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第2章

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「(なんだか身体が暖かくなってきた・・・な?)ぅわ!!手が毛だらけで、肉球が付いているぞ!!まなみ!見てくれ!?って、かっっっ」
「可愛いぃな!!!!」

アランが抱きつく前にロードが真奈美に飛び付いた、行き場の無い両腕をワナワナしながら、ロードを真奈美から引き離す。
「こら!私のまなみに抱きつくでない!!」

『ぅわぁ~~アラン…もふもふ~~!暖かい~、凄いね!アランはてっきり、同じ猫だと思ったけど。もふもふで暖かいから、こっちで良かったかもね!』
「・・・まなみと同じ猫ではないのか?」
すっと、自分の手を見るアラン。腕も脚も心なしかガッチリしているような?それにこの毛色・・・私の髪は金髪だが、黒?いや、少し金茶色なのか?」
ブツブツ話すアランに真奈美はもふもふ~っと、抱きついていた。

「そんなに、気に入ったのか?良かったな、アラン。俺のチョイスは間違ってなかったな。まなみは勿論ネコちゃんだ。愛らしい姿は想像以上だな、アランは立派な熊にした。どうだ?素晴らしいだろ?」


「・・・・・・・えっ?なんて言ったんだい?熊って聞こえたが、私は何の獣人になったんだい?」
『アランは立派な熊さんよ!もふもふが気持ちいい~』

「くっっ熊だとは、、、想像していなかったな」
ガーーンッッ
自分は真奈美とお揃いの猫だとばかり思っていた為、ショックを受け その場に倒れこむ。
グッジョブと親指を立てているロードが憎い。

「ん?ロードは薬を飲まないのか?まだ人間の姿だが?」
不思議に思い聞いてみると、逆に不思議な顔をされてしまった。

「俺か?」パチンッと指を鳴らすと耳は尖り、体毛が伸び。一瞬で姿が変わった。
「ほら、これで獣人になった。荷物を持ったら行くぞ、まなみ。体調で変わった事があったらすぐに言うんだよ?」

空いた口が塞がらないアランはパクパクさせながら抗議する。
「ぅおい!何故薬を飲まない!?一瞬で変えられるなら、薬の意味はどうした!!いや、まず、なぜ私は熊で、ロードは黒猫なんだ!おかしいだろ!!逆ではないか、私が猫でロードが熊だろ!!」

「えっ?何故かって?はっ、愚問だな。面白いからに決まってるだろ。それに、俺は猫ではない。黒豹だ」

ドヤ顔で決めるロードに苛立ちを露わにするが、真奈美に『私は熊でも何でも。アランはアランよ?』っと耳打ちされてしまった。
その照れた姿に悶えながら、すくっと立ち上がり簡単に荷物を入れた鞄を手に取る。
「まなみも可愛いよ。耳は白いが髪はそのままピンク色なんだね。寒くないかい?私は見ての通り暖かいよ。」
自虐気味に話すアランの腕にぎゅっと掴み、馬車を降りる。



外は一面、銀世界。右も左も雪が降り積もっている。
寒いはずだ。と納得するアランと真奈美。

「町に馬車は目立つから、ここからは歩きだ。今からだと、夕刻には着く。」
そういうと、馬車をしまい歩き出した。
2人はロードの後を離れないように付いて行く。


(もう少し、この町を過ぎれば・・・)
真奈美は不安な気持ちを2人に知られない様に心にしまう。








*****



「ゼェッゼェーーーまだ・・つかないのか?もう薄暗くなってきたーー」
「もう見えてるぜ。あれがビースタァだ。」

息を切らしながら、話すアランにケロッと答えるロード。
何故アランがこんなに息を切らしているのか、道中にアランだけ不幸があったのだ。
雪に埋もれたり、小動物が襲いかかってきたり、慣れない身体が重すぎて歩くのも辛い為 息も切れ切れになってしまう。

『アランーー大丈夫?』
心配する真奈美に、ニコッと笑顔で「大丈夫」と答えるが、内心身体は悲鳴をあげている。

「どうした?真奈美。疲れたのか?‘ 癒しよ’」
ロードは真奈美に回復魔法をかけてあげた。それを見たアランは「わたしにもーーお願い、出来るか?」
「ん?ぁあ。いいぜ  ‘癒しよ’  もっと、早く言えばやったのに。」
イラァと頭に来たが、大人なアランは我慢する。

(ーーー全てお前が引き起こしたのが原因だろ!!こっちの道だと言うから進んだら、穴だらけの道だったし。あの動物は美味いとか言って、ちょっかいを出したら集団で襲いかかってきたし。ーーー本人は無自覚だから、始末が悪いな・・・はぁ)
そう、ロードの起こした事が発端でアランが被害に遭ったのだ。
この先大変だと思いながら町に入ると、流石にこの時間に外を出歩いている獣人は居ない。

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