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ハイ・デュラハン

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 ガーゴイルの空からの攻撃を凌いだニラダ達『成長しあう者達』はその後、赤い木々から龍の葉の採取に成功し、ニラダの提案で山を下りる事となった。

「とりあえず龍の葉は手に入れたし、このまま山を下りてギルドに戻ろう」
「そうね、さっきのガーゴイルがどこかでまた武器を調達してこないとも限らないものね」
「もう少し欲しかったが仕方ないな」
「とりあえず来た道を戻ろう、今下りればガーゴイルは追ってこないよ」

 全員、山を下りる事には賛成であり、早速下山を開始する。ニラダが先頭に立ち、後方の警戒をジャンがする事となり、移動をしていく。

 山の出入り口付近に近づき、どうにか魔物とも遭遇しないですんだかに思えたがどこからともなく声がしてきた。

「その葉を置いていけ」

 突如聞こえた声にニラダは反応し、声の主に呼びかける。

「どこだ!出てこい!」

 ニラダが声の主に返答すると、その声の主らしき者がニラダ達の前に姿を現すが、その人物の姿に驚きを隠せないでいた。

「あれは、首がない、デュラハンか!」
「デュラハン?」
「首のない騎士の魔物よ、ただデュラハンは個体としての数は少ないはずよ」
「その通り、それに私はデュラハンの中でも上位の存在であるハイ・デュラハンのギガングだ」

 ニラダ達の前に現れた魔物はデュラハンでしかもハイデュラハンに位置付けられ、ギガングと名乗っていた。

「魔物が自らの個体名、しかも人間の言葉を話すという事は……」
「ふっふっふっ、その通り、かつて魔王様にお仕えし、人間共を恐怖にさらしてやったのだ」
「そうすると、この龍の葉の採取クエストの達成率が低かったのはギガング!お前がこのクロスマウンテンに常駐していたからなのか?」
「その通り、龍の葉など人間風情にはもったいない代物だからな」
「ほう行ってくれるじゃねえか、せっかくだしそのわけを聞かせてもらおうじゃねえか」

 龍の葉は人間にもったいないと言い放ち、その理由をジャンから尋ねられるとギガングは返答をする。

「この龍の葉でケガや病気を治し、病への耐性を身に付けたところで貴様ら脆弱な人間はしょせん我らに滅ぼされる運命だからな」
「俺達人間を下等だと見下してくれるが、その脆弱な人間から生まれた勇者にお前達の主は滅ぼされた事を忘れていないだろうな」
「ふっ、確かに魔王様は勇者に滅ばされた、だが勇者たる存在がいない今、お前達が我らに滅ぼされる事は避けられまい」
「俺達を滅ぼす気か、ならば俺達を帰す気はないんだな?」
「龍の葉を置いていけばこの場だけは見逃してもいいが、どうする?」
「そうか……ならお前を倒して帰るしかないな!」

 突如かつて魔王に仕えていたハイ・デュラハンのギガングと遭遇したニラダ達だが倒す事での突破を試みることとしたのである。
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