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レオニダス獣王国編

喜んでいいのか?悲しんだ方がいいのか?

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ばったり倒れこんだ唯と宙は心配そうにオロオロして二人の周りを動く千尋くんを見て思った!

“これ…これだけ可愛いのに!どう見たって女の子にしか見えないのに…これで男って嘘だぁぁぁぁ!!”

何気に、この事が外に漏れない様に王子が部屋に入ってから直ぐに防音結界をする為に待っていたセバスチャンが倒れた王子達を見て…。

「う、う、う、おいたわしい…。」

そう言って自ら白いハンカチで涙を拭った。
千尋くんはというと、一般庶民の自分が姫君を詐称した事に王子達がショックを受けていると斜め上に誤解している。
だから、さっきから言っている言葉と言うと…。

「あのね!あのね!嘘ついてゴメンね!でもでも、確かに僕は一般庶民なんだけど一応神の愛し子でもあるからね!それに、一般庶民が王宮に入るのにね!仕方なく仕方なく!姫になったんだよ!!でね!でね!」

そう一生懸命説明する千尋はやっぱり可愛いくて…唯と宙は更にガックシと頭を下げた…。
収拾がつかない現状に肩を震わせて音を出さない様に爆笑していたマリアンヌが、漸く笑いの発作を抑えて両殿下に声を掛けた。

「さ…さて、両殿下に何故チ~ちゃんが姫として来たのか説明致しますから起きて下さいますか?…ほら、チ~ちゃんも落ち着いて!お茶菓子を出してくれるか?」
「うん!ママ!」
「「……はい。」」

唯と宙は漸く説明を聞く為に起き上がった。
二人が持って来た花束は千尋が貰い受けローズに頼んで1個の大きな花瓶に活けて貰った。

応接間のソファーに収まった一同はセバスチャンがお茶を入れ千尋がお茶菓子に先日厨房で見つけた栗…というには大きいソフトボール並みの栗を発見しモンブランを作ったので、これを出した。

「新作モンブランだよ!大きい栗を使ったケーキなんだ~さあ召し上がれ~!」
「チ~ちゃんの新作!!嬉しい!」
「「新作…」」

栗の素朴な味わいとしっとりしたスポンジとクリームも栗の味がしてマリアンヌは嬉しそうに食べ王子達も一口ケーキを口に入れると栗の味が広がり思わず笑顔で言ってしまうのだ。

「「美味しい!」」
「エヘヘ…良かった!」

千尋の嬉しそうな笑顔に再び俯いてしまいそうになった王子達だったが、千尋に見苦しいところを見せない!
男として恥ずかしいところは、もう見せたくないと思っていたことを思い出して二人は顔を上げた!
そんな王子達の成長をセバスチャンは再び涙を流して喜び、マリアンヌはにっこり笑顔で微笑ましく見ていた。

「さて、なぜ我々がこんな風にここに来たのか、ひとつに睡蓮殿が命懸けで我々に・・・いや神の愛し子様であるチ~ちゃんに助けを求めた事から始まったのです。」
「睡姉さんから・・・。」
「睡蓮殿は私達に会いに来た時、片手、片足になり緊縛の呪いで、あと一日の命だったのです。」
「一日・・・。」
「それで!それで睡姉は?睡姉は助かったってこの前言ったよね!?」
「勿論、チ~ちゃんがその場で光魔法極大を使って治しました!呪いを消し無くした手足も元に戻したのですけど、その分チ~ちゃんは小さくなったままになったのです。
我が国では帝国の侵攻による戦があり、その時に犠牲になった多くの人々の命を救ってくれました・・・それだけじゃなく他国に囚われていた奴隷達をも解放した大きな光魔法の力・・・その代償でチ~ちゃんは2週間も眠り続け一時的に魔力の消耗で体が小さくなってしまったのです。
そしてまだ完全に魔力が戻る前に睡蓮殿の命を救う為に光魔法を使った・・・その代償が小さい体のままでいる事でした。」
「チーさん・・・」
「チーちゃん・・・」
「大丈夫!もうすぐ元に戻るから!心配ないよ!!」
「「ありがとう・・・本当に!ありがとう!!」」
「エヘヘ!どういたしまして!」
「話しの続きに戻すと、その時睡蓮殿は自らの命を差し出して愛し子様に願った!獣王王国を救って欲しいと!
その命を懸けた願いを神の愛し子様であるチ~ちゃんが聞き届けたのです。
そして、チ~ちゃんの守護者である人が睡蓮殿の話しを聞いて獣王王家の永久に溶けない凍土に疑問を持った、そして凍土を作ったという光竜に聞きに行ったのです・・・何故氷が溶けないのかを。」
「永久凍土を作った光竜!?800年前に消えてしまったという伝説の竜王が生きてた!?」
「うん!縁あって僕の従魔になったんだよね~殿下達も会った事があるよ!」
「「!!・・・もしかして・・・あの方・・・ミカワヤの時の!」
「そう!あの時作戦を考えてくれた光輝が光竜で竜王なんだよ!」
「「そうなんだ・・・納得した・・・。」」
「光竜曰く、あの氷の様に見える凍土は実は氷じゃないのです。」
「「氷じゃない??」」
「ええ・・・あの氷は昔殿下方の祖先である、初代獣王の力を抑える為の檻で氷の様に見えて違うもので時間が停止するそうなのです。」
「時間停止?・・・じゃあ魔力の高い者が使うインベントリの様なモノで時間停止するのですか?」
「そうです。」
「では、ではもしかして!!」
「ええ、殿下達の兄である天下殿下も生きている…という事です。」
「ああああぁぁぁぁ!!!」
「兄者が!兄者が生きている!!」

唯と宙は両手で顔を覆い震えていた…。
2年前に消えてしまった兄者…どんなに寂しかったか!どんなに悲しかったか!
計り知れない喪失感に泣く事も出来なかった…。
2年経った今、氷柱に落ちてきた時、久し振りに見ることが出来た兄者の顔に初めて二人で慟哭した。
会いたくて会いたくて…顔を見たら今度は声が聴きたくて…そして失った存在の大きさを知る日々だった。
その大きな存在である兄者が生きている!!
兄弟は静かに喜びの涙を流した…。

「そう…それ故にチ~ちゃんは姫になったのです!鎖国した国の王宮の奥の奥にある永久凍土に行く為には輿入れするしかないという事で!…まあ、可愛いし可愛いし可愛いから姫君になっても違和感ゼロだったし!
それとチ~ちゃんは、この世界では大変珍しい黒髪・黒目…失った魔力回復と魔力温存のために、この姿のままでこの国に安全に違和感無く入る為にチ~ちゃんは姫になったのです!」
「そうだったのか…。」
「そっか…。」

それにしても違和感無さ過ぎだろう…そう大きい声で叫びたい王子達であったが…ここは男として我慢した!

「それにね、この国に青の魔石が多いって聞いて…奴隷になってしまった人々を救いたいって思ったし光魔法使いのサクラ卿に会って光魔法の修行をしたかったんだ!お陰様で色々実け…試す事も出来たし光魔法の使い方も分かって来たからね!それに…なにより美味しい豆腐に出会えた!!本当に嬉しかった!!」
「「そう…良かったね…うん…良かった良かった…。」」

王子達の瞳から光が消えた…。
にこにこ笑顔の千尋に、そこは空気を読んで王子達に会えた事も喜んで欲しかった…。
豆腐に負ける王子達…。
兄者の事を喜んで…そして再度豆腐で奈落に落とされる…。
しかし天然小悪魔はそこで終わらないからこそ小悪魔である。

「唯殿下と宙殿下に会えた事も…嬉しかったよ!」
「「!!」」
「ね!」

小首を傾げて少し頬を染めてにっこり照れ笑いをする千尋に両殿下の顔は赤く染まった!
そんな王子達を見て、マリアンヌとセバスチャンは語った。

「小悪魔ちゃん降臨だな…!」
「さすが!天然モノは最強です!」

こうして唯と宙は喜んでいいのか悲しんだ方がいいのか分からないまま、天然小悪魔の手の上で揺らされていた。
そこにマリアンヌが千尋に問いかけた。

「で、どっちと偽りとはいえ婚姻の儀をするのだ?チ~ちゃん?」
「う~~ん…じゃあくじ引きで決めます!」
「「くじ?」」
「うん!当たりを引いた方と婚姻しま~す!すぐ作るね!!」

千尋は二つの小さな紙を用意してひとつに当たりと書いて同じように折りたたみ手の中でぐるぐる回し殿下達に選んで貰った。
そして当たりを引いたのは…唯だった!

「はい!では明日唯殿下に嫁ぎます!!よろしくお願いします!!」
「はいぃぃ!!」
「う~ん…当たらなくて残念な気もするけど…複雑だ…。」

こうして千尋くんの最終目的である永久凍土まで、もう少し…。
王家の者しか入れない王家の廟に行くために!明日お嫁さんになります!!



その頃、死者の群れは数を増やし続けていた。
王都までの道の途中で全ての村、街、そして砦もその波に飲み込み進む。
そして美しい湖で観光地でもある街が死者達に蹂躙され綺麗だった街並みも破壊され無残な姿になった。
そして逃げ惑う人々は最近聖女が来て邪まな者達は入れないという村を目指した!

「お父さん!早く!!もう、川向こうまで死者達が来てる!!」
「ああ!もう少しだ!もう少しでアルルの村だ!!」

急ぐ馬車には大人や子供、老人も含めて20人ほどの人達が乗っていた。
大幅に定員オーバーしている馬車は、その重量で早く走れない!
大勢の人の重みで馬車の車輪は軋んだ音をしている。
そして、馬車の車輪がぬかるみに嵌り馬車は横転した!!その反動で負荷が掛かっていた車輪が無情にも二つに折れた!

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁあああぁ!!!」

バキバキバキイィィ!!
大きな音をさせ荷台も壊れた!!

「ああ!馬車が!!馬車が壊れた!!」
「どうしよう!もう…もう追いつかれる!!」

そこにいる人々が全員絶望の顔をしていた!
もう見えるところに死者の群れが来ている!
アルルの村まであと10キロ…老人や子供にはまだ十分遠い距離だ。

「せめて子供達だけでも逃がそう!大人は全員ここで火を焚いて死者達を止めるんだ!」
『おう!!』

そう悲壮な決意を決めた時、突然に美しい女性が人々の前に現れた!

「皆、ここで何をしているのじゃ?」

美しい人はファビラスボディに白銀の髪に赤いメッシュが入った長い髪を高く結い上げ赤い唇は蠱惑的な微笑みを称えている。
そこにいる全員が驚いたが馬車の御者をしていた男の娘が泣きながら美しい人に訴えた。

「もう少しで村に行けたのに馬車が壊れたの!もう死者達があそこまで来ているのに!!もう!もう間に合わない!!」
「ふむ…アレから逃げて来たのか…あい分かった!では、妾が村まで送ってやろう。」
「全員??」
「ああ、勿論じゃ!ついでに馬も送ってやろう!さあ皆、妾の近くまで寄るのじゃ!」

馬車に乗っていた全員で美しい人の言葉に素直に従った。
何故こんなに素直に従ってしまったのか分からないが…ある意味あの死者の群れより恐ろしい存在だと本能が感じたのかもしれない…。
そして、言われるまま美しい人の傍に近寄ると、その人は大きな魔法陣を足元に展開し人も馬もそして壊れた馬車も一緒に一瞬で村の入り口まで転移した。

「え??ここはアルルの村??」
『ええええええぇぇぇぇぇ!!!』
「ふふふ…ここは強い結界が張ってある所、あの死者達は近づく事も出来ぬ!さぁ~皆入るが良い。」

茫然とした人々は村から声を掛けられ、ようやく命が助かった現実が頭の中に入って来た!

「助かったんだ…俺たち!!助かったんだ!!」
「ああ!神様!!ありがとうございます!!」

大人たちが安堵の涙を零し子供達にも笑顔が戻った時、御者の娘が美しい人にお礼を言おうと振り向いたが、そこには誰もいなかった…。
娘は泣きながら感謝の言葉を紡いだ。

「ありがとう…ありがとうございます!女神さま!!」

娘は両手を合わせて泣きなが感謝の祈りを奉げた…。
それを見た他の助けられた人々も同じように手を合わせて感謝の祈りを奉げた。



続く。

お気に入り&お読み頂きありがとうございます。
ごめんなさい!一瞬上げちゃった!!しかも朝早く!!申し訳ない!!

前回のクイズの正解は11位耶白くんでした~!小さい子の面倒見のいいお兄ちゃんなんです!
今回のお助けタイガスは簡単ですね!

第11回ファンタジー大賞に参加しております!
まだ投票してない方はポチっとして来て下さいまし!
一人3票まであるので、その一つを千尋くんにポチっとしてくれると嬉しいです!
どうぞ、よろしくお願い致します!!




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