理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

日程の知らせ

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 ゴルさんから王様が俺の話に興味を持ち、お忍びでこの街に来て、俺の話を聞きたいという知らせを聞いてから3日が経過したが、まだ何の連絡もなかった。

 その日も午前の診療は終わり、今日は往診日だったので、リハビリが必要な家に向かっていった。

 リハビリの帰りに診断書の提出の為に詰所に立ち寄ると、そこでアレフさんに例の件での追加情報を知る事になった。

「ふむ、今回の診断書を受け取ろう、それからミヤシタ殿、来たのならば貴殿に知らせねばならぬ事がある」
「はい、何でしょうか?」
「既にゴル殿から話は聞いているであろうが、国王陛下が貴殿の話を聞きたいとおっしゃっている」
「はい、それはゴルさんから聞いています」

 ここまではゴルさんから聞いた話だが、更なる続報がアレフさんから聞かされる。

「陛下はお忍びでこの街にいらっしゃるとおっしゃっており、その日程と場所が領主様にお伝えされたので私から君に伝えよとの事なのだ」
「それでいつどこでですか?」
「次の診療所の休みの日、領主様のお屋敷でだ、その日にお屋敷に来てもらう事になるぞ」
「はい、分かりました」

 アレフさんから領主様の屋敷で王様と非公式で会談をする事になった事を聞かされ、今から緊張で震えあがりそうになったが、その場は平静を装い、その場をあとにする事とした。

 ただ、王様がこの街にお忍びで来る件はミミ達にも内緒にしなくてはいけないからな。とはいえ、あいつらなら診療所が休みの日でも診療所に来かねないし、王様の事は伏せつつ予定がある事は言っておいた方がいいだろう。

 午後の診療が終わり、ミミ達も退勤していく中、俺はとりあえずはその旨を伝えた。

「あ、そうだミミ、ミーザ、実はさ今度の診療所が休みの日に領主様の屋敷に呼ばれたんだよ」
「そうなの、またぷれぜんってやつ?」
「まあ、そんなところだな」

 ある意味ウソは言っていないし、ゴルさんもお忍びの件は外にもらしてはいけないって言ってたからな。

「もしかして最近、療養部屋を造ったので、それの増築のお話ですか?」
「その件だけじゃなくて、最近の色々についても聞きたいようだ」
「そうなんですね、領主様もやはりユーイチ様の事をとても気にかけておられるのですね」

 領主様どころか王様なんだけどね、しかし良く考えると俺が想像する王様よりよっぽどフットワークが軽いよな。

 なんとなくお城でワインでも飲みながら部下の報告を待って、「良きに計らえ」とかいうイメージだったが、俺のようにある意味得体のしれない人物の話を聞こうって考えているようだしな。
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