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異世界で仲間が増えました
いざお祝いへ
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何とか午後の診療も無事に終了し、俺達はメルの店に行く為に身支度も終え、いよいよ出発の時が来た。
「さあ、ミミ、ミーザ、準備ができたならそろそろ行くぞ」
「はい、そろそろ参りましょう」
「そうだね、先にギベルトが着いているかもしれないし」
俺の呼びかけにミミとミーザは応じて診療所を出て、一路メルの店へと向かう。
歩いている途中でミーザが俺に声をかける。
「ねえユーイチ、アレフさんの提案を領主様が受け入れてくれたらユーイチは次はどこのお店にお願いしようと思っているの?」
「まだ、そこまでは考えていないな、協力報酬があればやってもいい店は出てくるかもしれないが、基本的には主食や主菜、副菜をバランスよく作れるところだな」
「そうなんだ、結構仲いいけどユーリ君のパン屋には頼まないって事だよね?」
「まあ、さすがにパンしか作らないお店に頼むのは難しいかな」
総菜パンや菓子パンみたいなものも作ってはいるようだが、リハビリ中の食事メニューをそれらのパンだけで補うのは大変だよな。
もちろん仲の良い人に協力して欲しい気持ちもないわけではないけど、ユーリ君はお婆さんとの生活があるし、そもそも実際に協力してくれるかどうかを決めるのは親方さんだしな。
ミーザとそういう話をしていたら後ろから声が聞こえてきた。
「おーーーい!みんな!みんなもあの店に向かう途中だよな⁉」
「ギベルト」
「ギベルト様」
「あんた、思ったより早く出ていたんだね」
俺達の後ろから声をかけたのはギベルトであり、俺達の反応、というよりミーザの言葉に返答をする。
「まあな、ミミから聞いてペースを上げて今日の仕事は早めに終わらせたからな」
「それで雑な仕事をして依頼人から怒られないでよね」
「おいおい、俺がそんなヘマをするかよ」
ミーザとギベルトがやり取りをしている中、俺はギベルトに今日のプレゼン結果を教えようと思い、声をかけた。
「そうだ、ギベルト、今日のプレゼン結果の事だけど」
「おお、どうだったんだ?」
「とりあえず試験的にまずは一家庭でリハビリ用の食事メニューを提供してみてはと言われた」
「そっか!良かったじゃねえか!よーし!めでてえし今日は飲むぞ!」
ははは、やっぱりギベルトはそう来るか、どうやらこの口ぶりだとメルの店で夜には酒も出している事は知っているようだな。
「どうせ、ユーイチのプレゼンが通らなくても飲むつもりだったんでしょ」
「ばれたか、まあそん時はユーイチを慰める意味で飲んでいたかもな」
「それ何が違うのさ」
こいつらのやり取りを見て少しミミが微笑んでいる。この分だと祝いの席はもっと笑ってくれるかもな。
「さあ、ミミ、ミーザ、準備ができたならそろそろ行くぞ」
「はい、そろそろ参りましょう」
「そうだね、先にギベルトが着いているかもしれないし」
俺の呼びかけにミミとミーザは応じて診療所を出て、一路メルの店へと向かう。
歩いている途中でミーザが俺に声をかける。
「ねえユーイチ、アレフさんの提案を領主様が受け入れてくれたらユーイチは次はどこのお店にお願いしようと思っているの?」
「まだ、そこまでは考えていないな、協力報酬があればやってもいい店は出てくるかもしれないが、基本的には主食や主菜、副菜をバランスよく作れるところだな」
「そうなんだ、結構仲いいけどユーリ君のパン屋には頼まないって事だよね?」
「まあ、さすがにパンしか作らないお店に頼むのは難しいかな」
総菜パンや菓子パンみたいなものも作ってはいるようだが、リハビリ中の食事メニューをそれらのパンだけで補うのは大変だよな。
もちろん仲の良い人に協力して欲しい気持ちもないわけではないけど、ユーリ君はお婆さんとの生活があるし、そもそも実際に協力してくれるかどうかを決めるのは親方さんだしな。
ミーザとそういう話をしていたら後ろから声が聞こえてきた。
「おーーーい!みんな!みんなもあの店に向かう途中だよな⁉」
「ギベルト」
「ギベルト様」
「あんた、思ったより早く出ていたんだね」
俺達の後ろから声をかけたのはギベルトであり、俺達の反応、というよりミーザの言葉に返答をする。
「まあな、ミミから聞いてペースを上げて今日の仕事は早めに終わらせたからな」
「それで雑な仕事をして依頼人から怒られないでよね」
「おいおい、俺がそんなヘマをするかよ」
ミーザとギベルトがやり取りをしている中、俺はギベルトに今日のプレゼン結果を教えようと思い、声をかけた。
「そうだ、ギベルト、今日のプレゼン結果の事だけど」
「おお、どうだったんだ?」
「とりあえず試験的にまずは一家庭でリハビリ用の食事メニューを提供してみてはと言われた」
「そっか!良かったじゃねえか!よーし!めでてえし今日は飲むぞ!」
ははは、やっぱりギベルトはそう来るか、どうやらこの口ぶりだとメルの店で夜には酒も出している事は知っているようだな。
「どうせ、ユーイチのプレゼンが通らなくても飲むつもりだったんでしょ」
「ばれたか、まあそん時はユーイチを慰める意味で飲んでいたかもな」
「それ何が違うのさ」
こいつらのやり取りを見て少しミミが微笑んでいる。この分だと祝いの席はもっと笑ってくれるかもな。
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