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高校2年編
順位戦の重さ
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一輝と斉木の順位戦が関西将棋会館で開始され、序盤の駒組がゆっくりと進む。
一輝の居飛車と斉木の三間飛車という対抗系の形である。
一輝は斉木の攻めをけん制しつつ、穴熊へと組む。
一輝は完全に持久戦の展開を望んでおり、斉木も穴熊ではそう簡単に崩せないので攻め手を慎重に探す。
互いに時間を使いながら手を進めると昼食休憩の時間になる。
斉木は休憩時間になるとすぐに盤面を離れるが、一輝は盤面をしばらく見つめてから対局室をあとにする。
順位戦が行われている日は棋士が多くいる為、休憩室にある昼食の注文の品を探すのもひと苦労である。
「あれ、俺の頼んだきつねうどんはどこだ?」
「僕の親子丼は……あった!」
「すいません、私カレーを頼んだんですが、どこでしょうか?」
様々な声がする中、一輝も自分が頼んだ品を見つけ食べることとする。
昼食注文はとりあえず1度は全員に聞くが、中には注文せず自宅から弁当などを持ってくる者、コンビニ等で買ってきた物を食べる者、出前のリストにない店への買い出し等を頼む者、携帯食で済ます者等、実にさまざまである。
また、例え休憩時間であっても棋士は対局が終了するまで会館の外へ出ることが許されていない。
これも不正を防止する観点からの規定なのである。
一輝は休憩を終え、対局室に戻り、自分が対局を行っている盤の前に座って再開時間を待つ。
他の盤の前でも戻っている棋士がおり、再開時間を待っている。
対局相手の斉木八段も盤面に戻ってきて、対局再開時刻となる。
斉木の手番で休憩に入っていたが、その斉木もすぐには指さず、しばらく盤面を見ながら考えている。
座って考えるだけではなく、斉木は再び席を外し、対局室を出る。
一輝も斉木の考慮時間を利用して応手を座りながら考える。
しかし一輝もただ座って考えるだけでなく、席を外し、対局室を出る。
両者ともが盤面の前から姿を消した瞬間だ。
その後、先に斉木が戻ってきて、盤面を見て一手指す。
斉木が一手指してから数分してから一輝が盤面に戻ってくると、記録係に声をかけられる。
「指されました」
その声を聞いて一輝は盤面を見て変化を察し、応手を考える。
その後も手は進むものの、本格的な戦いは起こることなく、18:00となり、夕食休憩に入る。
プロ入りしてから既に半年以上の時が経過し、一輝も2日制を除くあらゆる持ち時間の将棋を経験してきたが、時間の長さ、そして対局相手やそれ以外の棋士から漂う空気を感じ、一輝は棋士達が順位戦にかける思いは他棋戦のそれとは違う事を実感する。
一輝の居飛車と斉木の三間飛車という対抗系の形である。
一輝は斉木の攻めをけん制しつつ、穴熊へと組む。
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互いに時間を使いながら手を進めると昼食休憩の時間になる。
斉木は休憩時間になるとすぐに盤面を離れるが、一輝は盤面をしばらく見つめてから対局室をあとにする。
順位戦が行われている日は棋士が多くいる為、休憩室にある昼食の注文の品を探すのもひと苦労である。
「あれ、俺の頼んだきつねうどんはどこだ?」
「僕の親子丼は……あった!」
「すいません、私カレーを頼んだんですが、どこでしょうか?」
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また、例え休憩時間であっても棋士は対局が終了するまで会館の外へ出ることが許されていない。
これも不正を防止する観点からの規定なのである。
一輝は休憩を終え、対局室に戻り、自分が対局を行っている盤の前に座って再開時間を待つ。
他の盤の前でも戻っている棋士がおり、再開時間を待っている。
対局相手の斉木八段も盤面に戻ってきて、対局再開時刻となる。
斉木の手番で休憩に入っていたが、その斉木もすぐには指さず、しばらく盤面を見ながら考えている。
座って考えるだけではなく、斉木は再び席を外し、対局室を出る。
一輝も斉木の考慮時間を利用して応手を座りながら考える。
しかし一輝もただ座って考えるだけでなく、席を外し、対局室を出る。
両者ともが盤面の前から姿を消した瞬間だ。
その後、先に斉木が戻ってきて、盤面を見て一手指す。
斉木が一手指してから数分してから一輝が盤面に戻ってくると、記録係に声をかけられる。
「指されました」
その声を聞いて一輝は盤面を見て変化を察し、応手を考える。
その後も手は進むものの、本格的な戦いは起こることなく、18:00となり、夕食休憩に入る。
プロ入りしてから既に半年以上の時が経過し、一輝も2日制を除くあらゆる持ち時間の将棋を経験してきたが、時間の長さ、そして対局相手やそれ以外の棋士から漂う空気を感じ、一輝は棋士達が順位戦にかける思いは他棋戦のそれとは違う事を実感する。
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