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第三章『それぞれの道』
歴史書を紐解け
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時はイプセルタで会議が行われる直前。その頃のシグムスでは。
「おおっ、無事でしたか」
トールの力によってシグムス城の大広間へと飛ばされたミレルたちは、その足で智将の部屋へと戻る。そこで、執務中のサキに出迎えられた。
そのサキが居る机には山のように書類が積まれており、智将の代わりに事務処理を行っているようだった。軍部とはいえども、処理する書類は結構あるようである。だが、サキはその書類の処理をやめて、戻ってきたミレルたちへと近付いていく。
「その様子だと、歴史書は無事に手に入れたようですね」
「はい、ここにございます」
ミレルはセインが持っている袋を指し示す。サキはその時首を傾げていたが、セインが応接用の机の上に袋から歴史書を取り出して積み上げていく様子を見て驚いていた。
「その袋……、もしや『夢袋』では?!」
サキの口から夢袋の単語が出てきた事に、セインたちが驚く。
「なっ、これを知っているのか?」
「ええ、存在自体は知っています。私とて魔王には近い魔族ですから勇者の逸話は聞いた事がありますし、何よりも智将様がその存在をご存じでしたからね」
積み上げられた歴史書に近付きながら、サキはそのように証言する。そして、歴史書を手に取りながら、ミレルたちを見て質問をする。
「すみませんが、地下で起きた事を詳しく聞かせてもらっていいでしょうか」
「はい、承知致しました」
この会話の間に、ようやくセインが歴史書を取り出し終える。話が長くなりそうなので、サキはメイドを呼んで飲み物を用意させるよう手配した。
「では、ひとつずつ順を追ってお話し致します」
全員で腰を落ち着けると、ミレルがおもむろに語り出した。
すべてを聞き終えたサキは、顎に手を添えて考え込んでいた。
「そうか、書庫には雷帝龍トール殿が居られましたか。ならば、トール殿が仰られていた『主』というのは、おそらく『マスタードラゴン』の事でしょう」
「マスター、ドラゴン?」
サキが呟く言葉に、ルルが首を傾げている。
「マスタードラゴンというのはですね、イプセルタの首都の近くにある霊峰シッタに住んでいると言われている、全知全能とされるドラゴンの事なのです。現在の世界情勢の均衡が保たれているのも、彼のおかげだと噂されているのですよ」
「それはどういう意味なのです?」
サキの説明を聞いて、ミレルが質問する。
「詳細は分からないのですけれど、人間たちの伝承ではハンターの誕生に関わっているという風に伝えられています」
「へー、そうなんですね」
「ですが、私もかじり聞いただけなので、これ以上の説明は難しいですね。それよりも、今は歴史書の解読に注力したいですから、その話はまた智将様が戻られた時にでもしましょうか」
そう言いながらも、サキは歴史書を読む手を止める事はなかった。時々、メイドに持ってこさせた飲み物を飲みながら、歴史書を読み進めていく。
「それにしても、召喚術ですか。さすがユグドラシルの精霊、面白い能力をお持ちですね」
ちらりと視線をルルに向けるサキ。
「どうでしょう。このシグムスの西側にはちょっとした丘がありまして、そこには炎の精霊イフリートが住んでいると言われている谷があるんですよ」
「イフリートですって?!」
サキがイフリートの名前を口に出すと、ミレルが大声を出して勢いよく立ち上がる。
「ど、どうされたんですか、ミレルさん」
その勢いに、ルルは戸惑っている。そのくらいに、ミレルの反応は大げさだったのだ。
「落ち着きなさい、ミレル」
再び飲み物に手を付けたサキは、ミレルを窘める。
「ミレルが取り乱すのも無理はありません。イフリートというのは、一部の種族にとっては力を象徴する神様のような存在なんですよ。そして、ミレルたち猫人も、そういった種族のひとつなんです」
「な、なるほど……」
サキは落ち着いた様子でミレルが取り乱した原因を説明している。その説明でセインとルルは納得したようである。
「ちょっと待ってて下さい」
サキはそう言うと、歴史書に栞を挟んで立ちあがり、棚に置いてあった巻物を持ってきた。そして、それを机の上に広げる。どうやらシグムス周辺の地図のようである。
「この地図の中心に描かれているのがシグムス城。さっき言いました谷というのはこの辺りになります」
サキは指で指し示しながら、説明していく。
「歴史書もこれだけの冊数がありますので、しばらくは読み終わりそうにありません。智将様が戻られるまでも時間がありますので、修行がてら足を運んでみてはいかがでしょうか」
サキの提案に、ミレルたちは地下での戦いを思い出す。個々に動きすぎてしまい、まったく連携がなっていなかったのである。経験不足は確かに否めない。ならばこの提案に乗っかってみてもいいかも知れない。
「よし、そうと決まれば早速向かおうぜ」
ルルとミレルが乗り気な上に、セインもやる気十分のようである。
「待ちなさい」
だが、それをサキが止める。
「ここが砂漠だという事を忘れていませんか? 案内役を付けますので、それまではゆっくり休みなさい。ただでさえ雷帝龍とやり合ったのです。そのまま出ていっては砂漠で野垂れ死ぬのが関の山ですよ」
「うぐっ!」
確かにそうだ。地下であれだけ戦闘をこなしてきていて、疲労が溜まっていないわけがない。その状態で砂漠に出れば、ただでさえ体力を消耗しやすい環境だというのに、疲労を溜めた状態で出れば最悪の事態だって起こりうる。セインたちはおとなしくその忠告を聞き入れた。
「では、砂漠にうってつけの兵士を用意しますので、ゆっくり体を休めて下さい」
サキにこう言われて、セインたちは一時的に客室へと戻ったのだった。
そんなわけで、ミレルたちは案内役のシグムス兵と共に、イフリートが居ると言われている谷を目指す事となったのだった。
―――
【ご案内】
「神槍のルナル」をお読み頂き、誠にありがとうございます。
次の新作の執筆開始に伴い、今回の更新をもちまして毎日更新を終了致します。次回からは毎週水曜土曜の2回更新と変更させて頂きます。
ですので、次回の更新は1月31日となりますのでご了承下さいませ。
あくまで更新ペースの変更であり、完結は今まで通り目指して参りますので、これからも応援よろしくお願い致します。
「おおっ、無事でしたか」
トールの力によってシグムス城の大広間へと飛ばされたミレルたちは、その足で智将の部屋へと戻る。そこで、執務中のサキに出迎えられた。
そのサキが居る机には山のように書類が積まれており、智将の代わりに事務処理を行っているようだった。軍部とはいえども、処理する書類は結構あるようである。だが、サキはその書類の処理をやめて、戻ってきたミレルたちへと近付いていく。
「その様子だと、歴史書は無事に手に入れたようですね」
「はい、ここにございます」
ミレルはセインが持っている袋を指し示す。サキはその時首を傾げていたが、セインが応接用の机の上に袋から歴史書を取り出して積み上げていく様子を見て驚いていた。
「その袋……、もしや『夢袋』では?!」
サキの口から夢袋の単語が出てきた事に、セインたちが驚く。
「なっ、これを知っているのか?」
「ええ、存在自体は知っています。私とて魔王には近い魔族ですから勇者の逸話は聞いた事がありますし、何よりも智将様がその存在をご存じでしたからね」
積み上げられた歴史書に近付きながら、サキはそのように証言する。そして、歴史書を手に取りながら、ミレルたちを見て質問をする。
「すみませんが、地下で起きた事を詳しく聞かせてもらっていいでしょうか」
「はい、承知致しました」
この会話の間に、ようやくセインが歴史書を取り出し終える。話が長くなりそうなので、サキはメイドを呼んで飲み物を用意させるよう手配した。
「では、ひとつずつ順を追ってお話し致します」
全員で腰を落ち着けると、ミレルがおもむろに語り出した。
すべてを聞き終えたサキは、顎に手を添えて考え込んでいた。
「そうか、書庫には雷帝龍トール殿が居られましたか。ならば、トール殿が仰られていた『主』というのは、おそらく『マスタードラゴン』の事でしょう」
「マスター、ドラゴン?」
サキが呟く言葉に、ルルが首を傾げている。
「マスタードラゴンというのはですね、イプセルタの首都の近くにある霊峰シッタに住んでいると言われている、全知全能とされるドラゴンの事なのです。現在の世界情勢の均衡が保たれているのも、彼のおかげだと噂されているのですよ」
「それはどういう意味なのです?」
サキの説明を聞いて、ミレルが質問する。
「詳細は分からないのですけれど、人間たちの伝承ではハンターの誕生に関わっているという風に伝えられています」
「へー、そうなんですね」
「ですが、私もかじり聞いただけなので、これ以上の説明は難しいですね。それよりも、今は歴史書の解読に注力したいですから、その話はまた智将様が戻られた時にでもしましょうか」
そう言いながらも、サキは歴史書を読む手を止める事はなかった。時々、メイドに持ってこさせた飲み物を飲みながら、歴史書を読み進めていく。
「それにしても、召喚術ですか。さすがユグドラシルの精霊、面白い能力をお持ちですね」
ちらりと視線をルルに向けるサキ。
「どうでしょう。このシグムスの西側にはちょっとした丘がありまして、そこには炎の精霊イフリートが住んでいると言われている谷があるんですよ」
「イフリートですって?!」
サキがイフリートの名前を口に出すと、ミレルが大声を出して勢いよく立ち上がる。
「ど、どうされたんですか、ミレルさん」
その勢いに、ルルは戸惑っている。そのくらいに、ミレルの反応は大げさだったのだ。
「落ち着きなさい、ミレル」
再び飲み物に手を付けたサキは、ミレルを窘める。
「ミレルが取り乱すのも無理はありません。イフリートというのは、一部の種族にとっては力を象徴する神様のような存在なんですよ。そして、ミレルたち猫人も、そういった種族のひとつなんです」
「な、なるほど……」
サキは落ち着いた様子でミレルが取り乱した原因を説明している。その説明でセインとルルは納得したようである。
「ちょっと待ってて下さい」
サキはそう言うと、歴史書に栞を挟んで立ちあがり、棚に置いてあった巻物を持ってきた。そして、それを机の上に広げる。どうやらシグムス周辺の地図のようである。
「この地図の中心に描かれているのがシグムス城。さっき言いました谷というのはこの辺りになります」
サキは指で指し示しながら、説明していく。
「歴史書もこれだけの冊数がありますので、しばらくは読み終わりそうにありません。智将様が戻られるまでも時間がありますので、修行がてら足を運んでみてはいかがでしょうか」
サキの提案に、ミレルたちは地下での戦いを思い出す。個々に動きすぎてしまい、まったく連携がなっていなかったのである。経験不足は確かに否めない。ならばこの提案に乗っかってみてもいいかも知れない。
「よし、そうと決まれば早速向かおうぜ」
ルルとミレルが乗り気な上に、セインもやる気十分のようである。
「待ちなさい」
だが、それをサキが止める。
「ここが砂漠だという事を忘れていませんか? 案内役を付けますので、それまではゆっくり休みなさい。ただでさえ雷帝龍とやり合ったのです。そのまま出ていっては砂漠で野垂れ死ぬのが関の山ですよ」
「うぐっ!」
確かにそうだ。地下であれだけ戦闘をこなしてきていて、疲労が溜まっていないわけがない。その状態で砂漠に出れば、ただでさえ体力を消耗しやすい環境だというのに、疲労を溜めた状態で出れば最悪の事態だって起こりうる。セインたちはおとなしくその忠告を聞き入れた。
「では、砂漠にうってつけの兵士を用意しますので、ゆっくり体を休めて下さい」
サキにこう言われて、セインたちは一時的に客室へと戻ったのだった。
そんなわけで、ミレルたちは案内役のシグムス兵と共に、イフリートが居ると言われている谷を目指す事となったのだった。
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次の新作の執筆開始に伴い、今回の更新をもちまして毎日更新を終了致します。次回からは毎週水曜土曜の2回更新と変更させて頂きます。
ですので、次回の更新は1月31日となりますのでご了承下さいませ。
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