理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

文字の大きさ
上 下
248 / 273
異世界で仲間が増えました

国王との会談

しおりを挟む
 コーロ地方領主のバートン氏の屋敷でビルディス王国の王様とリハビリ等について話す為に俺は呼ばれて屋敷に赴くと、程なくしてビルディス国王、ダリアス陛下も屋敷に到着した。

 お忍びの為か衣服はラフ、いや、それでも俺から見たら十分に高級だとは思うが、たたずまいから王族らしい気品を感じる。

 俺が王様の発する空気に少しのまれていると、領主様が王様に声をかける。

「お久しゅうございます、陛下」
「久しぶりだな、バートン。この度は大儀であったな」
「めっそうもございません、陛下の御為ならば屋敷を会談の場に提供するのは当然でございます」
「ふむ、して、あの者がユーイチ・ミヤシタか?」

 そう言って王様は俺に近づいて声をかける。

「貴殿がユーイチ・ミヤシタだな?余はこのビルディスの国王ダリアスである」
「お、お初、お目にか、かかります。私はユーイチ・ミヤシタと申し……ます、です」
「どうした言葉がおかしいぞ、少し落ち着かれよ」

 俺の緊張を見抜き、中々言葉がまとまらない俺に対し、王様は落ち着くよう声をかけるが、さすがにその言葉だけでは落ち着かず、そんな状況で領主様が王様に声をかける。

「無理もございませぬ、ミヤシタ殿も陛下の威厳に緊張しているのでしょう」
「……むう、そうか。バートン、早速ではあるが会談の為の部屋への案内を頼む」
「到着されたばかりですし、少しお休みになってはいかがでしょうか?」
「いや、余は王としてこの者より話を聞かねばならぬ。そもそも余がこの者を呼び出したのだからな」

 俺の緊張を理解しながらも、まずは話を聞く事を優先するのか、まあ俺としてもすぐに本題に行ってくれるのはありがたい。話さえ終われば少しはゆっくりできそうだしな。

 そう考えている内にバンさんが王様と俺に声をかけ、部屋の案内をかってでた。

「それでは陛下、ミヤシタ様、お部屋に案内いたします」
「うむ」
「はい」

 そして俺達はバンさんに部屋まで案内される。

 部屋の前に到着するとバンさんが俺達に対して声をかける。

「こちらになります、御用があればお申し付けください」
「ご苦労であった」
「陛下、私は……」
「お前は外で待っていろ、この者が余に危害は加えんだろうし、万一のことあらばすぐに呼ぶ」

 護衛の人は扉の前か、とにかく話すなら俺と2人でという事か。

 こうして王様と俺は案内された部屋に入室し、早速王様の方から声をかける。

「まあ、座るがよい。と言っても余の城ではないがな」
「は、はあ」
「早速だがゴルより聞いた話で確認したい事がある。お前は異世界から転移してきたようだな?」

 いきなりそこからか?俺が異世界人って事でどうするつもりなんだ?
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!

べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!

異世界楽々通販サバイバル

shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。 近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。 そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。 そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。 しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。 「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます

ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。 何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。 生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える そして気がつけば、広大な牧場を経営していた ※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。 7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。 5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます! 8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

処理中です...