上 下
39 / 192
冒険者デビュー

捕まえる方法

しおりを挟む
 冒険者を襲う盗賊団を捕まえる為、ニラダ達は盗賊専門の盗賊であるジャンに依頼をし、街中の食事処で今後の動きに関する方針について話し合いをしていた。

「ジャンさんの協力を得られたのはいいけど、肝心の盗賊団の動きをどうやって掴むかね」
「ああ、今はほとんどの冒険者が緊急クエストを受けているから、クエスト直後に冒険者を襲うという手は使えないようだな」
「じゃあ、あきらめてどっかに逃げたのかな?」

 ミヨモは冒険者のほとんどが盗賊団を捕まえようと躍起になっている空気を盗賊団も感じて既に離脱した可能性を口にするが、それに対しジャンが意見を述べる。

「それも半分はあり得るが、もう半分の可能性で襲う方法を変えるというのがあるな」
「どういうことだ?」
「奴らが自分達が狙われているのを逆手に取り、逆に冒険者を罠にはめようとする可能性もあるって事だ」
「奴らは魔石や他の持ち物を狙っているし、今は通常のクエストも受けていない冒険者が多いから魔石は期待できないだろう」

 現在多くの冒険者は魔石を手に入れられる通常のクエストを受けていない為、盗賊団も魔石を手に入れられないと主張するが、ジャンはまた別の考えを話す。

「魔石を買い取ってくれる闇の業者の話なら俺も聞いた事はある、だがそいつらがそこと取引ができないんじゃ方針を変える事は何もおかしくない」
「なるほど、つまり冒険者の現金や持ち物を直接狙う方針に切り替えるかもしれないってわけだな」
「あくまでも可能性の問題だがな」
「奴らを捕まえるにはあえて奴らの罠にはまるのも手だという事だな、しかしどうすればいいんだ?」

 ニラダはあえて盗賊団の罠にはまるのも手であると考えつくが具体的な手が思いつかず、悩むがジャンがニラダに声をかける。

「それについては考えがある。冒険者が襲われた場所をまず教えてくれるか?」
「それならこことここと……」
「ふんふん、ああ、なるほどな、それなら……」

 ニラダが地図で冒険者が襲われた場所を示すと、ジャンはその場所を見て何か思いつき、その作戦をニラダ達に伝える。

 そしてその夜、ある森の近くをニラダ、ミヨモ、ティアが歩いて移動していた。ジャンの姿は見当たらない。3人でしばらく歩いていると、ニラダが紐らしきものに足が引っ掛かり、そのまま木の上に吊り下げられてしまう。

「ニラダ君!」
「ニラダ!」

 ニラダを心配するミヨモ達に対してどこからともなく矢が放たれ、ティアはミヨモの手を引きながらその矢から距離をとる。

「こんな簡単にひっかかるとはな、やっぱりまだヒヨッコ冒険者か」
「出たわね盗賊団」

 遂に現れた盗賊団、ニラダ達は捕縛する事ができるのか?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

鑑定能力で恩を返す

KBT
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。 彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。 そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。  この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。  帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。  そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。  そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

処理中です...