上 下
65 / 192
パーティーランクを上げろ

新しいクエスト

しおりを挟む
 ニラダの昔なじみである鍛冶師ドットより新しい装備を制作してもらい受け取ったニラダ達はドットの工房をあとにし、今後の方針について話しながら歩いていた。

「みんな、そろそろ他の街のクエストを受けてみないか、今ならアイテムも大量に買えるし、他の街での宿泊代も十分なはずだ」
「うん、せっかくランクが上がったんだし、1度どんな感じか試す意味でも受けた方がいいと思うな」
「俺もいいと思うぜ」
「そうね、1度どんなクエストがあるか見せてもらうだけでもいいかもしれないわ」

 全員がそろそろ他の街でのクエストを受けた方がいいのではないかという考えが一致し、ティアの提案でまずはどんなクエストがあるかを確認する為に一同はギルドまで向かう。

 ギルドに到着すると、まずニラダが受付に向かい、受付嬢に声をかける。

「こんにちは、すいません、『成長しあう者達』が今受けられるクエストを見せてもらってもいいですか?」
「はい、こちらがリストになります」
「ありがとうございます」

 そう言って、ニラダはリストを受け取り、仲間達がテーブルに座って待っていたため、リストを手分けして確認し、どういうクエストがいいかを話し合う。

「やっぱり基本的なクエストはここと同じで、ダンジョン探索や薬草採取、魔物退治と言ったところか」
「それも良いけど、せっかく別の街でのクエストだし、他になんかないか?」
「そうだな……」

 基本的なクエストはあまり変わらないが、どうせなら他に何かないかと考えながらニラダ達は探していると、その時にミヨモがあるクエストが気になり、それをニラダ達に告げる。

「ねえねえ、みんなこれなんていいんじゃない?」
「どれどれ、『洪水被害の村に食料を届ける:ビクの村が洪水にあい、現在復興作業が進んでいるが、村人並びに復興作業員が十分食事を摂れていないので、食事の運搬と炊き出しを行う』」
「ちょっと待てよ、普通こういうのは領主が自分の部下を派遣するなりしてやるものじゃないのか、こういうのも冒険者の仕事なのか?」
「人手は多いに越したことがないのよ。それ冒険者って体力や身体能力はずば抜けているし、野営も得意者が多いし、炊き出しももってこいなのよ」

 今までにないクエストにジャンは戸惑いながらもティアに諭される、そんな中受けるべきかどうか考え込むニラダにミヨモが話しかける。

「ねえ、ニラダ君受けてみようよ、今のままじゃ復興が遅れる村があるんだよ」
「……分かった、このクエストを受けよう」

 Cランクパーティーになった『成長しあう者達』にとって初のクエストは食料配給である。果たして?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

鑑定能力で恩を返す

KBT
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。 彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。 そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。  この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。  帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。  そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。  そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

処理中です...