39 / 96
異世界での転生
時間を稼ぐために
しおりを挟む
テールが身を呈し時間を稼いで僕を逃がす案を示す中、コールが突然現れて刺客をなぎ倒しながら僕達の馬車に近づき、声をかける。
「ニック様、お助けに参上しました!」
「コール、どうして?父上やオリビアは?」
「こっちに向かってますよ、俺は神速のスキル持ちなので一足先に駆け付けましたが」
「そんなスキルを!君もすごいな」
神速スキルはテールとの講義で速度に関するスキルと習ったことがあったが、まさかコールがそのスキルを持っていたとはね。
「おっと、ニック様、ゆっくり話している場合じゃないっスよ、早く逃げてガリアス様や姉上と合流してください」
「しかし、君だけで大丈夫なのか?敵の数は多いぞ」
「まだ、伏兵が潜んでいてニック様のお命を奪う算段を整えているかもしれません、ニック様周りの護衛は手厚い方がいいです」
「コール……」
敵の作戦をある程度想定して、僕や護衛を逃がす為に戻って来たのか、コール、やっぱり君は頼もしい従士だ。
「テール様、ニック様をお願いします。それからホップン、ニック様をしっかり守ってやってくれ」
「分かったわ、コールも機を見て離脱してね」
「キュ……キュン!」
「ええ、速さは一級品なのでね、その表情は任せろって事だな、頼むぜホップン」
ホップン、あんなにコールを嫌っていたのに、いやあくまでも僕を守る為にコールに任せる事にしたんだろうな。
「おらおら、お前らようく聞きやがれ、我こそはニック・テリナン様の従士、コール・ガニアンだ!ニック様のお命が欲しければまず俺を倒すんだな!」
口上と共にコールは槍を持って刺客を突き、更にはその槍で勢いよく敵を叩いていた。
「今です、ニック様隙ができました」
「ああ、馬車を出してくれ」
「はっ!」
御者に指示を出し、馬車を動かすと刺客を数名撥ねてそのまま前方の父と合流する為に移動を開始した。
「くそ!逃がすな追え!」
「待てよ、さっきも言っただろう俺を倒してからにしろって」
「くっ、このガキが!」
コールが敵を引き付けている何名かは追いかけてくるが馬車を包囲するほどの人数はいなくて、どうにかまいたな。
「ふう、どうにかまけたか」
「いえ、油断は禁物です、コールの申すように伏兵が潜んでいるかもしれないのでニック様も周囲の警戒を怠らないように」
「ああ、分かったよ」
とりあえず僕達は伏兵に備え周囲を警戒するが襲撃の気配はなさそうだ。
「ん?テール!あの馬車って!」
「ええ、ガリアス様の馬車ですね」
父上の馬車と合流できそうだ、あとはコールだな。
「ニック様、お助けに参上しました!」
「コール、どうして?父上やオリビアは?」
「こっちに向かってますよ、俺は神速のスキル持ちなので一足先に駆け付けましたが」
「そんなスキルを!君もすごいな」
神速スキルはテールとの講義で速度に関するスキルと習ったことがあったが、まさかコールがそのスキルを持っていたとはね。
「おっと、ニック様、ゆっくり話している場合じゃないっスよ、早く逃げてガリアス様や姉上と合流してください」
「しかし、君だけで大丈夫なのか?敵の数は多いぞ」
「まだ、伏兵が潜んでいてニック様のお命を奪う算段を整えているかもしれません、ニック様周りの護衛は手厚い方がいいです」
「コール……」
敵の作戦をある程度想定して、僕や護衛を逃がす為に戻って来たのか、コール、やっぱり君は頼もしい従士だ。
「テール様、ニック様をお願いします。それからホップン、ニック様をしっかり守ってやってくれ」
「分かったわ、コールも機を見て離脱してね」
「キュ……キュン!」
「ええ、速さは一級品なのでね、その表情は任せろって事だな、頼むぜホップン」
ホップン、あんなにコールを嫌っていたのに、いやあくまでも僕を守る為にコールに任せる事にしたんだろうな。
「おらおら、お前らようく聞きやがれ、我こそはニック・テリナン様の従士、コール・ガニアンだ!ニック様のお命が欲しければまず俺を倒すんだな!」
口上と共にコールは槍を持って刺客を突き、更にはその槍で勢いよく敵を叩いていた。
「今です、ニック様隙ができました」
「ああ、馬車を出してくれ」
「はっ!」
御者に指示を出し、馬車を動かすと刺客を数名撥ねてそのまま前方の父と合流する為に移動を開始した。
「くそ!逃がすな追え!」
「待てよ、さっきも言っただろう俺を倒してからにしろって」
「くっ、このガキが!」
コールが敵を引き付けている何名かは追いかけてくるが馬車を包囲するほどの人数はいなくて、どうにかまいたな。
「ふう、どうにかまけたか」
「いえ、油断は禁物です、コールの申すように伏兵が潜んでいるかもしれないのでニック様も周囲の警戒を怠らないように」
「ああ、分かったよ」
とりあえず僕達は伏兵に備え周囲を警戒するが襲撃の気配はなさそうだ。
「ん?テール!あの馬車って!」
「ええ、ガリアス様の馬車ですね」
父上の馬車と合流できそうだ、あとはコールだな。
202
お気に入りに追加
980
あなたにおすすめの小説
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
勇者召喚に巻き込まれた俺はのんびりと生活したいがいろいろと巻き込まれていった
九曜
ファンタジー
俺は勇者召喚に巻き込まれた
勇者ではなかった俺は王国からお金だけを貰って他の国に行った
だが、俺には特別なスキルを授かったがそのお陰かいろいろな事件に巻き込まれといった
この物語は主人公がほのぼのと生活するがいろいろと巻き込まれていく物語
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍2巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる