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自分の気持ちがわからなくて、こんな気持ちのままではダメだ。
椿はザイルを探しに行くと自室にいると言われ案内してもらう。
ノックをすると返事があり、ドアを開ける。
「つばき?どうしたんだい?何かあったのか?」
仕事をしていたのか、部屋着だったが机の上には山積みの書類があった。部屋の中は王と言うだけあり広かったが煌びやかでは無く落ち着いた雰囲気だった。
「あっ、仕事中なら出直してきます。」
「構わない。ひと段落ついた所だ、何か飲むかい?」
ザイルはソファーに椿を座らせ、飲み物を準備する。
さり気なくエスコートされ椿はドキリとする。
コトン。飲み物を椿に手渡し、ザイルは隣に座り一口飲む。
「それで、ここに来たのは返事が貰えるのかな?」
本題を切り出したザイルにピクリと反応する。
「えっとーーはい、まだ会ったばかりで花嫁になるのは……考えたんですけど、しばらく私に時間を下さい。」
椿の反応から断られると思っていたザイルは顔がにやけてしまう。
「それは、前向きに考えていいって事?」
「・・・まだ分からない。」
「そうか。分かった、つばきの答えが出るまで僕は待つよ。」
優しく髪を撫でながらその髪にキスを落とす。
その仕草にドキッとするも熱い眼差しと目が合い、逸らせない。
「このまま僕だけの物にしたい。愛しているよ」
「!!っで、デは!話せテヨカッタです、失礼しシマス」
片言でかみかみになってしまったが、動揺を隠せずいそいそと部屋をでる。
(やばいやばい!あの顔で迫られたら流れに乗ってしまう!!しっかりするのよ!)パンパンと火照った顔を叩きながら自分の部屋に戻る。
残されたザイルはクスクス笑いながら椿が可愛いと顔が緩む。
「僕の物だ。誰にも渡さない。ーーエマ・マーリン。お前には絶対渡さないぞ。」
ザイルは呟くと机に向かい、仕事の続きを始めた。
◇
あれから、ザイルは何も言ってこなくて…
私は毎日食べては寝て、時には散歩してーーー
「ダメ人間だ!!!」
椿は我慢の限界だった。
いきなり叫び出した椿にユナは驚いた。
「どうなさいました?奥様!」
「その、奥様ってやめて。まだ決まったわけじゃないし。椿でいいよ」
「・・・かしこまりました。つばき様、何かございましたか?」
「何にもないからだよ!ここに来てから何もしてないのが問題なの!私も働きたい!動きたい!!何もしないで、食べさせて貰うのはもう限界!!仕事を下さい!!!」
根が真面目なだけに、ただ飯を食べる自分に不満があった椿はユナに悲願するも。
未来の奥方に仕事をさせる事など出来るはずもなかった。
「私には、理解出来ません。働かなくても私たちがおりますよ?」
「それがダメなんだよ~自分の事は自分でやらないと・・・」
ユナに言ってもダメだと思った椿は直接ザイルに言う事にした。
謁見室にいると言われ、行くと来客中だった。
扉の所で待っていたらメイドがお茶を持ってきたので脇に避けると何も匂いがしない飲み物に目がいく。
(お湯?にしては色がついてるけど・・・)
部屋から出てきたメイドに「私も飲みたいから、一緒に行く」と厨房まで付いて行くことにした。
お茶の用意をしている間、お茶菓子的な物がないので質問すると「おちゃがし?とはなんですか?」と聞き返されてしまった。
「えっ?飲み物と一緒にだすお菓子だよ?いつもお客様が来てもお茶だけなの?」
「はい、そうですけど。」
文化の違いにカルチャーショックを受けるも、まずは出された飲み物を頂く。
「うん。お湯だね、色が付いているだけのお湯」
思った通り、食事の時に飲んでいたものだ。お客様に出すには至らないと思い、椿は自分の鞄から買っておいたカモミールに似た茶っ葉を出す。
メイドから容器を借りてお湯を注ぐと香りの良い紅茶が出来た。
作っておいた角砂糖を1つずついれて、ほんのり甘く仕上げた。
おやつに作っていたクッキーもお皿に並べて紅茶と一緒にお客様とザイルに出すように言うとおずおずとメイドが「私も少し頂いてよろしいですか?」と言われたので、「ふふ、いいわよ。まだあるからね」
パクっ、ゴクリ
「う~ん!美味しい!!こんなに美味しいおちゃがしって最高ですね!」
とてもご満悦で、見ていて嬉しくなる。
「では、持っていきます~」
ニコニコしながら謁見室へと早足で歩いて行く。
その姿に苦笑しながらも、自分もザイルの所に用事があったと思い出し、厨房を出ようとする。
後ろからガシっと捕まれ呼び止められた。
「おい、待て」
椿はザイルを探しに行くと自室にいると言われ案内してもらう。
ノックをすると返事があり、ドアを開ける。
「つばき?どうしたんだい?何かあったのか?」
仕事をしていたのか、部屋着だったが机の上には山積みの書類があった。部屋の中は王と言うだけあり広かったが煌びやかでは無く落ち着いた雰囲気だった。
「あっ、仕事中なら出直してきます。」
「構わない。ひと段落ついた所だ、何か飲むかい?」
ザイルはソファーに椿を座らせ、飲み物を準備する。
さり気なくエスコートされ椿はドキリとする。
コトン。飲み物を椿に手渡し、ザイルは隣に座り一口飲む。
「それで、ここに来たのは返事が貰えるのかな?」
本題を切り出したザイルにピクリと反応する。
「えっとーーはい、まだ会ったばかりで花嫁になるのは……考えたんですけど、しばらく私に時間を下さい。」
椿の反応から断られると思っていたザイルは顔がにやけてしまう。
「それは、前向きに考えていいって事?」
「・・・まだ分からない。」
「そうか。分かった、つばきの答えが出るまで僕は待つよ。」
優しく髪を撫でながらその髪にキスを落とす。
その仕草にドキッとするも熱い眼差しと目が合い、逸らせない。
「このまま僕だけの物にしたい。愛しているよ」
「!!っで、デは!話せテヨカッタです、失礼しシマス」
片言でかみかみになってしまったが、動揺を隠せずいそいそと部屋をでる。
(やばいやばい!あの顔で迫られたら流れに乗ってしまう!!しっかりするのよ!)パンパンと火照った顔を叩きながら自分の部屋に戻る。
残されたザイルはクスクス笑いながら椿が可愛いと顔が緩む。
「僕の物だ。誰にも渡さない。ーーエマ・マーリン。お前には絶対渡さないぞ。」
ザイルは呟くと机に向かい、仕事の続きを始めた。
◇
あれから、ザイルは何も言ってこなくて…
私は毎日食べては寝て、時には散歩してーーー
「ダメ人間だ!!!」
椿は我慢の限界だった。
いきなり叫び出した椿にユナは驚いた。
「どうなさいました?奥様!」
「その、奥様ってやめて。まだ決まったわけじゃないし。椿でいいよ」
「・・・かしこまりました。つばき様、何かございましたか?」
「何にもないからだよ!ここに来てから何もしてないのが問題なの!私も働きたい!動きたい!!何もしないで、食べさせて貰うのはもう限界!!仕事を下さい!!!」
根が真面目なだけに、ただ飯を食べる自分に不満があった椿はユナに悲願するも。
未来の奥方に仕事をさせる事など出来るはずもなかった。
「私には、理解出来ません。働かなくても私たちがおりますよ?」
「それがダメなんだよ~自分の事は自分でやらないと・・・」
ユナに言ってもダメだと思った椿は直接ザイルに言う事にした。
謁見室にいると言われ、行くと来客中だった。
扉の所で待っていたらメイドがお茶を持ってきたので脇に避けると何も匂いがしない飲み物に目がいく。
(お湯?にしては色がついてるけど・・・)
部屋から出てきたメイドに「私も飲みたいから、一緒に行く」と厨房まで付いて行くことにした。
お茶の用意をしている間、お茶菓子的な物がないので質問すると「おちゃがし?とはなんですか?」と聞き返されてしまった。
「えっ?飲み物と一緒にだすお菓子だよ?いつもお客様が来てもお茶だけなの?」
「はい、そうですけど。」
文化の違いにカルチャーショックを受けるも、まずは出された飲み物を頂く。
「うん。お湯だね、色が付いているだけのお湯」
思った通り、食事の時に飲んでいたものだ。お客様に出すには至らないと思い、椿は自分の鞄から買っておいたカモミールに似た茶っ葉を出す。
メイドから容器を借りてお湯を注ぐと香りの良い紅茶が出来た。
作っておいた角砂糖を1つずついれて、ほんのり甘く仕上げた。
おやつに作っていたクッキーもお皿に並べて紅茶と一緒にお客様とザイルに出すように言うとおずおずとメイドが「私も少し頂いてよろしいですか?」と言われたので、「ふふ、いいわよ。まだあるからね」
パクっ、ゴクリ
「う~ん!美味しい!!こんなに美味しいおちゃがしって最高ですね!」
とてもご満悦で、見ていて嬉しくなる。
「では、持っていきます~」
ニコニコしながら謁見室へと早足で歩いて行く。
その姿に苦笑しながらも、自分もザイルの所に用事があったと思い出し、厨房を出ようとする。
後ろからガシっと捕まれ呼び止められた。
「おい、待て」
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