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:1-2夢:
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__ァ?___メア?___
遠くから声が聞こえた。メアは遠くから響いてくる声で、目が覚める。
「......」
「___まだ寝てるの?」
小さく唸って返事をすると、目の前の声よりも二、三歩後ろから別の声が近付いてくる。
「メアぁ、そろそろ起きてベッド返して~」
体を揺さぶられ、驚いて体を起こすと......図書館ではない場所。大きな六角の部屋に設置されたベッドに寝ていた。近くにはメアよりも一つか二つ年上の少女二人がメアをのぞき込んでいる。
「あ、やっと起きた、おはようメア?」
「メノ......と、フィア......?」
メアと似た容姿に、腰まで垂れている白い髪に菫色の瞳、黒に白のラインが入った薄いコートを着たメノが頭を撫でる。
「寝坊助さん、おはよ」
メノの後ろに立っていた、ショートカットの黒髪に青い瞳、同じ黒いコートを着たフィアがメアに近付いて言う。
「ここは......」
周りを見渡すと部屋の殆どを本棚が占め、開いた空間にぎっしり寄せられたタンスや机、ベッドが詰められている。
「また意識がなくなるまで起きてたの?」
「ぇ......私は......フィアと研究で......資料探しを、してて......?」
「途中で、寝ちゃってたみたいよ?」
辺りを見渡すと、さっきまで横になってたベッドの上は開きっぱなしの分厚い本であふれていた。
「まぁ、目的の資料があったし、別にいいわ」
「......」
自分の置かれている状況が全く呑み込めない。はっきりしない意識の中で、メアはフィアと呼んだ少女をぼうっと見上げる。
「大丈夫?」
「わ、私......」
「......なんだか本調子って感じじゃなさそうね......落ち着いたら、ベッド返してねぇ......もうそろそろ睡魔が来るはずだから」
朝食取ってくる、と言い覚束ない足取りでフィアは部屋を後に。メノがベッドの方に向きなおってメアの頭に手を置く。
「それで、今日はどんな夢を見たの?」
メノが隣に座る。コートのポケットから小さなメモ帳とペンを取り出す。彼女の台詞からメアは懐かしさを感じていた。
「......すごく鮮明な夢......私は図書館にいて___」
反射的に答え、言葉に詰まり、答えるのをやめてしまう。
「......それで?」
「そこで私と、オズという男の人と紅茶を......本も読みながら、小さなケーキを食べていて___」
「ふふん、とても面白い夢だね」
「メノ!私友達が......できた、よ」
胸の奥底で虚無感を感じて、また言葉が出てこなくなる。今私は魔界にいる。そう感じているが、目の前の景色を見ても浮遊感を拭えない。
「......いや、これが夢で......これはいつの事、だっけ......」
メアは自分の中に遭った小さな疑問を声で呟く。上手く言葉にできていないメアを見てメノは顔を近付ける。
「手伝いで相当まいっちゃったか、混乱してるみたいだね、メア」
「ここは、どこ......⁉」
「どこって、フィアの部屋の___」
メノの返事を待たずにベットから飛び起きて、窓を勢いよく開け放った。
外は赤黒い葉をつけた森が地平線の向こうまで続き、蒼い空の中を紅い輪郭を付けた雲が漂う異様な光景。メアは眼前の景色から見張られるような威圧感を感じる。
「......」
「此処は"魔界"だよメア......どっちが夢か、分かってきた?」
背後にメノが近付いてくる。どっちが夢か......そうだ、目の前のすべて夢、夢だ......夢、なんだ。メアの意識はその言葉で溢れ、涙になって零れる。
「メノ......!!」
「どうしたの?急に泣いちゃって」
「一人は......い、いやだよ......!」
「大丈夫だよ、どこにも行かないから」
メアはメノの体に顔を押し付ける。消え入りそうな声でメノを何度も呼ぶと同時に意識が遠のいてくる。薄れていく意識の中でメノの様子は伺えなかった。
遠くから声が聞こえた。メアは遠くから響いてくる声で、目が覚める。
「......」
「___まだ寝てるの?」
小さく唸って返事をすると、目の前の声よりも二、三歩後ろから別の声が近付いてくる。
「メアぁ、そろそろ起きてベッド返して~」
体を揺さぶられ、驚いて体を起こすと......図書館ではない場所。大きな六角の部屋に設置されたベッドに寝ていた。近くにはメアよりも一つか二つ年上の少女二人がメアをのぞき込んでいる。
「あ、やっと起きた、おはようメア?」
「メノ......と、フィア......?」
メアと似た容姿に、腰まで垂れている白い髪に菫色の瞳、黒に白のラインが入った薄いコートを着たメノが頭を撫でる。
「寝坊助さん、おはよ」
メノの後ろに立っていた、ショートカットの黒髪に青い瞳、同じ黒いコートを着たフィアがメアに近付いて言う。
「ここは......」
周りを見渡すと部屋の殆どを本棚が占め、開いた空間にぎっしり寄せられたタンスや机、ベッドが詰められている。
「また意識がなくなるまで起きてたの?」
「ぇ......私は......フィアと研究で......資料探しを、してて......?」
「途中で、寝ちゃってたみたいよ?」
辺りを見渡すと、さっきまで横になってたベッドの上は開きっぱなしの分厚い本であふれていた。
「まぁ、目的の資料があったし、別にいいわ」
「......」
自分の置かれている状況が全く呑み込めない。はっきりしない意識の中で、メアはフィアと呼んだ少女をぼうっと見上げる。
「大丈夫?」
「わ、私......」
「......なんだか本調子って感じじゃなさそうね......落ち着いたら、ベッド返してねぇ......もうそろそろ睡魔が来るはずだから」
朝食取ってくる、と言い覚束ない足取りでフィアは部屋を後に。メノがベッドの方に向きなおってメアの頭に手を置く。
「それで、今日はどんな夢を見たの?」
メノが隣に座る。コートのポケットから小さなメモ帳とペンを取り出す。彼女の台詞からメアは懐かしさを感じていた。
「......すごく鮮明な夢......私は図書館にいて___」
反射的に答え、言葉に詰まり、答えるのをやめてしまう。
「......それで?」
「そこで私と、オズという男の人と紅茶を......本も読みながら、小さなケーキを食べていて___」
「ふふん、とても面白い夢だね」
「メノ!私友達が......できた、よ」
胸の奥底で虚無感を感じて、また言葉が出てこなくなる。今私は魔界にいる。そう感じているが、目の前の景色を見ても浮遊感を拭えない。
「......いや、これが夢で......これはいつの事、だっけ......」
メアは自分の中に遭った小さな疑問を声で呟く。上手く言葉にできていないメアを見てメノは顔を近付ける。
「手伝いで相当まいっちゃったか、混乱してるみたいだね、メア」
「ここは、どこ......⁉」
「どこって、フィアの部屋の___」
メノの返事を待たずにベットから飛び起きて、窓を勢いよく開け放った。
外は赤黒い葉をつけた森が地平線の向こうまで続き、蒼い空の中を紅い輪郭を付けた雲が漂う異様な光景。メアは眼前の景色から見張られるような威圧感を感じる。
「......」
「此処は"魔界"だよメア......どっちが夢か、分かってきた?」
背後にメノが近付いてくる。どっちが夢か......そうだ、目の前のすべて夢、夢だ......夢、なんだ。メアの意識はその言葉で溢れ、涙になって零れる。
「メノ......!!」
「どうしたの?急に泣いちゃって」
「一人は......い、いやだよ......!」
「大丈夫だよ、どこにも行かないから」
メアはメノの体に顔を押し付ける。消え入りそうな声でメノを何度も呼ぶと同時に意識が遠のいてくる。薄れていく意識の中でメノの様子は伺えなかった。
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