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27 遠くから眺めて騒つく心
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「予想できたことだけど、いざ目にすると凄いわね」
「社員旅行っていうより、合コン旅行って感じだね……」
ビーチで遊んだ後、私達は旅館に戻りお風呂に入って浴衣に着替え、社員旅行参加者全員が集う夜の宴会に赴いた。
貸し切られた大広間はお膳料理と座布団がずらりと並べられていた。
特に席を決めることなどなく、自由に誰とでも交流が出来るような状況の宴会は途中からおかしな感じになってきた。
元々若手の社員ばかりが参加する傾向があったそうだが、今年は先に説明した通り人数が多い。尚且つ皆が皆出会いを求めている。
言い換えれば異性に飢えている。
そしてその飢えた参加者の中でも女性達はこぞって一課の社員達、特に課長の周りに集まった。少しでもお近づきになりたいという思いを胸に、彼女達はお酌をするという名目を利用して色目を使っている。
「よくやるわ」
「私、呼ばれても絶対にあの空間に行きたくない」
私は美香に混ざって総務の参加者と夕食を摂っていた。
他部署と交流をしたいという目的での行動だったが、一課の男性陣と一緒にいたら女子に睨まれそうだったというのも理由の一つだ。そして今まさに自分の判断が正しかったと痛感している。
「うう、折角仲良くなったのに。ヘラヘラしちゃって」
美香は森さんを見て恨みがましく眉を歪ませた。
視線の先の森さんは次々来る女性社員と楽しそうに話をしている。
上原さんや他の一課のメンバーも森さん同様何だかんだ言って楽しそうだ。
まあ、良い歳をした大人の男があそこまで女に囲まれてチヤホヤされて嬉しくないはずがない。
――ひとりを除いては。
「それにしてもさすが榊課長ね。心の壁が厚い。さっきからほとんどお酌断ってるし、すごく機嫌が悪そう」
「……あれは相当イライラしていると思う。近づける人の気がしれない」
遠目に見ているだけで恐いと思ってしまう課長の不機嫌な表情。
絶対に近づかないでおこうと思う反面、その表情を見て安心している自分がいた。
女子に囲まれてヘラヘラしている課長の姿などイメージが違い過ぎて見たくないというかなんというか……。
「いいなぁ陸は。イイ男な上に浮気の心配もなさそう」
「って、なんの話よ」
「何って榊課長の話よ」
「だから何が『いいなぁ』よ。美香、ビーチにいるときから変な物言いするのは止めてよね」
「だって、陸と榊課長って私結構お似合いだと思うんだよね。高身長でスタイル抜群、仕事も出来て人間性もばっちり」
「私はそんな完璧人間じゃないよ。それにお似合いって言われても……」
「そうね、どちらかというとお子様のアンタに課長が手を焼いてるって感じよね。この贅沢者」
「何言ってっ――」
「あからさまに気に入られて可愛がられておいて、何勘違いで済まそうとしてんのよ。他の誰の目を誤魔化せても私の目は誤魔化せないわよ。少なからずアンタはあのお方の特別枠よ」
「……特別枠って言われても。ただ単に私はからかわれてるだけだって。一課で唯一の女子だから目にかけてもらってるところも少しはあるかもしれないけど」
美香は酔っているのか少し据わった目で私を斜め下からねめつけ、ふうんとお酒の入ったお猪口を口に運んだ。
「まあ、あんたがそう言い張るならそれでもいいんだけどね。後から誰かに取られて後悔しても知らないから」
――誰かに取れる。
現状、課長が誰であろうと女の人と付き合ってる光景は何故か想像はできない。
けれども目と鼻の先で次々とアピールを受けているところを見ると、あの中に一人くらい課長が好きになる人がいるかもしれないと思わないわけでもない。
あの鬼課長が今まで私が見てきたようなオフの顔をあそこにいる誰かに見せる。そんな姿を想像しようとしたが、モヤモヤと何故か嫌な気分が込み上げてきたので、想像を止める。
私はモヤモヤした嫌な気分の原因を考えることはせずに、頭を切り替えようて人だかりの方を眺めるのを止めようとした。しかし、意外な人物を見つけて、逸らそうとした視線がとまる。
木野さんが混ざっていた。
食事の席は総務の女子メンバーに混ざっていなかったから良也と夕食を共にしているのだろうと思っていた。どうやら今は先ほどまで私達の周りにいた総務の女子社員達が一課のメンバーにお近づきに行ったのに乗っかったようだ。
その光景に違和感を覚え、眉間に皺が入りかける。
「ねぇ――」
意見を求めたくなって、視線を一度木野さんから逸らして美香を見る。すると、美香はかわいい顔が歪むくらい不機嫌度がアップした睨みを森さんに向けていた。
その迫力に慄いた私は女子に囲まれている森さんと美香を交互に見た後、苦笑してしまう。
美香は嫉妬する程度に森さんがお気に召したようだ。
私から見ても海で遊んでいる二人はお似合いだった。
森さんの方からも美香を気に入っているようだし、連絡先の交換ももう済ませた事はさっき聞いた。
そのままの流れでいい感じになりそうだと思っていた矢先に目の前の光景である。
「美香混ざりたいなら行ってきなよ」
「いや。あんなミーハー達と混ざって自分の質を落としたくない」
悔しそうに見つめているくせに意地を張っている美香の背中を押してみるが腰を浮かせる気配はない。
「前から充分ミーハーじゃん」
「私、割と本気なの。他の女と同列だって思われたくないじゃん」
まさに乙女な発言に私はまじまじと美香の横顔を見つめてしまった。
「へえ、頑張って。友達のよしみで色々協力するよ」
「当然ね。でも、陸は私のこと構ってる暇無いかもよ」
美香が視線をちらりと動かしてそちらを指さす。
するとそこには木野さんが課長の横に座ってニコニコと話している姿があった。
どんな話をしているのかはまるで聞こえないけれど、木野さんは何か一生懸命に課長に話しかけている。
……彼氏がいるのに何の用なんだろう?
そう思いはしたが、彼氏がいようといまいと会社で一二を争って優秀な上司とお近づきになれる機会なんて滅多にない。だから色恋抜きで近づく人もいるだろう。
女子社員に混ざって男子社員が恐縮そうに課長に挨拶をしに行く姿はちらほら見た。
ただぼんやり人だかりを見ていても仕方がない。美香を深く考えるのはやめて、おいしい料理とお酒に集中しようと視線を逸らそうとした、のだけれど。
その瞬間に目を疑うような光景を見てしまい視線がそれに縫いとめられる。
――課長、笑ってる。
今まで男女関わらず誰に声を掛けられても仏頂面を貫いていた課長が木野さんとの会話の中で僅かに表情を緩め笑顔を作っていた。
それは一瞬だけだったけれど、作り笑いではない本物の笑顔だったということが何故か私にはわかった。
ズキン。
とたん胸が痛む。
あれ、おかしいな。どうしてこんなに気分になるんだろう。
ズキン。
自問自答すると再度胸が軋んだ。視線を逸らしても先ほどの課長の笑顔が頭に浮かんでくる。
あの笑顔は――
――今まで私だけに向けられるものだったのに。
どうして木野さんに。
そう考えた瞬間、私ははっとして大部屋全体をぐるりと見渡した。
そして一点に目的の人物を見つけてさらに胸が痛む。
部屋の隅の方に一人で座っていた良也の視線は課長と木野さんを真っ直ぐ捉えていた。
そしてその表情は苦痛に歪んでいた。
木野さん、どうして良也を放っておいて課長と楽しそうに話しているの?
そこはあなたの居場所じゃないでしょ。
そこは――
私の――
「ああ、もう我慢できない! あのヘラヘラした顔見てらんない!」
美香が勢い良く立ち上がった気配に私はビクリと体を震わす。
気がついたときには美香は機嫌の悪さ全開の顔で他の女子を押しのけ、森さんの正面にドンと座った。頬を膨らませつつもお酌をしようと徳利を出している。
森さんは一瞬驚いた顔をしていたが、何だか妙に嬉しそうにはにかんで美香から受けた酒を美味しそうに飲み下した。
どこからどう見てもいい雰囲気。自然と森さんの周りから女子が減り始める。
さすが美香だ。
羨ましい。
羨ましい?
何が?
私は自分の思考がめちゃくちゃで、何がなんだか分からなくなってきた。
そんな頭の中をお酒のせいにしようとして、目の前のグラスに残っていた強い地元の焼酎を一気に呷った。
苦手な焼酎は喉が焼けるように強く、苦かった。
「社員旅行っていうより、合コン旅行って感じだね……」
ビーチで遊んだ後、私達は旅館に戻りお風呂に入って浴衣に着替え、社員旅行参加者全員が集う夜の宴会に赴いた。
貸し切られた大広間はお膳料理と座布団がずらりと並べられていた。
特に席を決めることなどなく、自由に誰とでも交流が出来るような状況の宴会は途中からおかしな感じになってきた。
元々若手の社員ばかりが参加する傾向があったそうだが、今年は先に説明した通り人数が多い。尚且つ皆が皆出会いを求めている。
言い換えれば異性に飢えている。
そしてその飢えた参加者の中でも女性達はこぞって一課の社員達、特に課長の周りに集まった。少しでもお近づきになりたいという思いを胸に、彼女達はお酌をするという名目を利用して色目を使っている。
「よくやるわ」
「私、呼ばれても絶対にあの空間に行きたくない」
私は美香に混ざって総務の参加者と夕食を摂っていた。
他部署と交流をしたいという目的での行動だったが、一課の男性陣と一緒にいたら女子に睨まれそうだったというのも理由の一つだ。そして今まさに自分の判断が正しかったと痛感している。
「うう、折角仲良くなったのに。ヘラヘラしちゃって」
美香は森さんを見て恨みがましく眉を歪ませた。
視線の先の森さんは次々来る女性社員と楽しそうに話をしている。
上原さんや他の一課のメンバーも森さん同様何だかんだ言って楽しそうだ。
まあ、良い歳をした大人の男があそこまで女に囲まれてチヤホヤされて嬉しくないはずがない。
――ひとりを除いては。
「それにしてもさすが榊課長ね。心の壁が厚い。さっきからほとんどお酌断ってるし、すごく機嫌が悪そう」
「……あれは相当イライラしていると思う。近づける人の気がしれない」
遠目に見ているだけで恐いと思ってしまう課長の不機嫌な表情。
絶対に近づかないでおこうと思う反面、その表情を見て安心している自分がいた。
女子に囲まれてヘラヘラしている課長の姿などイメージが違い過ぎて見たくないというかなんというか……。
「いいなぁ陸は。イイ男な上に浮気の心配もなさそう」
「って、なんの話よ」
「何って榊課長の話よ」
「だから何が『いいなぁ』よ。美香、ビーチにいるときから変な物言いするのは止めてよね」
「だって、陸と榊課長って私結構お似合いだと思うんだよね。高身長でスタイル抜群、仕事も出来て人間性もばっちり」
「私はそんな完璧人間じゃないよ。それにお似合いって言われても……」
「そうね、どちらかというとお子様のアンタに課長が手を焼いてるって感じよね。この贅沢者」
「何言ってっ――」
「あからさまに気に入られて可愛がられておいて、何勘違いで済まそうとしてんのよ。他の誰の目を誤魔化せても私の目は誤魔化せないわよ。少なからずアンタはあのお方の特別枠よ」
「……特別枠って言われても。ただ単に私はからかわれてるだけだって。一課で唯一の女子だから目にかけてもらってるところも少しはあるかもしれないけど」
美香は酔っているのか少し据わった目で私を斜め下からねめつけ、ふうんとお酒の入ったお猪口を口に運んだ。
「まあ、あんたがそう言い張るならそれでもいいんだけどね。後から誰かに取られて後悔しても知らないから」
――誰かに取れる。
現状、課長が誰であろうと女の人と付き合ってる光景は何故か想像はできない。
けれども目と鼻の先で次々とアピールを受けているところを見ると、あの中に一人くらい課長が好きになる人がいるかもしれないと思わないわけでもない。
あの鬼課長が今まで私が見てきたようなオフの顔をあそこにいる誰かに見せる。そんな姿を想像しようとしたが、モヤモヤと何故か嫌な気分が込み上げてきたので、想像を止める。
私はモヤモヤした嫌な気分の原因を考えることはせずに、頭を切り替えようて人だかりの方を眺めるのを止めようとした。しかし、意外な人物を見つけて、逸らそうとした視線がとまる。
木野さんが混ざっていた。
食事の席は総務の女子メンバーに混ざっていなかったから良也と夕食を共にしているのだろうと思っていた。どうやら今は先ほどまで私達の周りにいた総務の女子社員達が一課のメンバーにお近づきに行ったのに乗っかったようだ。
その光景に違和感を覚え、眉間に皺が入りかける。
「ねぇ――」
意見を求めたくなって、視線を一度木野さんから逸らして美香を見る。すると、美香はかわいい顔が歪むくらい不機嫌度がアップした睨みを森さんに向けていた。
その迫力に慄いた私は女子に囲まれている森さんと美香を交互に見た後、苦笑してしまう。
美香は嫉妬する程度に森さんがお気に召したようだ。
私から見ても海で遊んでいる二人はお似合いだった。
森さんの方からも美香を気に入っているようだし、連絡先の交換ももう済ませた事はさっき聞いた。
そのままの流れでいい感じになりそうだと思っていた矢先に目の前の光景である。
「美香混ざりたいなら行ってきなよ」
「いや。あんなミーハー達と混ざって自分の質を落としたくない」
悔しそうに見つめているくせに意地を張っている美香の背中を押してみるが腰を浮かせる気配はない。
「前から充分ミーハーじゃん」
「私、割と本気なの。他の女と同列だって思われたくないじゃん」
まさに乙女な発言に私はまじまじと美香の横顔を見つめてしまった。
「へえ、頑張って。友達のよしみで色々協力するよ」
「当然ね。でも、陸は私のこと構ってる暇無いかもよ」
美香が視線をちらりと動かしてそちらを指さす。
するとそこには木野さんが課長の横に座ってニコニコと話している姿があった。
どんな話をしているのかはまるで聞こえないけれど、木野さんは何か一生懸命に課長に話しかけている。
……彼氏がいるのに何の用なんだろう?
そう思いはしたが、彼氏がいようといまいと会社で一二を争って優秀な上司とお近づきになれる機会なんて滅多にない。だから色恋抜きで近づく人もいるだろう。
女子社員に混ざって男子社員が恐縮そうに課長に挨拶をしに行く姿はちらほら見た。
ただぼんやり人だかりを見ていても仕方がない。美香を深く考えるのはやめて、おいしい料理とお酒に集中しようと視線を逸らそうとした、のだけれど。
その瞬間に目を疑うような光景を見てしまい視線がそれに縫いとめられる。
――課長、笑ってる。
今まで男女関わらず誰に声を掛けられても仏頂面を貫いていた課長が木野さんとの会話の中で僅かに表情を緩め笑顔を作っていた。
それは一瞬だけだったけれど、作り笑いではない本物の笑顔だったということが何故か私にはわかった。
ズキン。
とたん胸が痛む。
あれ、おかしいな。どうしてこんなに気分になるんだろう。
ズキン。
自問自答すると再度胸が軋んだ。視線を逸らしても先ほどの課長の笑顔が頭に浮かんでくる。
あの笑顔は――
――今まで私だけに向けられるものだったのに。
どうして木野さんに。
そう考えた瞬間、私ははっとして大部屋全体をぐるりと見渡した。
そして一点に目的の人物を見つけてさらに胸が痛む。
部屋の隅の方に一人で座っていた良也の視線は課長と木野さんを真っ直ぐ捉えていた。
そしてその表情は苦痛に歪んでいた。
木野さん、どうして良也を放っておいて課長と楽しそうに話しているの?
そこはあなたの居場所じゃないでしょ。
そこは――
私の――
「ああ、もう我慢できない! あのヘラヘラした顔見てらんない!」
美香が勢い良く立ち上がった気配に私はビクリと体を震わす。
気がついたときには美香は機嫌の悪さ全開の顔で他の女子を押しのけ、森さんの正面にドンと座った。頬を膨らませつつもお酌をしようと徳利を出している。
森さんは一瞬驚いた顔をしていたが、何だか妙に嬉しそうにはにかんで美香から受けた酒を美味しそうに飲み下した。
どこからどう見てもいい雰囲気。自然と森さんの周りから女子が減り始める。
さすが美香だ。
羨ましい。
羨ましい?
何が?
私は自分の思考がめちゃくちゃで、何がなんだか分からなくなってきた。
そんな頭の中をお酒のせいにしようとして、目の前のグラスに残っていた強い地元の焼酎を一気に呷った。
苦手な焼酎は喉が焼けるように強く、苦かった。
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