補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

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目指せSランク

目指せビーズの街!

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 パックの街でドットが渡してくれた地図を頼りにたどり着いた先では、ドットの師であるゴーンの工房は存在せず、代わりに料理店が建っていた。

 戸惑いつつもニラダ達『成長しあう者達』は入店し、客入りが減ったタイミングで料理店の店主に声をかける。

「あの、すいませんお店に入る時に聞きたい事があると言ったんですが、そろそろいいですか?」
「そういえばそんな事言ってたね、今だったらお客さんの流れに一区切りがついたし、いいよ」
「ありがとうございます。実は……」

 ニラダは現在料理店が建っているところにかつて武器工房があり、そこで鍛冶をしていたゴーンを尋ねてきたことを話し、ニラダの話を聞いた店主は返答をする。

「ゴーンさんか、あの人なら10年ほど前に亡くなったよ」
「10年、もうそんなに経っているのか……」
「ああ、亡くなる少し前に独立して店をどこに開こうか悩んでいた私に自分の工房を取り壊してこの土地を譲ってくれたのには感謝しているよ」
「そうですか。それじゃあゴーンさんの息子さんであるゲンさんがどこにいらっしゃるかは分かりますか?」

 ゴーンが既に他界していた事を知ったニラダは少し落胆するが、すぐにゲンの居所を店主に尋ね、店主はその事にも返答をする。

「ゲンさんは今は別の街で工房を開いているって聞いたね、それも冒険者ギルドのあるビーズの街で」
「ビーズの街か、俺達が登録している冒険者ギルドの管轄外の街だな」
「でも私達ってまだデデンの街のギルドの管轄内でしかクエストを受けられないんでしょ、行って大丈夫なの?」
「街に行って、鍛冶の依頼をするだけなら問題ないはずよ」
「だが、その息子もそこに住んでいる以上、その街の冒険者を優先するはずだ、ニラダの剣をやってくれるかどうか……」

 ビーズの街はデデンの管轄外であり、別の冒険者ギルドが管轄している街であり、そこに在住しているゲンがニラダの依頼を受けてくれるかどうかは不明な点が多い。

「教えていただきありがとうございます、みんな、とりあえず行くだけなら問題ないし行ってみよう」
「うん、ここまで来たし、今更引き返せないよね」
「とりあえず、そこの冒険者とトラブルだけはおこさないようにしましょう」
「まあ、断られたらまたその時考えりゃあいいか」
「あんた達冒険者だったのか、管轄外でも頼りにされるとはゲンさんもすごい人だね」

 新たにゲンの居所がビーズの街だと知ったニラダ達は一路ビーズの街を目指す。
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