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京都の夜
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ゴッドキャッスル京都のメインダイニングは華やかなで、それでいて穏やかな
空気が流れていた。
「はぁ~堪能したよ~!とても、美味しかった!」
「ありがとうございます!悠夜様!」
「今日は美味しい物尽くしで、幸せ~!京都に来て良かった!」
「そういえば、悠夜様はこちらに来られるそうですね?このまま、当ホテルに住まれますか?色々便利ですし、お部屋もその様に改装しますから!」
「う~ん…母さんが色々画策してるっぽいんだよね、家を建てる方向なんじゃないかな~ねぇ、達兄?」
「ぶっ!」
バレてる!完全にバレてるよ!
達磨はダラダラの焦りの表情で、でも無言になった。
「ならば、ご家族で来られるのもいいではありませんか?その様に改装も可能で御座いますよ!当ホテルのオーナーなのですから!」
なんだが、総支配人の頭の中で色々なシュミレートが動いているな~
確かに、ここなら安全性とか利便性とか凄くいい環境なんだけど、ホテルを住まいにっていうのもアリかもな~一応奥様に提案してみるか…。
そんな感想を持ちつつ、今日は終了というので最上階に戻った。
「那智、このまま泊まって行く?」
「いえ、明日は店を開けますから家に戻ります。」
「そう…そうだね…」
寂しそうな顔をする悠ちゃんに、困った顔でいる那智さんへ俺が提案する。
「まあ、もう少しいいだろ?お邪魔虫は下がるから主寝室で二人きりでお話ししてなよ。」
「ありがとう…達兄!」
「はいはい…では、那智さん戻る時は言って下さい。エレベーター起動させますから。」
「はい、ありがとうございます。」
空気を読める男、達磨は出来る男なのだ。
二人きりになった悠ちゃんは、フッと思った。
「そう言えば八坂神社に行き損ねたね…お参りしたかったのに…。」
「時間が無かったからね…なら、今から行きますか?八坂さんは夜の方が綺麗ですから。」
「今からだと、達兄に動いて貰うの申し訳ないよ。たぶん、他のSP達も…」
「なら、俺の力で移動して、お参りしたら戻ればいいのでは?」
「へっ?」
瞬間で景色が変わったのを悠夜が感じた時、そこはたくさんの明るい提灯の光が綺麗な境内だった。
「この時間だと、人が居ませんからね。瞬間移動しても大丈夫です。」
「うわ~綺麗だね~ありがとう、那智!」
誰も居ない境内は、逆に秘めやかで、それでいて荘厳な感じでもあった。
「お参りしよう、京都を護る神様に…」
「ええ…」
二人で静かに祈った。
今日の日にあった色々な出来事に…こうして再び一緒にいる事が出来る事に…。
フッと同じタイミングで目を開けてお互いの顔を見つめた。
そっと寄せられた顔に、思わず目を閉じた悠夜の唇に那智の唇が重なった。
軽く触れた唇が、深く重なりあって行くのを、止めるものは何もなかった。
抱き締めた体が離れていかないように強く抱き締めながら、奪う様に口付けする。
その存在を確かめる様に…。
その存在を離さない様に…。
夢中になって重ねる唇に二人の意識がお互いにしか向いてないのを、暗い建物の影から見つめている者がいたのを気が付かずに…。
「やっと、見つけた…見つけたよ…」
空気が流れていた。
「はぁ~堪能したよ~!とても、美味しかった!」
「ありがとうございます!悠夜様!」
「今日は美味しい物尽くしで、幸せ~!京都に来て良かった!」
「そういえば、悠夜様はこちらに来られるそうですね?このまま、当ホテルに住まれますか?色々便利ですし、お部屋もその様に改装しますから!」
「う~ん…母さんが色々画策してるっぽいんだよね、家を建てる方向なんじゃないかな~ねぇ、達兄?」
「ぶっ!」
バレてる!完全にバレてるよ!
達磨はダラダラの焦りの表情で、でも無言になった。
「ならば、ご家族で来られるのもいいではありませんか?その様に改装も可能で御座いますよ!当ホテルのオーナーなのですから!」
なんだが、総支配人の頭の中で色々なシュミレートが動いているな~
確かに、ここなら安全性とか利便性とか凄くいい環境なんだけど、ホテルを住まいにっていうのもアリかもな~一応奥様に提案してみるか…。
そんな感想を持ちつつ、今日は終了というので最上階に戻った。
「那智、このまま泊まって行く?」
「いえ、明日は店を開けますから家に戻ります。」
「そう…そうだね…」
寂しそうな顔をする悠ちゃんに、困った顔でいる那智さんへ俺が提案する。
「まあ、もう少しいいだろ?お邪魔虫は下がるから主寝室で二人きりでお話ししてなよ。」
「ありがとう…達兄!」
「はいはい…では、那智さん戻る時は言って下さい。エレベーター起動させますから。」
「はい、ありがとうございます。」
空気を読める男、達磨は出来る男なのだ。
二人きりになった悠ちゃんは、フッと思った。
「そう言えば八坂神社に行き損ねたね…お参りしたかったのに…。」
「時間が無かったからね…なら、今から行きますか?八坂さんは夜の方が綺麗ですから。」
「今からだと、達兄に動いて貰うの申し訳ないよ。たぶん、他のSP達も…」
「なら、俺の力で移動して、お参りしたら戻ればいいのでは?」
「へっ?」
瞬間で景色が変わったのを悠夜が感じた時、そこはたくさんの明るい提灯の光が綺麗な境内だった。
「この時間だと、人が居ませんからね。瞬間移動しても大丈夫です。」
「うわ~綺麗だね~ありがとう、那智!」
誰も居ない境内は、逆に秘めやかで、それでいて荘厳な感じでもあった。
「お参りしよう、京都を護る神様に…」
「ええ…」
二人で静かに祈った。
今日の日にあった色々な出来事に…こうして再び一緒にいる事が出来る事に…。
フッと同じタイミングで目を開けてお互いの顔を見つめた。
そっと寄せられた顔に、思わず目を閉じた悠夜の唇に那智の唇が重なった。
軽く触れた唇が、深く重なりあって行くのを、止めるものは何もなかった。
抱き締めた体が離れていかないように強く抱き締めながら、奪う様に口付けする。
その存在を確かめる様に…。
その存在を離さない様に…。
夢中になって重ねる唇に二人の意識がお互いにしか向いてないのを、暗い建物の影から見つめている者がいたのを気が付かずに…。
「やっと、見つけた…見つけたよ…」
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