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魔術師と言われる男1
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伝説級の話しがある。
遠き昔から、その男の一族は歴史の裏で暗躍していたと。
歴史が動く時必ず裏で暗躍する一族。
だが、決して表に出て来ない一族をただの噂だと言う者もいれば事実だと言う者もいる。
その一族の長は何千年何万年と生きては死に、そして生まれ変わるが前世の記憶があるのだという。
その一族の長を”魔術師(ウィザード)”と人々は言っていたという。
悠夜様担当SPにしてゴッドガーディアンの社長でもある夕霧達磨は、その報告書を読んでため息をついた。
「朝比奈…これどういう事なんだ?」
「どうもこうも、これ以上の情報が出て来ないのです。これまで、こういった身辺調査に於いて過去の情報が出て来ないというのはありませんでした。例え裏社会の人間であっても、何かしら出て来るのが通常です。ですが、彼は一切出て来ないのです…」
書類にあるのは最近の事だけで出身地も出身学校も分からない。
現在喫茶店の店主である事と弟がいる事、両親は亡くなったという事以外何も分からない。
その情報もご近所さんの不確かな証言によるもので、本当なのか分からないと書いてある。
あらゆるデータベースに載っていない男、本人が言った名前も本名なのかも分からない。
かと言って警察の犯罪などのデータベースにも引っかからない。公安も然りだ。
夕霧は頭を抱えて悩んだ。
どういう人物なのか概要さえ掴めない。
悠ちゃんにとって安全なのか危険なのかさえ分からない。
いや今の時点では危険極まりない。
これをどう報告すればいいのか、真剣に悩んでいる夕霧に朝比奈は言った。
「先ずは悠夜様に相談しましょう。家の人は…はっきり言って暴走するでしょうから…」
「いきなり本人にカチコミかよ~でも、悠ちゃんなら真実しか聞かないだろうし、嘘は言えないだろうけど…」
「仕方がありません。ある意味悠夜様のパートナーになる方ですもの。普通であるはずも無いのかもしれませんよ」
「神様のパートナーか~確かにな!」
夕霧は一つ背伸びをして頭を上に上げて心を決めた。
「そうだ…京都に行こう…」
「今日中に戻って下さいね。書類も溜まっていますから」
「ええ~そこはお前の判断で良いから、決済しといて~」
「…はぁ~仕方がありませんね、今回貸しという事で、私が処理しましょう」
「貸し…どんだけ利子が付くのやら…」
「勿論、10割です!」
「暴利だ~!鬼~!悪魔~!」
「ふん!因みに1時間毎に利子が増えますから!」
「うわ~どんだけだよ~!ヤクザより酷いじゃん!」
「ならば早く戻って来るんですね」
「…はい…」
何でだろう…涙で前が見えないよ。
そう心で号泣する夕霧達磨でした。
遠き昔から、その男の一族は歴史の裏で暗躍していたと。
歴史が動く時必ず裏で暗躍する一族。
だが、決して表に出て来ない一族をただの噂だと言う者もいれば事実だと言う者もいる。
その一族の長は何千年何万年と生きては死に、そして生まれ変わるが前世の記憶があるのだという。
その一族の長を”魔術師(ウィザード)”と人々は言っていたという。
悠夜様担当SPにしてゴッドガーディアンの社長でもある夕霧達磨は、その報告書を読んでため息をついた。
「朝比奈…これどういう事なんだ?」
「どうもこうも、これ以上の情報が出て来ないのです。これまで、こういった身辺調査に於いて過去の情報が出て来ないというのはありませんでした。例え裏社会の人間であっても、何かしら出て来るのが通常です。ですが、彼は一切出て来ないのです…」
書類にあるのは最近の事だけで出身地も出身学校も分からない。
現在喫茶店の店主である事と弟がいる事、両親は亡くなったという事以外何も分からない。
その情報もご近所さんの不確かな証言によるもので、本当なのか分からないと書いてある。
あらゆるデータベースに載っていない男、本人が言った名前も本名なのかも分からない。
かと言って警察の犯罪などのデータベースにも引っかからない。公安も然りだ。
夕霧は頭を抱えて悩んだ。
どういう人物なのか概要さえ掴めない。
悠ちゃんにとって安全なのか危険なのかさえ分からない。
いや今の時点では危険極まりない。
これをどう報告すればいいのか、真剣に悩んでいる夕霧に朝比奈は言った。
「先ずは悠夜様に相談しましょう。家の人は…はっきり言って暴走するでしょうから…」
「いきなり本人にカチコミかよ~でも、悠ちゃんなら真実しか聞かないだろうし、嘘は言えないだろうけど…」
「仕方がありません。ある意味悠夜様のパートナーになる方ですもの。普通であるはずも無いのかもしれませんよ」
「神様のパートナーか~確かにな!」
夕霧は一つ背伸びをして頭を上に上げて心を決めた。
「そうだ…京都に行こう…」
「今日中に戻って下さいね。書類も溜まっていますから」
「ええ~そこはお前の判断で良いから、決済しといて~」
「…はぁ~仕方がありませんね、今回貸しという事で、私が処理しましょう」
「貸し…どんだけ利子が付くのやら…」
「勿論、10割です!」
「暴利だ~!鬼~!悪魔~!」
「ふん!因みに1時間毎に利子が増えますから!」
「うわ~どんだけだよ~!ヤクザより酷いじゃん!」
「ならば早く戻って来るんですね」
「…はい…」
何でだろう…涙で前が見えないよ。
そう心で号泣する夕霧達磨でした。
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