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第一話
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「お疲れ様でしたー」
バイトも終わり、コンビニを出る。
すっかり辺りも暗くなっていて、時期も時期だし、寒いことこの上ない。
とっとと家に帰りたいもんだ。
本当ならこの後、久しぶりに会う友人と飲みに行く約束があったんだが。
急な用事が入ったということで、キャンセルされた。
まったく、あの野郎、メール一つだけ送ってきやがって。
まあ、バイト中に電話がかかって来ても困るか。
それはそれとして。
家に帰れば愛しの彼女が持っている、それだけで心が温まること間違いないだろう。
思えば高校生から今日まで付き合ってきて六年程たっている。
俺みたいなうだつの上がらないフリーターに付き合ってくれるんだから、本当に頭が上がらないぜ。
そんな献身的な彼女を思い浮かべながら気づくと自宅アパート前まで来ていた。
階段を上がって、自分の部屋までたどり着く。
さあ、今日の疲れを彼女の笑顔で癒すぞ。
そう思ってゆっくりと扉をあげたんだが。
「あれ?」
扉を開けると見慣れない靴が飛び込んできた。
一瞬、彼女も友達にも来てるのかと思ったが。女の子が履くにはごつい。
男物?
それに不思議なことはこの時間帯テレビの音が聞こえてくるはずなのに妙に静かだ。
まさかと思い、しかし、頭を中で否定しながら寝室へと向かった。
扉の前は完全には閉められておらず、わずかな隙間から中の様子を窺い知ることができた。
すると聞こえてきた会話。
「お前も悪い女だな、彼氏が家にいないからって男連れ込むなんてよ」
「いいのいいの、寂しくさせる方が悪いんだから。明日まで帰ってこないらしいし、ゆっくり楽しもうよ」
「へへ、いいぜ。ほら」
「ん……」
「…………」
スマホのカメラ越しにキスをする二人。
それから一時間程。
二人の様子を動画で撮った後、俺は家を出た。
翌日の事だ。
俺の部屋から出てくる見知らぬ男と、そんな男にキスをして送り出す彼女。
物陰から見ていた俺は、周りに誰もいないことを確認し、住宅街を進む男の背後へと近づき、背後から手を……。
「んぐ!? んんん!!! ッ…………」
バイトも終わり、コンビニを出る。
すっかり辺りも暗くなっていて、時期も時期だし、寒いことこの上ない。
とっとと家に帰りたいもんだ。
本当ならこの後、久しぶりに会う友人と飲みに行く約束があったんだが。
急な用事が入ったということで、キャンセルされた。
まったく、あの野郎、メール一つだけ送ってきやがって。
まあ、バイト中に電話がかかって来ても困るか。
それはそれとして。
家に帰れば愛しの彼女が持っている、それだけで心が温まること間違いないだろう。
思えば高校生から今日まで付き合ってきて六年程たっている。
俺みたいなうだつの上がらないフリーターに付き合ってくれるんだから、本当に頭が上がらないぜ。
そんな献身的な彼女を思い浮かべながら気づくと自宅アパート前まで来ていた。
階段を上がって、自分の部屋までたどり着く。
さあ、今日の疲れを彼女の笑顔で癒すぞ。
そう思ってゆっくりと扉をあげたんだが。
「あれ?」
扉を開けると見慣れない靴が飛び込んできた。
一瞬、彼女も友達にも来てるのかと思ったが。女の子が履くにはごつい。
男物?
それに不思議なことはこの時間帯テレビの音が聞こえてくるはずなのに妙に静かだ。
まさかと思い、しかし、頭を中で否定しながら寝室へと向かった。
扉の前は完全には閉められておらず、わずかな隙間から中の様子を窺い知ることができた。
すると聞こえてきた会話。
「お前も悪い女だな、彼氏が家にいないからって男連れ込むなんてよ」
「いいのいいの、寂しくさせる方が悪いんだから。明日まで帰ってこないらしいし、ゆっくり楽しもうよ」
「へへ、いいぜ。ほら」
「ん……」
「…………」
スマホのカメラ越しにキスをする二人。
それから一時間程。
二人の様子を動画で撮った後、俺は家を出た。
翌日の事だ。
俺の部屋から出てくる見知らぬ男と、そんな男にキスをして送り出す彼女。
物陰から見ていた俺は、周りに誰もいないことを確認し、住宅街を進む男の背後へと近づき、背後から手を……。
「んぐ!? んんん!!! ッ…………」
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