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プロ入り後秋から春
スペシャリスト
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竜帝戦6組ランキング戦3回戦、一輝と加瀬俊哉五段の対局が始まった。
先手番の加瀬がまず駒に手をやり、2六歩と飛車先の歩を伸ばしていく。
どうやら加瀬は居飛車で戦うつもりのようだ。
それを受け、一輝は8四歩と一輝も飛車先の歩を伸ばす。これは相居飛車戦となる模様だ。
迷わず加瀬は2五歩と更に飛車先の歩を伸ばしていく。
一輝もまた8五歩と飛車先の歩を伸ばす。
ここが作戦の分岐点ではあるが、加瀬は何の迷いもなく7八金と角の頭を守るために金を上げる。角道が開いておらず放置しておくと、角がただで取られるからこうして金で守るのだ。
一輝も角の頭を守るために3二金と上がる。
この戦形は相掛かりといい、互いに飛車先の歩を伸ばし、角道を閉じたまま進行する形だ。互いに攻撃性が高く、短手数で終わることも珍しくない形だ。
加瀬が最も得意戦形であり、先手番ではこの形を目指すことが多いのだ。
後手の一輝も避ける術として振り飛車にするなどがあったのだが、慣れないことを今下手にするよりは自身も指し慣れた相掛かりを受けた方が良いと判断し加瀬に追随したのだ。
次に加瀬が指した手は3八銀と銀を上がる手を選択した。従来はすぐに2四歩と突いてすぐに飛車先の歩を交換するのが主流であったが、最新系としては飛車先の歩の交換を保留して銀を上がることで含みを持たせることが主流となっているのだ。
当然一輝もそこは熟知しており、7二銀とあがる。
ここから実質的な相掛かりの作戦の分岐点になるが加瀬は迷いなく9六歩と端歩を突く。
一輝も9四歩と受ける。
ここで加瀬は待ってましたとばかりに3六歩と突く。これで銀、もしくは桂馬があがるスペースを作ったのだ。
さすがに一輝はこの場面は慎重になり少し時間を使う。
昼食の注文も終えるが、一輝はそれでも時間を使い、慎重に指していく。
一方の加瀬はあまり時間を使わずにいた。この態度から一輝は加瀬が相当相掛かりの研究をしていることを察し、このまま乗るか、加瀬の研究を外して読み勝負に持ち込むかを悩んでいた。
11:55分になり、加瀬から記録係に休憩してくれるよう懇願する。
「休憩にしてください」
「はい」
加瀬は自分の時間を多少使っても、自身の手番で休憩に入る方が良いと判断したのだ。
一輝はまだ盤面を見つめているが、そんな一輝を尻目に加瀬は対局室から姿を消す。
盤面を見ても形成自体にまだ有利不利はないが、加瀬の研究の深さが計り知れず、一輝はどう戦うかを悩んでいた。
先手番の加瀬がまず駒に手をやり、2六歩と飛車先の歩を伸ばしていく。
どうやら加瀬は居飛車で戦うつもりのようだ。
それを受け、一輝は8四歩と一輝も飛車先の歩を伸ばす。これは相居飛車戦となる模様だ。
迷わず加瀬は2五歩と更に飛車先の歩を伸ばしていく。
一輝もまた8五歩と飛車先の歩を伸ばす。
ここが作戦の分岐点ではあるが、加瀬は何の迷いもなく7八金と角の頭を守るために金を上げる。角道が開いておらず放置しておくと、角がただで取られるからこうして金で守るのだ。
一輝も角の頭を守るために3二金と上がる。
この戦形は相掛かりといい、互いに飛車先の歩を伸ばし、角道を閉じたまま進行する形だ。互いに攻撃性が高く、短手数で終わることも珍しくない形だ。
加瀬が最も得意戦形であり、先手番ではこの形を目指すことが多いのだ。
後手の一輝も避ける術として振り飛車にするなどがあったのだが、慣れないことを今下手にするよりは自身も指し慣れた相掛かりを受けた方が良いと判断し加瀬に追随したのだ。
次に加瀬が指した手は3八銀と銀を上がる手を選択した。従来はすぐに2四歩と突いてすぐに飛車先の歩を交換するのが主流であったが、最新系としては飛車先の歩の交換を保留して銀を上がることで含みを持たせることが主流となっているのだ。
当然一輝もそこは熟知しており、7二銀とあがる。
ここから実質的な相掛かりの作戦の分岐点になるが加瀬は迷いなく9六歩と端歩を突く。
一輝も9四歩と受ける。
ここで加瀬は待ってましたとばかりに3六歩と突く。これで銀、もしくは桂馬があがるスペースを作ったのだ。
さすがに一輝はこの場面は慎重になり少し時間を使う。
昼食の注文も終えるが、一輝はそれでも時間を使い、慎重に指していく。
一方の加瀬はあまり時間を使わずにいた。この態度から一輝は加瀬が相当相掛かりの研究をしていることを察し、このまま乗るか、加瀬の研究を外して読み勝負に持ち込むかを悩んでいた。
11:55分になり、加瀬から記録係に休憩してくれるよう懇願する。
「休憩にしてください」
「はい」
加瀬は自分の時間を多少使っても、自身の手番で休憩に入る方が良いと判断したのだ。
一輝はまだ盤面を見つめているが、そんな一輝を尻目に加瀬は対局室から姿を消す。
盤面を見ても形成自体にまだ有利不利はないが、加瀬の研究の深さが計り知れず、一輝はどう戦うかを悩んでいた。
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