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異世界での転生
出立前の挨拶
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テールよりオリビアとコールの姉弟が父親であるガニアン卿と共に魔物の調査、討伐に向かっていると聞いた翌朝、僕は朝食を終えて使用人のミアより上着を受け取っていた。
「ニック様、こちらをどうぞ」
「ありがとうミア」
「本日はテール様と共にオリビア様、コール様の魔物討伐をお助けに向かうのですね」
「テールの話を聞く感じ、救援というより僕に実際の軍事行動を見て覚えてもらうという印象があるかな」
ガニアン卿、オリビア、コール、テールの話だと彼らの力量をもってすれば領内の魔物はそれほどでもなさそうだし、僕は本当に視察をするという感じだ。
「ニック様、お迎えにあがりました」
「テール、それじゃあ父上に出立のご挨拶をしよう」
「はい」
出発前に父に出立の挨拶をする、一応これは慣わしらしいし、僕は挨拶の為に父の執務室の前まで移動し、扉越しに父に話しかける。
「父上、ニックにございます、テール・オリビンを伴い参りました」
「ガリアス様、テール・オリビンにございます、お目通りをお許しいただき参上しました」
「入るがよい」
父にそう促されて僕とテールは父の執務室に入室し、今回の出立前の挨拶をした。
「父上!これよりニックはテール・オリビンを伴いガニアン卿の領内を荒らす魔物の討伐に向かう次第であります」
「ガリアス様、我が命に代えてもニック様をお守りいたします!」
「ふっ、随分仰々しいがニックにとってのいわば見学のようなものであろう」
僕達は緊張しながら口上を述べるが父は落ち着いた口調で僕達のというよりテールの考えを見抜いていたようだ。
「ええ、ですがニック様にとってはもしかしたら初陣になるかもしれないと思いましたので」
「初陣は儀式のような部分も兼ねておるが良かろう、ニックお前にとっての初陣とするがよい」
「はっ!ありがたき幸せにございます!ですが私やテールは交戦しない可能性がありますが」
「儀式のようなものと申したであろう、無理に交戦の必要はない」
貴族にとっての戦いは儀式のようなものなんだな、本格的な戦いはオリビア達に任せればいいのか。
「それでは父上、行って参ります!」
「私も参ります」
「うむ、ニック気を付けるのだぞ、テール、ニックを頼むぞ」
「「はっ!」」
執務室から出て、既に僕の護衛兵とテールが引き連れている兵が集まっており、1人の兵が馬を引いて僕の元に近づいていた。
「ニック様、馬にお乗りください」
「ゲイン、頼むよ」
「はい、このゲイン、ニック様をお守りいたします」
彼はゲインと言って、僕の出産の際に立ち会ったキャシーの旦那さんでミアのお父さんだ、頼りになるベテラン兵らしい。
「ニック様、こちらをどうぞ」
「ありがとうミア」
「本日はテール様と共にオリビア様、コール様の魔物討伐をお助けに向かうのですね」
「テールの話を聞く感じ、救援というより僕に実際の軍事行動を見て覚えてもらうという印象があるかな」
ガニアン卿、オリビア、コール、テールの話だと彼らの力量をもってすれば領内の魔物はそれほどでもなさそうだし、僕は本当に視察をするという感じだ。
「ニック様、お迎えにあがりました」
「テール、それじゃあ父上に出立のご挨拶をしよう」
「はい」
出発前に父に出立の挨拶をする、一応これは慣わしらしいし、僕は挨拶の為に父の執務室の前まで移動し、扉越しに父に話しかける。
「父上、ニックにございます、テール・オリビンを伴い参りました」
「ガリアス様、テール・オリビンにございます、お目通りをお許しいただき参上しました」
「入るがよい」
父にそう促されて僕とテールは父の執務室に入室し、今回の出立前の挨拶をした。
「父上!これよりニックはテール・オリビンを伴いガニアン卿の領内を荒らす魔物の討伐に向かう次第であります」
「ガリアス様、我が命に代えてもニック様をお守りいたします!」
「ふっ、随分仰々しいがニックにとってのいわば見学のようなものであろう」
僕達は緊張しながら口上を述べるが父は落ち着いた口調で僕達のというよりテールの考えを見抜いていたようだ。
「ええ、ですがニック様にとってはもしかしたら初陣になるかもしれないと思いましたので」
「初陣は儀式のような部分も兼ねておるが良かろう、ニックお前にとっての初陣とするがよい」
「はっ!ありがたき幸せにございます!ですが私やテールは交戦しない可能性がありますが」
「儀式のようなものと申したであろう、無理に交戦の必要はない」
貴族にとっての戦いは儀式のようなものなんだな、本格的な戦いはオリビア達に任せればいいのか。
「それでは父上、行って参ります!」
「私も参ります」
「うむ、ニック気を付けるのだぞ、テール、ニックを頼むぞ」
「「はっ!」」
執務室から出て、既に僕の護衛兵とテールが引き連れている兵が集まっており、1人の兵が馬を引いて僕の元に近づいていた。
「ニック様、馬にお乗りください」
「ゲイン、頼むよ」
「はい、このゲイン、ニック様をお守りいたします」
彼はゲインと言って、僕の出産の際に立ち会ったキャシーの旦那さんでミアのお父さんだ、頼りになるベテラン兵らしい。
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