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ねこのこ編予告、第一章《偽りのねこのこ》
03《終焉と希望》
しおりを挟む世界は終焉を迎えようとしていた。
それは全て……私一人のせいで……
この身体に流れる膨大な魔力が届く範囲。全ての人間は私に洗脳され私の為だけに動く傀儡と成してしまう。
私の魔力に打ち勝ち、洗脳されなかった人もいた。
けど……私を討伐する為に集まった彼らは、結局はこの歴代魔王達の怨念が操る私の身体に呆気なく殺された。
遠くの大陸の人達は私に恐れ、私を殺すことを諦めてしまった。
触らぬ魔王に祟なし。近寄りさえしなければ……そんな淡い期待は私の成長と共に打ち砕かれた。
どこまでも膨れ上がる闇の魔力、たぶん……私の絶望を養分にどこまでも成長しているのだろう。
その為に……私は、この意志の通り動かなくなった肉体の中、精神だけで生かされているのだろう。
膨れ上がる魔力からは無数の魔王が誕生した。
一体一体がかつての魔王の姿を模しており、その強さは歴代の魔王の強さを超えていた。
……私は、どうしてあの時に殺されなかったんだろう?
何度同じことを考えても、答えなんて見当たらない。
何年経ったのだろう……あの光り輝く毎日が懐かしい……
ススムとはるる、2人はきっと私の作りだした魔王に殺されてしまったんだろう。
あれからもう何年も……私は待った、待ったけど……2人が来ることは無い。
もし……生きてたならごめんね、私はもう……2人を待つ自信が無いよ、もうこれ以上……私は私の存在を許せないから──
♢
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「ごめんね、ずっと怖かったよね……だからもう、我慢しなくていいんだよ、ボクはもう……弱くないから!!!」
魔王を倒す為だけに作られた聖なる剣。
魔王を救う為だけに世界樹から授かった杖。
2本の武器は彼らの意志を示すように天に掲げられた。
「……………………ハル、行けるか」
「……………うん、もう……待たせない!!」
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