上 下
149 / 192
目指せSランク

協力とお願い

しおりを挟む
 ティアが新たなスキル『逆転効果ターンエフェクト』を習得した事を知ったニラダは効果のすごさに感心しながらも実戦でどれだけ通用するかが重要だと主張し、自分達が強くなる事の大事さを訴える。

 そんな中ミヨモより剣の師匠をAランク冒険者であるカイルにお願いしてはどうかという提案が出て、ニラダは驚く。

「ちょ、ちょっと待ってくれミヨモ、カイルさんに剣の師匠をお願いするだって?」
「うん、だってあの人、剣を装備していたし、Aランク冒険者からなら学べる事が多いんじゃないかな」
「だけど、いきなりお願いして失礼じゃないかな、今日知り合ったばかりだし」
「でもニラダ君、ケンさんには会ってすぐお願いしてたじゃない」

 ニラダはミヨモの提案にいきなりカイルにお願いするのは失礼ではないかと反論するが、ミヨモからは拳法の師匠であるケンには会ってすぐお願いした事を指摘されるが、その理由についても話す。

「ほ、ほらあれはケンさんと一緒に戦ってさ、その互いの実力とかが見極められたからだし、事前にジャンとも知り合っていたのも大きかったからだよ」
「なんか、後付けの言い訳っぽく聞こえるよ、何も私は無条件で教えてもらえばいいって言ってないし、教えてもらう代わりにニラダ君、ううん、私達があの人の為になにかできる事をすればいいんじゃないかな」
「だけど、俺達からあの人に与えられるメリットがそうあるとは思えない、俺達も手にしていないアイテムだって所有しているだろうし」
「私は色々あると思うけどな、例えばドットさんを紹介してみるとか?」
「ドットおじさんか、素材がたまって処理に困っているならありかもしれないな」

 ミヨモよりドットを鍛冶師として紹介してみてはという案にニラダは少し思案してみた、ドットの鍛冶の腕は確かではあるし、もしまだカイルがドットに会った事がなかったら紹介するのも一つの手と考えている中、ミヨモからもう1つ別の案が提示される。

「あとは、これはあんまり自信ないんだけど、あの人のクエストにも協力できないかなって思っている」
「クエストに協力?」
「うん?カイルさん、前に協力してくれた人達がクエストで死んで悔しい思いをしているし、私達がその人達程強いかは分からないけど、一緒に悔しさを晴らせないかなって……」

 ミヨモの表情を見てニラダも思う事があった。それはギガングに遭遇した時、最善は尽くした自信はあるが運よく全員生き残れたという自覚がある事、そしてカイルにとっては自分だけが生き残ってしまった無念さと罪悪感がある事、それらを晴らす協力もできないかとニラダも考えつつあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

鑑定能力で恩を返す

KBT
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。 彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。 そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。  この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。  帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。  そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。  そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...