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第一章
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中は広いエントランスになっており、待合室なのか椅子とテーブルが並んでいた。
中央に受付があり、両サイドが階段になっている。キラキラと光るオブジェは1人の男に女が何人も縋り付いている銅像があった。
ほぼ、裸体に近い銅像達は妙に生々しく気持ち悪い。
何気なく見ていたら、イワンセス様が話しかけてきた。
「142番はキラキラしたのが好きなのかい?では、142番に似合う宝石や洋服を買ってあげる。この方は、初代のイリス様だ。娼館や店・闘技場などに色々な姿でイリス様が置かれているんだ。美しいな」
耳元で囁く声は甘く優しい。
一瞬、心が揺らぎそうになるが、目的は闘技場。気をしっかり引き締めなければ。
それにしても、この綺麗な顔立ちの男性が初代イリス…この国を作った人ね。ふーん。
私には関係ない。
それよりも、どうしよう。ここまで来てしまったら後に引けない・・・
「・・・」
「無口な所も可愛いな。」
考えている時にチュッと手の甲にキスされた。
不意打ちに顔が赤くなる。
その様子に満足したのか、イワンセス様はニッコリ微笑みギュッと私を抱きしめた。
「可愛いーーー早く俺だけの物にしないとあいつに見つかる前にーー」
ボソリと言ったつもりだが、しっかりと聴こえてしまった。あいつ?誰のことだろう?
「142番、少し待っていてね。逃げようとしたら分かっているよね?」
ヒヤリと凍りつく表情になり、背筋がゾッとする。
コクリと頷くと、イワンセス様が手続きをする為、受付に移動する。
本当は、自分でやらなくては行けないのにーーー
私は隣にいる様に言われた。
待合室にいたお客様達がヒソヒソと話しているのが聞こえてきた。私の事だ。
「あの子はいつ指名出来るんだ?」
「美人な顔をイカせたら気持ち良いだろうな」
「早くしゃぶりつきたいぜ」
ーーー卑猥な声が聞こえて、具合が悪くなる。
こんな空間にいたくない。
ぎゅぅーっと目を閉じ聞こえないようにして、大好きなサリーお母さんの事を思い出す。
「ーー会いたいな・・・」
無理な事は分かっている。娼館の中に入れば他の人と会わないようにそれぞれの部屋に通される。
「142番。この鍵が俺たちの部屋になる。」
チャラっと木札に棒のような物が付いているのを見せられた。
そのまま、階段を上がり長い廊下を歩いていく。さほど遠くない部屋に着き、紅色のドアにイワンセス様が木札をドアの型に嵌め込み棒のようなのを取手に触れた。
すると、ガチャリと鍵が開いた。
「さっ、どうぞ。」
イワンセス様に手を引かれ中に入る。
ガチャリと鍵が閉まる音が聞こえた。
もう、逃げられない。
内ドアを開けると一間になっている。
天蓋ベッドが真ん中に置いてあり、隣のドアはお風呂とトイレがガラス張りになっていた。
水回りもあったが、流し台だけで料理(火を使えない)は出来ないようだ。
窓は3階ぐらいの高さかな?飛び降りたら怪我では済まない。
周りをキョロキョロしていると「まだあきらめていないのか?」
冷たい声が私に覆い被さり、ベッドへと押し倒された。
怖い怖い怖い
助けて、サリーお母さん!!!
心の中で悲痛な叫びを上げるが声に出せずにブルブルと震える事しか出来ない。
「まだ何もしないよ?怖がらないで大丈夫だから。僕の事を好きになってからーーーね?」
撫で撫でと優しく頭を触る手は、少しぎこちない。
「・・・私は・・・娼婦には、なりたくありません。」
逆らうとどうなるか知っているが何もしないと言うのなら、私の思いも聞いてくれるかも…淡い期待を胸に抱きイワンセス様に話した。
ニコリと笑みを浮かべながら「142番は、娼婦にはならないよ?」
「え?ーーーじゃぁ」
「でも。闘技場には行かせない。」
「・・・」
どう言う事だろう?と言葉に詰まったがすぐに理解した。
私は奴隷。
選択肢は一つしかない。
「僕だけの女になるのさ。この部屋で、ずっと2人だけ!!あぁ、考えただけでゾクゾクするよ。」
恍惚と話す姿に身震いした。狂っている。
いや、私がおかしいのか?
ここにいると考えが鈍くなる。
奴隷だけの国を作ったんだ。
まともではない事は知っていたじゃないか。
「さぁ、142番。僕だけの奴隷になるんだ。服従の首輪を付けてあげようね。可愛い僕の玩具。」
赤黒い皮の首輪を手にしたイワンセス様は、私の首に触れようとした。
服従の首輪なんかしたら、死ぬまでおもちゃにされる。
嫌だ嫌だ嫌だ。
恐怖で身震いしている腕をしっかりと握るが、ベッドに押し倒されたままで動く事もままならない。
『ドンドンドン!!!』
突如部屋のドアが壊れる勢いで叩かれ、部屋に響き渡る。
「ちっ!なんだ?!」
怒りをあらわにしたイワンセス様がドアに向かう。
ガチャリと開けると、そこには真っ黒な髪をしばった長髪の男が立っていた。
イワンセス様も大きい方だと思っていたが、その男も負けじと背が高い。
中央に受付があり、両サイドが階段になっている。キラキラと光るオブジェは1人の男に女が何人も縋り付いている銅像があった。
ほぼ、裸体に近い銅像達は妙に生々しく気持ち悪い。
何気なく見ていたら、イワンセス様が話しかけてきた。
「142番はキラキラしたのが好きなのかい?では、142番に似合う宝石や洋服を買ってあげる。この方は、初代のイリス様だ。娼館や店・闘技場などに色々な姿でイリス様が置かれているんだ。美しいな」
耳元で囁く声は甘く優しい。
一瞬、心が揺らぎそうになるが、目的は闘技場。気をしっかり引き締めなければ。
それにしても、この綺麗な顔立ちの男性が初代イリス…この国を作った人ね。ふーん。
私には関係ない。
それよりも、どうしよう。ここまで来てしまったら後に引けない・・・
「・・・」
「無口な所も可愛いな。」
考えている時にチュッと手の甲にキスされた。
不意打ちに顔が赤くなる。
その様子に満足したのか、イワンセス様はニッコリ微笑みギュッと私を抱きしめた。
「可愛いーーー早く俺だけの物にしないとあいつに見つかる前にーー」
ボソリと言ったつもりだが、しっかりと聴こえてしまった。あいつ?誰のことだろう?
「142番、少し待っていてね。逃げようとしたら分かっているよね?」
ヒヤリと凍りつく表情になり、背筋がゾッとする。
コクリと頷くと、イワンセス様が手続きをする為、受付に移動する。
本当は、自分でやらなくては行けないのにーーー
私は隣にいる様に言われた。
待合室にいたお客様達がヒソヒソと話しているのが聞こえてきた。私の事だ。
「あの子はいつ指名出来るんだ?」
「美人な顔をイカせたら気持ち良いだろうな」
「早くしゃぶりつきたいぜ」
ーーー卑猥な声が聞こえて、具合が悪くなる。
こんな空間にいたくない。
ぎゅぅーっと目を閉じ聞こえないようにして、大好きなサリーお母さんの事を思い出す。
「ーー会いたいな・・・」
無理な事は分かっている。娼館の中に入れば他の人と会わないようにそれぞれの部屋に通される。
「142番。この鍵が俺たちの部屋になる。」
チャラっと木札に棒のような物が付いているのを見せられた。
そのまま、階段を上がり長い廊下を歩いていく。さほど遠くない部屋に着き、紅色のドアにイワンセス様が木札をドアの型に嵌め込み棒のようなのを取手に触れた。
すると、ガチャリと鍵が開いた。
「さっ、どうぞ。」
イワンセス様に手を引かれ中に入る。
ガチャリと鍵が閉まる音が聞こえた。
もう、逃げられない。
内ドアを開けると一間になっている。
天蓋ベッドが真ん中に置いてあり、隣のドアはお風呂とトイレがガラス張りになっていた。
水回りもあったが、流し台だけで料理(火を使えない)は出来ないようだ。
窓は3階ぐらいの高さかな?飛び降りたら怪我では済まない。
周りをキョロキョロしていると「まだあきらめていないのか?」
冷たい声が私に覆い被さり、ベッドへと押し倒された。
怖い怖い怖い
助けて、サリーお母さん!!!
心の中で悲痛な叫びを上げるが声に出せずにブルブルと震える事しか出来ない。
「まだ何もしないよ?怖がらないで大丈夫だから。僕の事を好きになってからーーーね?」
撫で撫でと優しく頭を触る手は、少しぎこちない。
「・・・私は・・・娼婦には、なりたくありません。」
逆らうとどうなるか知っているが何もしないと言うのなら、私の思いも聞いてくれるかも…淡い期待を胸に抱きイワンセス様に話した。
ニコリと笑みを浮かべながら「142番は、娼婦にはならないよ?」
「え?ーーーじゃぁ」
「でも。闘技場には行かせない。」
「・・・」
どう言う事だろう?と言葉に詰まったがすぐに理解した。
私は奴隷。
選択肢は一つしかない。
「僕だけの女になるのさ。この部屋で、ずっと2人だけ!!あぁ、考えただけでゾクゾクするよ。」
恍惚と話す姿に身震いした。狂っている。
いや、私がおかしいのか?
ここにいると考えが鈍くなる。
奴隷だけの国を作ったんだ。
まともではない事は知っていたじゃないか。
「さぁ、142番。僕だけの奴隷になるんだ。服従の首輪を付けてあげようね。可愛い僕の玩具。」
赤黒い皮の首輪を手にしたイワンセス様は、私の首に触れようとした。
服従の首輪なんかしたら、死ぬまでおもちゃにされる。
嫌だ嫌だ嫌だ。
恐怖で身震いしている腕をしっかりと握るが、ベッドに押し倒されたままで動く事もままならない。
『ドンドンドン!!!』
突如部屋のドアが壊れる勢いで叩かれ、部屋に響き渡る。
「ちっ!なんだ?!」
怒りをあらわにしたイワンセス様がドアに向かう。
ガチャリと開けると、そこには真っ黒な髪をしばった長髪の男が立っていた。
イワンセス様も大きい方だと思っていたが、その男も負けじと背が高い。
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