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パーティーランクを上げろ

お宝の前に

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 次の戦闘は補助魔法を使わずにどこまで通用するかを試したいと仲間達に話すニラダに対し、仲間達は補佐する体制を作りながら了承し、ニラダは意気揚々と先へと進む提案をする。

「さあ、みんなそろそろ先へ進もうか」
「ジャン、お宝の場所に案内を頼む」
「おう」

 ニラダの懇願により再度ジャンは先頭に立ち、お宝がある場所へと案内をしていく。

「ニラダいきなり張り切っているわね、あんなニラダ見た事ないわ」
「うん、私もそう思う。でもきっとニラダ君も冒険者として自力で魔物と戦えるようになったのが嬉しいのかもしれない」
「自力でっていっても、スキルや補助魔法だって立派なニラダ自身の能力だと思うし、ニラダだってそれを活用して戦ってきたわけだしね」
「……多分だけどニラダ君、ずっと悔しかったと思うの」

 ミヨモはずっとニラダは悔しがっていると思っていたと話し、それについてティアも言及する。

「それって、補助魔法しか使えなくてパーティー加入を断られたってやつ」
「それだけじゃなくて、剣を持って戦う事をバカにされたりもして、いろいろ鬱憤も溜まっていたようなの」
「そうだったの、私はむしろその能力の話が拡がって、逆に加入のスカウトがないって話したのに」
「それでも最初の仕打ちがずっと頭にあって、魔法使いということもあって、素の能力はさほど伸びないとも思っていたから、なんでか分からないけど今のように戦えるのが嬉しいんじゃないかな」

 原因は別としてもニラダ自身が補助魔法を使わずに戦えるようになっている事がニラダ自身の喜びになっているんじゃないかという考えを話すミヨモにティアも共感を示す。

「あなたの言う通りかもしれないわ、もしもニラダの鬱屈していた気持ちが晴らされるなら、それは仲間として私達も嬉しいもの」
「ティアさん」
「でも、それはそれとしてみすみすリーダーを危険にさらすわけにはいかないから、ここは全力でフォローしないとね」
「うん、もちろんだよ」

 ミヨモとティアが話している間にジャンがお宝の場所に案内していると宝箱らしきものが目に入る。

「お、あったぜ!あれがこの階層のお宝だ」
「待ってくれ、ジャン。何か来るぞ」

 ニラダがそう言うとそこには大きな赤い身体のオーガが現れ、大きな棍棒も装備していた。

「あれはレッドオーガか……」
「レッドオーガ?」
「オーガの一種で、以前戦ったグリーンオーガよりも一回り身体が大きいし、力だって……」
「さて、補助魔法なしでどこまで通用するかな」

 そう言って、ニラダは剣を抜き、レッドオーガと対峙する。果たしてどう立ち向かうのか?
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