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第一章『ハンター・ルナル』
魔族の決戦
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薄暗い部屋の中で、ルナルとジャグラーが対峙をしている。ところが、お互いに出方を窺っているためか、双方ともに動きがなかった。
「はっ、さっきまでの威勢はどうした。来ないというのなら、こっちから行くぞっ!」
しびれを切らしたのか、ジャグラーは杖を構えて魔法の詠唱を始める。
「我が使徒よ、我に抗う愚か者に鉄槌を下せ!」
杖の先から濃い血色の魔力が一気にあふれ出す。
「ブラッディスコール!」
あふれ出た魔力は一気に天井を埋め尽くし、雨のように降り注ぐ。
「ふっ、子ども騙しですね!」
辺り一面をジャグラーの魔力が包み込んでも、ルナルは実に冷静だった。
「灼熱の風よ、我らに仇なす者を焼き尽くせ!」
ルナルが剣を構えて魔法の詠唱を始める。すると、ルナルの周りに炎の渦が生じ始めた。
「フレイムストーム!」
ルナルが魔法を発動すると、ルナルを中心に炎の風が巻き起こる。その風はジャグラーが発生させた血の雨を焼き尽くしていった。
それと同時に、ルナルはジャグラーに向かって突進をする。
ジャグラーの起こした雨をルナルが起こした炎で焼く事で魔力の蒸気が立ち上っていたのだ。それが目くらましとなり、ジャグラーの視界を奪っていた。つまり、ルナルの攻撃は死角からの攻撃となったのである。
ところが、苦もやしとも呼ばれているジャグラーとはいえ、さすがは魔族といったところか。目で追えなくなったためにギリギリとはなってしまったものの、ルナルの攻撃を見事躱したのだ。
「けけっ、実に小賢しい攻撃、よなっ!」
ジャグラーは躱しながら杖を横一線に振り抜く。すると、ルナル目がけて魔力の刃が放たれた。ルナルはそれを難なく剣で相殺する。
「なかなかやるなぁ……。ならば、これはどうだ?」
純粋に魔法使い系であるジャグラーとはいえ、その動きは意外と機敏なものだった。自室の中なのでそれほど広くはないものの、うまくルナルと距離を取りつつ、次なる魔法の詠唱をしていた。
「ホーミングシャドウ!」
ジャグラーの杖から次々と暗黒の魔力弾が放たれる。しかし、その魔力弾はあまり速くなく、ルナルは余裕で躱す事ができた。
「ふふっ、余裕か。だが、それもいつまでもつかな?」
「何だと?」
ジャグラーが余裕の笑みを浮かべている。それもそのはず。ルナルが躱した魔力弾は、ぐぐぐっと向きを変えて再びルナルへと迫ってきた。
「追尾弾とは、厄介なものを使いますね」
ぎりっと唇を噛むルナルだったが、急に立ち止まって顔の前で剣を構えた。
「少し、あなたの力をお借り致します」
ルナルは剣に小さく語り掛けて、息を整える。
「剣に宿りし、聖なる力よ」
詠唱を始めるルナルの姿を見て、見守ると決めたはずのソルトの顔色が急激に変わっていく。
「いけません、ルナル様! その魔法を使ってはいけません!」
冷静なはずのソルトが青ざめて叫び、慌ててルナルを止めようとする。
「心正しき者の呼び掛けに応え、穢れし輩を焼き払え!」
ソルトがアカーシャに止められる中、ルナルが詠唱を完了させて魔法を発動する。
「セイクリッドサンシャイン!」
次の瞬間、剣から眩いばかりの光が放たれてルナルの頭上に集まっていく。そして、そこから幾重もの光の帯が、部屋の中へと降り注いだ。
ジャグラーの放った暗黒の追尾弾はすべて光の帯に焼かれて消滅してしまった。
「ば、バカな! 魔王という純然たる魔族が、神聖魔法を使うだと!? ありえん、絶対にありえない!」
ルナルが発動した神聖魔法は、ジャグラーの魔法弾だけではなく、その身体と精神にもかなりのダメージを与えたようである。そのために、ジャグラーの動揺は相当なもので、畳みかけるなら今が絶好の機会である。
ところがどうだろうか。魔法を放ったルナルには次の動きがない。よく見れば、かなり呼吸が荒れているのである。ジャグラーの攻撃はまったく受けていないし、それほど激しく動いたわけでもない。だというのに汗もかなりかいており、疲れているのが誰の目にも明らかだったのだ。
「クッハッハッハッ! どうした、さっきの攻撃で力を使い果たしたか?」
動かないルナルに、全身ボロボロになりながらもジャグラーは余裕の様子だ。だが、この煽りにもルナルは無言のままである。
「ふん。どうやら答える気力も残っていないようだな。よかろう、ならば死ねぃ!」
魔王を討ち取る最大の好機と見たジャグラーは、魔力を集めて杖の先に刃を生み出し、ルナルへと斬りかかろうとして走り出す。それだというのに、ルナルはまったく動かない。
「ルナル!」
「ルナル様!」
「……」
窓辺から見守っていたセインたちに動揺が走る。
その間にもジャグラーはルナルの目の前まで迫り、思いっきり杖を振りかぶった。ジャグラーがにやりと笑みを浮かべた瞬間だった。
「……この瞬間を待っていました」
「なに?!」
ジャグラーの攻撃が当たろうかという瞬間、ルナルが顔を上げてジャグラーを見据える。
「くっ!」
その時のルナルの表情に、一瞬ジャグラーは飲まれかける。
「だが遅い! 死ねっ、俺が新しい魔王だ!」
ジャグラーは気を持ち直してそのまま攻撃を続けるが、その一瞬のためらいのせいか、ルナルには難なく躱されてしまう。
「なにっ?!」
ジャグラーは驚き、体を起こそうとする。その瞬間の事だった。
「その身に受けなさい、この剣の力を!」
ルナルは剣を構え、ジャグラーの体が起きたところへと攻撃を繰り出した。
「防御の暇なんて与えません! 食らいなさい、天閃破!」
「はっ、さっきまでの威勢はどうした。来ないというのなら、こっちから行くぞっ!」
しびれを切らしたのか、ジャグラーは杖を構えて魔法の詠唱を始める。
「我が使徒よ、我に抗う愚か者に鉄槌を下せ!」
杖の先から濃い血色の魔力が一気にあふれ出す。
「ブラッディスコール!」
あふれ出た魔力は一気に天井を埋め尽くし、雨のように降り注ぐ。
「ふっ、子ども騙しですね!」
辺り一面をジャグラーの魔力が包み込んでも、ルナルは実に冷静だった。
「灼熱の風よ、我らに仇なす者を焼き尽くせ!」
ルナルが剣を構えて魔法の詠唱を始める。すると、ルナルの周りに炎の渦が生じ始めた。
「フレイムストーム!」
ルナルが魔法を発動すると、ルナルを中心に炎の風が巻き起こる。その風はジャグラーが発生させた血の雨を焼き尽くしていった。
それと同時に、ルナルはジャグラーに向かって突進をする。
ジャグラーの起こした雨をルナルが起こした炎で焼く事で魔力の蒸気が立ち上っていたのだ。それが目くらましとなり、ジャグラーの視界を奪っていた。つまり、ルナルの攻撃は死角からの攻撃となったのである。
ところが、苦もやしとも呼ばれているジャグラーとはいえ、さすがは魔族といったところか。目で追えなくなったためにギリギリとはなってしまったものの、ルナルの攻撃を見事躱したのだ。
「けけっ、実に小賢しい攻撃、よなっ!」
ジャグラーは躱しながら杖を横一線に振り抜く。すると、ルナル目がけて魔力の刃が放たれた。ルナルはそれを難なく剣で相殺する。
「なかなかやるなぁ……。ならば、これはどうだ?」
純粋に魔法使い系であるジャグラーとはいえ、その動きは意外と機敏なものだった。自室の中なのでそれほど広くはないものの、うまくルナルと距離を取りつつ、次なる魔法の詠唱をしていた。
「ホーミングシャドウ!」
ジャグラーの杖から次々と暗黒の魔力弾が放たれる。しかし、その魔力弾はあまり速くなく、ルナルは余裕で躱す事ができた。
「ふふっ、余裕か。だが、それもいつまでもつかな?」
「何だと?」
ジャグラーが余裕の笑みを浮かべている。それもそのはず。ルナルが躱した魔力弾は、ぐぐぐっと向きを変えて再びルナルへと迫ってきた。
「追尾弾とは、厄介なものを使いますね」
ぎりっと唇を噛むルナルだったが、急に立ち止まって顔の前で剣を構えた。
「少し、あなたの力をお借り致します」
ルナルは剣に小さく語り掛けて、息を整える。
「剣に宿りし、聖なる力よ」
詠唱を始めるルナルの姿を見て、見守ると決めたはずのソルトの顔色が急激に変わっていく。
「いけません、ルナル様! その魔法を使ってはいけません!」
冷静なはずのソルトが青ざめて叫び、慌ててルナルを止めようとする。
「心正しき者の呼び掛けに応え、穢れし輩を焼き払え!」
ソルトがアカーシャに止められる中、ルナルが詠唱を完了させて魔法を発動する。
「セイクリッドサンシャイン!」
次の瞬間、剣から眩いばかりの光が放たれてルナルの頭上に集まっていく。そして、そこから幾重もの光の帯が、部屋の中へと降り注いだ。
ジャグラーの放った暗黒の追尾弾はすべて光の帯に焼かれて消滅してしまった。
「ば、バカな! 魔王という純然たる魔族が、神聖魔法を使うだと!? ありえん、絶対にありえない!」
ルナルが発動した神聖魔法は、ジャグラーの魔法弾だけではなく、その身体と精神にもかなりのダメージを与えたようである。そのために、ジャグラーの動揺は相当なもので、畳みかけるなら今が絶好の機会である。
ところがどうだろうか。魔法を放ったルナルには次の動きがない。よく見れば、かなり呼吸が荒れているのである。ジャグラーの攻撃はまったく受けていないし、それほど激しく動いたわけでもない。だというのに汗もかなりかいており、疲れているのが誰の目にも明らかだったのだ。
「クッハッハッハッ! どうした、さっきの攻撃で力を使い果たしたか?」
動かないルナルに、全身ボロボロになりながらもジャグラーは余裕の様子だ。だが、この煽りにもルナルは無言のままである。
「ふん。どうやら答える気力も残っていないようだな。よかろう、ならば死ねぃ!」
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「ルナル!」
「ルナル様!」
「……」
窓辺から見守っていたセインたちに動揺が走る。
その間にもジャグラーはルナルの目の前まで迫り、思いっきり杖を振りかぶった。ジャグラーがにやりと笑みを浮かべた瞬間だった。
「……この瞬間を待っていました」
「なに?!」
ジャグラーの攻撃が当たろうかという瞬間、ルナルが顔を上げてジャグラーを見据える。
「くっ!」
その時のルナルの表情に、一瞬ジャグラーは飲まれかける。
「だが遅い! 死ねっ、俺が新しい魔王だ!」
ジャグラーは気を持ち直してそのまま攻撃を続けるが、その一瞬のためらいのせいか、ルナルには難なく躱されてしまう。
「なにっ?!」
ジャグラーは驚き、体を起こそうとする。その瞬間の事だった。
「その身に受けなさい、この剣の力を!」
ルナルは剣を構え、ジャグラーの体が起きたところへと攻撃を繰り出した。
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