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憂鬱な転生【カノンの場合】
5.苦手なひと 2
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「はあぁ………」
ひときわ大きなため息が響いた。ため息にしては大きな音だったが、それはじっとりと水分をはらんだ重たい雲の下、むき出しのコンクリートの上に風と共に消えていった。
それを吐きだした当の人物は、憂鬱な顔で左手に持った参考書に視線を落としながら、思い出したように手元の弁当に箸をつけた。
「はぁ……」
もう一度ため息を零した時、停滞する湿度をかき混ぜるように、ぬるい風が吹いて参考書のページをさらった。
その風にカノンはようやく視線を上にあげた。そしてぼんやりと、中庭の上をとおる渡り廊下を歩く人影を、なんともなしに見つめる。
一人になりたくて、昼食時は屋上にくることが多くなった。
屋上ではいつもまばらに数名が昼食をとっている。だが、中庭に面した側はちょうど屋上出入り口の裏側になり、出入りする人からは死角になっていて、一人で過ごすにはもってこいだった。
誰にも声を掛けられたくないので、昼食になると素早く教室を出て、誰よりも早く屋上にいった。完璧なヒロインを演じようと奮闘する日々のなか、学園で唯一息をつける場所だった。
傍らには楽譜を積み重ね、片手には今日の授業の予習のための参考書を持っていた。
地元の国立大学を卒業していた彼女は、麗華音楽学園のレベルの高い授業も、当時の勉強を思い出すことでなんとかやっていた。
でも学生だったのも、もう何年も前の話だ。就職してからは学生時代の勉強のことを思い出すこともなかったし、予習と復習は欠かせない。
カノンはぼんやりとゲームのことを思い返す。
――私には攻略対象全員と親密度を上げるのは無理かもしれないな……。
先日の城野院との出会いで分かったけれど、城野院はどうしても自分にはやっぱり合わない。
もともと人付き合いが苦手なのに、何を考えているかわからない物言いの城野院は怖かった。それでなくても男のひととは手もつないだこともない。なのに、城野院の本心の読めない口調、あの美しすぎる顔と、こちらのことを見透かすようなあの視線には、到底まともに対応できる気がしない。
ヒロインとしての仮面が、機能しなくなるのでは困る。この世界で舞宮カノンとして演じているからこそ、この日々を過ごすことができているのだから。
もともとの自分がここにいたところで、誰ともまともに会話することすらできなかっただろう。
就職してからはなんとか周囲と距離を保ってやっていたけれど、学生時代の自分を思い返すまでもなく、それはもう、悲しいくらいに絶対の自信がある。
――だってどう考えても、元々の自分は誰かに好かれるような人間ではなかったのだし。
『あなたになんてできる訳がないでしょう』
「―――…っ」
その時、若干の眩暈を感じた。あまり日々に根を詰めすぎているのだろうか、最近眩暈を感じることが多い。
目を閉じ、こめかみを抑え、その波が通り過ぎるのを待つ。
眩暈が起こっている時、周りの音はまるで水の底から聞いているように、鈍く遠くに感じた。もがいても、水の上には出られないような苦しい時間。焦燥とともにそれが収まるのをじっと待つ。
しばらく経ってカノンは、はぁっと浅く息を吐いた。
――やれることをしなくちゃ……。
とりあえず今やるべきことを整理する。
まずは会話イベントで親密度を上げておいて、覚えている限りのスチルになっていたイベント回収しておかないと。
そして購買で買えるもので、攻略対象に渡せるものは渡しておこう。
あとは、会話の中で好きな曲と、好きな色を聞くのを忘れないようにしなくちゃ。好きな曲も好きな色も覚えているけど、会話で聞きだすことに意味があるはずだし。
好きな色を聞く、好みの色のドレスを着る、俺の好きな色覚えていてくれたんだー!の流れだ。それがきっと大事だろうから。
あとテストに向けた勉強と、8月のチャリティーコンサートは時雨くんと出ることになりそうだから、その課題曲の練習と……。
「……ヒロインって大変だなぁ……」
思わずぼやきが漏れた。
でもやることがあるだけましか、とも思う。前世の記憶が濃すぎる今、全く知らない世界で人生やり直せって言われたとしても、どうしていいか分からなかっただろうから。
自分の望みなんて、周囲の顔色をうかがうばかりで、思い返しても持ったことなどなかった。
実際は、無事この学園を卒業できたとしても、したいことなんて思いつかない。
思えばこの学園への編入も、断固として拒否すればできないことではなかった。……途中であきらめたのだ。じゃあ他に何をしたいんだ?と聞かれて、答えられなかったから。
食べきれなかったお弁当。罪悪感を感じながら、包みなおして瞳を閉じた。
◇◇◇◇◇
キィ……
出入り口の扉が開く音が響いた。足音が勝手を知っているかのように、カノンのいる裏側の部分に近づくが、そこで壁に身をあずけた人影は身動きをしなかった。
「あれ……? 舞宮さん……?」
後ろに一つで結んだ、黒く艶めく長い髪。カノンが苦手な白檀の香りが近づいても彼女は反応を示さない。
「こんなところで寝ているのかい……?」
隣に膝をついた城野院は、カノンの顔をのぞきこむように見上げると、ふと頬に触れた。ふっくらとした頬は幾分生彩をかき、目の下には青白くクマが浮かんでいる。
――前にこうして頬を撫でた時はすごく嫌がられたっけ。
城野院は苦笑する。
これまでの人生において、自分に触れられて、嫌がったりする女などいなかった。まして頬を赤らめることはあっても、あんなに露骨に嫌悪を示されたことなどない。だから、当然のように頬に触れたのに。あんな態度をとられるなんて意外だった。
あの日から、気が付くと、そのオレンジ色を目で追っていた。
彼女は誰に対しても、愛想よく社交的にふるまっているように見えた。そして彼女があの日自分に見せたように、他人に対して嫌悪をあらわにするところは見たことがない。
ましてあれが初対面だったのだ。何度思い返しても、そこまで嫌われる覚えはない。
――初対面であんなに嫌われるなんて、ショックだなぁ。……ん?
隣に座り、カノンの顔を見つめていると、おもむろにその眦から涙がにじんだ。眉間には皺が寄り、なにか、うなされるようにして、うわごとを口の中で呟いている。
そっとカノンの口元に耳を寄せる。
「ごめ……な、さぃ……」
「……?」
――こんなに、何もかもが順風満帆だといわんばかりに、溢れる才能をもって、いつも輝く笑顔をたたえているのに。
そんな彼女の謝罪の言葉は、ひどく違和感があった。おしゃべりな玲央は、ひとり親ながら、母親との関係も良好だと言っていた。
「……君は、何を抱えているんだろうね?」
城野院はそう呟くと、カノンの目元の涙をそっとハンカチでぬぐい、頭をゆっくりと撫でた。
ひときわ大きなため息が響いた。ため息にしては大きな音だったが、それはじっとりと水分をはらんだ重たい雲の下、むき出しのコンクリートの上に風と共に消えていった。
それを吐きだした当の人物は、憂鬱な顔で左手に持った参考書に視線を落としながら、思い出したように手元の弁当に箸をつけた。
「はぁ……」
もう一度ため息を零した時、停滞する湿度をかき混ぜるように、ぬるい風が吹いて参考書のページをさらった。
その風にカノンはようやく視線を上にあげた。そしてぼんやりと、中庭の上をとおる渡り廊下を歩く人影を、なんともなしに見つめる。
一人になりたくて、昼食時は屋上にくることが多くなった。
屋上ではいつもまばらに数名が昼食をとっている。だが、中庭に面した側はちょうど屋上出入り口の裏側になり、出入りする人からは死角になっていて、一人で過ごすにはもってこいだった。
誰にも声を掛けられたくないので、昼食になると素早く教室を出て、誰よりも早く屋上にいった。完璧なヒロインを演じようと奮闘する日々のなか、学園で唯一息をつける場所だった。
傍らには楽譜を積み重ね、片手には今日の授業の予習のための参考書を持っていた。
地元の国立大学を卒業していた彼女は、麗華音楽学園のレベルの高い授業も、当時の勉強を思い出すことでなんとかやっていた。
でも学生だったのも、もう何年も前の話だ。就職してからは学生時代の勉強のことを思い出すこともなかったし、予習と復習は欠かせない。
カノンはぼんやりとゲームのことを思い返す。
――私には攻略対象全員と親密度を上げるのは無理かもしれないな……。
先日の城野院との出会いで分かったけれど、城野院はどうしても自分にはやっぱり合わない。
もともと人付き合いが苦手なのに、何を考えているかわからない物言いの城野院は怖かった。それでなくても男のひととは手もつないだこともない。なのに、城野院の本心の読めない口調、あの美しすぎる顔と、こちらのことを見透かすようなあの視線には、到底まともに対応できる気がしない。
ヒロインとしての仮面が、機能しなくなるのでは困る。この世界で舞宮カノンとして演じているからこそ、この日々を過ごすことができているのだから。
もともとの自分がここにいたところで、誰ともまともに会話することすらできなかっただろう。
就職してからはなんとか周囲と距離を保ってやっていたけれど、学生時代の自分を思い返すまでもなく、それはもう、悲しいくらいに絶対の自信がある。
――だってどう考えても、元々の自分は誰かに好かれるような人間ではなかったのだし。
『あなたになんてできる訳がないでしょう』
「―――…っ」
その時、若干の眩暈を感じた。あまり日々に根を詰めすぎているのだろうか、最近眩暈を感じることが多い。
目を閉じ、こめかみを抑え、その波が通り過ぎるのを待つ。
眩暈が起こっている時、周りの音はまるで水の底から聞いているように、鈍く遠くに感じた。もがいても、水の上には出られないような苦しい時間。焦燥とともにそれが収まるのをじっと待つ。
しばらく経ってカノンは、はぁっと浅く息を吐いた。
――やれることをしなくちゃ……。
とりあえず今やるべきことを整理する。
まずは会話イベントで親密度を上げておいて、覚えている限りのスチルになっていたイベント回収しておかないと。
そして購買で買えるもので、攻略対象に渡せるものは渡しておこう。
あとは、会話の中で好きな曲と、好きな色を聞くのを忘れないようにしなくちゃ。好きな曲も好きな色も覚えているけど、会話で聞きだすことに意味があるはずだし。
好きな色を聞く、好みの色のドレスを着る、俺の好きな色覚えていてくれたんだー!の流れだ。それがきっと大事だろうから。
あとテストに向けた勉強と、8月のチャリティーコンサートは時雨くんと出ることになりそうだから、その課題曲の練習と……。
「……ヒロインって大変だなぁ……」
思わずぼやきが漏れた。
でもやることがあるだけましか、とも思う。前世の記憶が濃すぎる今、全く知らない世界で人生やり直せって言われたとしても、どうしていいか分からなかっただろうから。
自分の望みなんて、周囲の顔色をうかがうばかりで、思い返しても持ったことなどなかった。
実際は、無事この学園を卒業できたとしても、したいことなんて思いつかない。
思えばこの学園への編入も、断固として拒否すればできないことではなかった。……途中であきらめたのだ。じゃあ他に何をしたいんだ?と聞かれて、答えられなかったから。
食べきれなかったお弁当。罪悪感を感じながら、包みなおして瞳を閉じた。
◇◇◇◇◇
キィ……
出入り口の扉が開く音が響いた。足音が勝手を知っているかのように、カノンのいる裏側の部分に近づくが、そこで壁に身をあずけた人影は身動きをしなかった。
「あれ……? 舞宮さん……?」
後ろに一つで結んだ、黒く艶めく長い髪。カノンが苦手な白檀の香りが近づいても彼女は反応を示さない。
「こんなところで寝ているのかい……?」
隣に膝をついた城野院は、カノンの顔をのぞきこむように見上げると、ふと頬に触れた。ふっくらとした頬は幾分生彩をかき、目の下には青白くクマが浮かんでいる。
――前にこうして頬を撫でた時はすごく嫌がられたっけ。
城野院は苦笑する。
これまでの人生において、自分に触れられて、嫌がったりする女などいなかった。まして頬を赤らめることはあっても、あんなに露骨に嫌悪を示されたことなどない。だから、当然のように頬に触れたのに。あんな態度をとられるなんて意外だった。
あの日から、気が付くと、そのオレンジ色を目で追っていた。
彼女は誰に対しても、愛想よく社交的にふるまっているように見えた。そして彼女があの日自分に見せたように、他人に対して嫌悪をあらわにするところは見たことがない。
ましてあれが初対面だったのだ。何度思い返しても、そこまで嫌われる覚えはない。
――初対面であんなに嫌われるなんて、ショックだなぁ。……ん?
隣に座り、カノンの顔を見つめていると、おもむろにその眦から涙がにじんだ。眉間には皺が寄り、なにか、うなされるようにして、うわごとを口の中で呟いている。
そっとカノンの口元に耳を寄せる。
「ごめ……な、さぃ……」
「……?」
――こんなに、何もかもが順風満帆だといわんばかりに、溢れる才能をもって、いつも輝く笑顔をたたえているのに。
そんな彼女の謝罪の言葉は、ひどく違和感があった。おしゃべりな玲央は、ひとり親ながら、母親との関係も良好だと言っていた。
「……君は、何を抱えているんだろうね?」
城野院はそう呟くと、カノンの目元の涙をそっとハンカチでぬぐい、頭をゆっくりと撫でた。
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