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第7話
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幸子は昔行った事がある小早川の家に行ってみたが、そこは跡形も無く月極めの駐車場となっていた。
小早川の叔父さんの手紙にあった本田仁という人をネットで検索したら直ぐにヒットした。
「本田コンツェルンの会長なんて一介の高校教師がアポなんて取れない!門前払いだよ…それにこの人が仁って人なのかも不明だし…。」
結局1年を通して多忙な高校教師の自分で探す能力も時間も無いと3ヶ月悩んだ
結果母の遺産からお金を捻出して興信所にお願いする事にした。
興信所も母のジャーナリスト仲間から紹介して貰って頼んだら芳樹を探すのに一週間程で探してくれた。
そして、その報告がされた場所で幸子の予想外な事が知らされた。
「ええ!!!奈津子叔母さん死んでないの!!」
「はい…事故の時咄嗟に旦那さんが庇った事で命を取り止めたそうですが…。」
「え?生きているんでしょ?」
「あの事故からずっと意識が戻らないまま寝たきりだそうです。高額な延命治療を行なっているので、現在も生きてはいますが植物状態なのだそうです。」
はぁ~
そうため息を吐いて何とも言えない幸子に興信所の所員は更に調べた事を伝えた。
「小早川芳樹さんは現在本田仁氏の養子となっていまして、現在は本田芳樹となっておられます。だいたい毎週この大学病院に母親の見舞いに訪れているそうで…もし話しをするならこの病院で話されるのがいいでしょう…他はガードが固くて、とても話しが出来る様ではありません。」
「そうなの?普通に連絡先を教えて貰って電話して話せばいいのでは?」
「いえ…それは難しいでしょう。彼の立場はとても複雑みたいなので…。」
言葉を濁す彼に幸子は何も言えないでいた。
何だか不穏な感じがしたからだ。
ならば、彼が言った様に病院で芳樹と会うのが一番なんだろうと幸子は芳樹が病院に訪れる曜日と時間を聞いて、来週行くと決めた。
「病院って所はセキュリティがあっても普通の企業ビルに比べれば案外侵入しやすいです。外で待ち伏せしても話しは出来ないと思うので、幸子さんも小早川さんのお見舞いとして病室に入って芳樹さんを捕まえて下さい。それが一番確実だと思います。」
「分かりました。早く見つけてくれて助かりました!ありがとうございます。」
「いえいえ、私達は正規の料金頂いてますから!料金分働いただけですよ!また、何かありましたら声を掛けて下さいませ!」
「ふふふふ…一介の高校教師が調べて欲しい事なんて、そうそうありませんよ。」
「いえいえ…またのご利用お待ちしてます!」
「はい!ありがとうございます!」
こうして幸子は芳樹に会う為の準備が終わった。
久し振りに会う芳樹に全ての真実を渡す為に。
運命の歯車は確かに音を立てて動き出した。
************************************
短くて、ごめんなさい!
大変お待たせ致しました(;ω;)
お気に入り&お読み頂きありがとうございます。
小早川の叔父さんの手紙にあった本田仁という人をネットで検索したら直ぐにヒットした。
「本田コンツェルンの会長なんて一介の高校教師がアポなんて取れない!門前払いだよ…それにこの人が仁って人なのかも不明だし…。」
結局1年を通して多忙な高校教師の自分で探す能力も時間も無いと3ヶ月悩んだ
結果母の遺産からお金を捻出して興信所にお願いする事にした。
興信所も母のジャーナリスト仲間から紹介して貰って頼んだら芳樹を探すのに一週間程で探してくれた。
そして、その報告がされた場所で幸子の予想外な事が知らされた。
「ええ!!!奈津子叔母さん死んでないの!!」
「はい…事故の時咄嗟に旦那さんが庇った事で命を取り止めたそうですが…。」
「え?生きているんでしょ?」
「あの事故からずっと意識が戻らないまま寝たきりだそうです。高額な延命治療を行なっているので、現在も生きてはいますが植物状態なのだそうです。」
はぁ~
そうため息を吐いて何とも言えない幸子に興信所の所員は更に調べた事を伝えた。
「小早川芳樹さんは現在本田仁氏の養子となっていまして、現在は本田芳樹となっておられます。だいたい毎週この大学病院に母親の見舞いに訪れているそうで…もし話しをするならこの病院で話されるのがいいでしょう…他はガードが固くて、とても話しが出来る様ではありません。」
「そうなの?普通に連絡先を教えて貰って電話して話せばいいのでは?」
「いえ…それは難しいでしょう。彼の立場はとても複雑みたいなので…。」
言葉を濁す彼に幸子は何も言えないでいた。
何だか不穏な感じがしたからだ。
ならば、彼が言った様に病院で芳樹と会うのが一番なんだろうと幸子は芳樹が病院に訪れる曜日と時間を聞いて、来週行くと決めた。
「病院って所はセキュリティがあっても普通の企業ビルに比べれば案外侵入しやすいです。外で待ち伏せしても話しは出来ないと思うので、幸子さんも小早川さんのお見舞いとして病室に入って芳樹さんを捕まえて下さい。それが一番確実だと思います。」
「分かりました。早く見つけてくれて助かりました!ありがとうございます。」
「いえいえ、私達は正規の料金頂いてますから!料金分働いただけですよ!また、何かありましたら声を掛けて下さいませ!」
「ふふふふ…一介の高校教師が調べて欲しい事なんて、そうそうありませんよ。」
「いえいえ…またのご利用お待ちしてます!」
「はい!ありがとうございます!」
こうして幸子は芳樹に会う為の準備が終わった。
久し振りに会う芳樹に全ての真実を渡す為に。
運命の歯車は確かに音を立てて動き出した。
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短くて、ごめんなさい!
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お気に入り&お読み頂きありがとうございます。
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