理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

異世界で仲間が増えました

試食の案

　アレフさんの補佐官であるソフィアさんから弟さんの野菜嫌いについての相談を受け、その場で聞き取り調査をした結果、ソフィアさんとソフィアさんの家のお手伝いさんの料理を試食し、そこから改善案を考えてみる事を提案し、ソフィアさんも了承する。

「いろいろありがとうございましたミヤシタ様、またお手伝いさんと相談をしたうえで日程をお伝えに参ります」
「いえ、また別で困った事があったらご相談ください」
「ありがとうございます」

　ソフィアさんがお礼を言うと、続けてアレフさんも俺に対してお礼の言葉をなげかける。

「ご足労感謝する。今日は私も事情を聞いておく必要があり同席したが、今度からはソフィアや親族、関係者が話しに来るだろうからよろしく頼む」
「ええ、任せてください」
「では失礼する」
「それでは失礼いたしました」

　そう言ってアレフさんとソフィアさんが診療所をあとにすると食事の席に戻ってミーザがすぐに言葉を発する。

「あのさ、ユーイチ。思ったんだけどあのドレッシングの作り方をお姉さんに教えて、それで食べてもらえばいいんじゃないの？」
「一時的にはそれでいいかもしれないが、それでは根本的な解決にならない。ちゃんと野菜を食べやすくする味付けや調理法を考えてあげないと」
「そっかあ、いい考えだと思ったんだけどな」

　ミーザの言う事も分かるが、食べやすい調理法を探すのが一番いいと思う。でも待てよ？ソフィアさんの弟さん以外にも好き嫌いをしている子供も多くいるかもしれないな。よし、ソフィアさんとお手伝いさんの都合のいい日程が決まる前にちょっと調べてみるか。

「ミミ、明日は確か訪問治療の予定はなかったよな？」
「はい、ありませんが」
「俺も明日は往診がないし、少し手伝ってほしいことがあるんだがいいか？」
「私は構いませんが一体どういうことをするつもりなんですか？」

　ミミの疑問に対して俺は自分の考えをミミに伝える。

「街頭アンケートだ」
「街頭アンケート？」
「さっきのソフィアさんの弟さんだけでなく、他にも好き嫌いをしている子供が多くいるかもしれない、街中で聞き取って、そういった子達が野菜を食べて健康を維持できるようにするのも俺達の役割だと思わないか」
「それはいい考えですね、是非お手伝いさせてください」

　ミミが俺の考えに賛同してくれるとミーザにも一言話す。

「だから明日は午前の診療が終わってから午後までの診察時間までの留守を任せるぞミーザ」
「うん、頑張ってきなよ」

　さて、どのようなアンケート結果になるかな。