理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

ミーザの事情

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 ミーザと名乗る傭兵が俺の依頼内容についていろいろと話を聞きたいらしく、傭兵ギルドの応接室内で俺は説明する事となった。

「それじゃあ、まずはミーザ様がお尋ねしたい事をお聞かせ願いますか?」
「あ、その前に様つけはいいよ、あたしはそういうガラじゃないし。そもそも依頼人が傭兵に様つけするっておかしいじゃん」

 確かに言われてみればそうだが、一応日本じゃあ、就職の面接をする際も採用側は口調は丁寧なんだけどな。調

 まあいい、今まで依頼を受ける側だった俺が今日は依頼をする側だし、流儀は合わせるとするか。

「それじゃあ、ミーザさんが聞きたい事ってなんだ?」
「まず気になったのはさ、あんたらの依頼を受けるとキッコの街に行く事になることだよ、短期ならともかく長期でこれはどういう事かな?」
「実は俺達はキッコの街で診療所をやっていてさ、あ、診療所っていうのは……」

 ここで俺はミーザさんに診療所で何をしているのかを説明するとともに、ミミが聖女見習いで治療魔法が使え、俺が病気やケガで残った後遺症をスキルを使って取り除く事も含めて説明する。

 そして俺達が留守の間に泥棒に入られた事を話し、それを防止する為に傭兵を雇う必要ができた事も説明し、ミーザさんが言葉を発する。

「なるほどねえ、つまりあんたらの留守をあたしが守ればいいって事?」
「そうだな、だけど俺達が診療所にいる間ももちろん診療所を守って欲しいな」
「でもさ、キッコの街ってそれほど物騒じゃないし、留守を守るだけの為に6ヶ月も雇う必要があるの?」
「だからさ、診療時間中は簡単な手当もお願いする場合があるかもしれない。何しろ2人だけだし、人手はいるかな」

 俺が診療所やミーザさんの仕事内容について説明すると今度はミーザさんが自分の話をし始める。

「6ヶ月間も月払いで報酬がもらえるのはありがたいし、結構いい条件だとは思うよ」
「そうだろう、それに俺達とミーザさんの条件が合えば当然契約延長もありだとは思う」
「だけど、やっぱこの街を離れるのは少し抵抗あるかな」
「……もし良かったらその理由も聞かせてもらってもいいかな?」

 俺がどうもミーザさんは俺達の出す条件を良いとは思っても、街を離れることに抵抗があると言ったので思わず尋ねた。もちろん個人の事情に深く首を突っ込む気はないが、内容次第なら解決さえすればミーザさんと契約できるかもしれないし、一縷の望みにかけて聞いて見る事とした。

「おっ母が病気で……あたしが離れると1人になっちゃう」

 お母さんが病気⁉ここは俺達の出番だ!
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