じーっと見てると目が合い、
「ふふ、大丈夫。マダム・イシュリーはとっても優しい魔女なんだよ。ちょっと聞きたい事があり寄ったんだ、心配しなくて大丈夫だよ。」
優しくなでなでしてくれました。

(魔女さんなんだ!何が聞きたいんだろ?私のこと?)

真奈美は悶々しながら、部屋の中を進んで行く。
壁にはドライフラワーにしたたくさんの植物、絵画。
『薔薇かな?いい匂いがする。』


「こちらにお座り。さてと、
まずは、貴女に質問していいかしら?その姿は貴女の本来の姿?」

『えっ?あっ、違います。本来は猫の姿ですよ~』
(何でそんな事を聞くんだろ?)

「猫、、、もしかして、白い翼なんて付いてないわよね?」
『!?どうして知ってるんですか?確かに白い翼が付いてますけど、どこかで会いました?』


(何で翼があるのわかったんだろ?この人、私の事知ってる?)


「はぁーーーっ、やっぱり。ちょっと坊や、どこで見つけて来たのよ?私の手に負えないわよ?」

「やはり、そうだったのか・・・使い魔養成所で出会ったんだ。翼を見て、もしかしてっと思ったが。そうか、、間違い無かったんだな。」


『?あの、私にはサッパリ分からないので、説明して貰えますか?』

真奈美は2人の会話を聞いても訳が分からず質問した。

「あら、ごめんなさいね。
貴女に付いている翼は天上人の証なの。天上人が亡くなり、生まれ変わる時はどんな姿であれ、翼と金の瞳をしているのよ。
貴女の瞳の色は紛れも無い天上人であった証。」

『えっ、、天上人って、、私は日本に住んでた普通の女子ですよ?!天上人なんて知りません!私は日本人です!!
気が付いたら、卵にいて 猫の姿でした、、なんでこんな事に・・・』

「マダム。それに、まなみは無色属性なんだ。」
「!? それは確かなの?産まれながらの無色属性は、王族なんじゃないの?位が高い程 属性が増えるから・・・坊や。
天上人達が探しにくるわよ?」

「!マダム!!どうにか見つからない方法はありますか!?」


『あの!!詳しく説明して下さい!』
2人に苛立ち真奈美は声を荒げて講義した。

「まなみ、、マダム・イシュリーも天上人なんだ。今は魔女としてここにいるが、天上人同士はお互いが分かるらしい。
ただ、生まれ変わりの場合は分かりにくいがな。」

「そうよ、私も天上人。だから、貴女は間違いなく天上人だったのよ。しかも、王族関係。」

(えっ?同じ天上人?意味が分からない。急にそんな話をされても困ります。」

ふらー

ドタンッ

「!!まなみ!」

真奈美は突然の出来事に頭がオーバーヒートしてしまい、倒れてしまった。
(使い魔に慣れたと思ったのに、天上人?何それ天使の事ですか?)

真奈美は意識を手放した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

旦那様は大変忙しいお方なのです

あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。 しかし、その当人が結婚式に現れません。 侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」 呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。 相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。 我慢の限界が――来ました。 そちらがその気ならこちらにも考えがあります。 さあ。腕が鳴りますよ! ※視点がころころ変わります。 ※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろうにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。 *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。

処理中です...