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第二章
慟哭(一)
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「離して!」
「駄目だ。もう離すものか!」
二人のやりとりを街の人がちらちら見ながら通り過ぎて行く。
クリビアが心配になったメイドがクリーヴを抱いて下まで降りてきた。
「クリビア様! 大丈夫ですか」
メイドの声にびっくりしたクリーヴが大声で泣き出すと、それに気を取られて少し緩んだロータスの手を振り切ってクリビアはメイドの元に走った。
「クリーヴ、大丈夫よ……」
ロータスは恐る恐る近づいて泣きわめくクリーヴを心配そうに覗きこんだ。
自分にそっくりな男の子。愛する女性との間にできた子は誰よりも愛おしい。
今こうやって家族三人が集っているのにどうしてこのまま共に暮らすことができないのか、どうしてそんな簡単なことが叶えられないのか意味が分からず、彼は気が狂いそうだ。
「ロータス様。あなたは私を殺そうとした男の娘と幸せになることはできないと言いました。じゃあどうしてあなたの両親を殺した男の娘と幸せになれると思っているの」
「君は何も知らなかったじゃないか。俺の両親の事で負い目を感じる必要は無い!」
「アナスタシアも知らないのよ」
「……。そもそも俺は彼女を愛していない。俺は最初からずっと、君だけを愛してきた」
(ジュリアナの事はすっかり忘れているのね)
浮気など無かったかのようにそんなことをしゃあしゃあと言うロータスに腹が立つ。
「俺は三人で幸せになりたい。その子は俺の子だ。君は俺に幸せになるなと言いたいのか?」
「な、そんなことあるわけないじゃない! 誰よりも幸せになって欲しいわよ! でもその相手は私じゃない。お願いよ……アナスタシアを幸せにして……私はバハルマにいるとき彼女に救われてきたの。生きていられたのも彼女のお陰なの」
「だとしても、俺の気持ちを変えることはできない。君は何もしていないんだから彼女に遠慮する必要ないんだ。もっと自分の事を考えろ!」
立派な男と美しい女の言い合い、赤ん坊の泣き声は周囲の目を引いて、立ち止まる人まで出てきた。
中にはロータスを見てカラスティアの国王ではないか? という人も何人かいた。
その時、たまたま通りがかった男がクリビアに気付いて声をかけた。
「クリビアさん?」
ランス伯爵だ。
手には大きなずだ袋を下げ、最近綺麗に剃っていた顎髭はまた伸び始めている。
「誰だ、こいつは」
「この方は……クリーヴを取り上げてくださった医師です」
「どうも、ランス・クライブ伯爵と申します。医師をしております」
「伯爵が医師だと? 本当にそれだけか? まさかこいつと!?」
「変な事を言わないでください」
ランス伯爵はロータスを見てクリーヴの父親だとすぐにわかった。
周囲の憶測通り、彼女の元婚約者であるカラスティアの国王に違いない。
もしかして二人を迎えに来たのだろうか。
心の中でサイレンが鳴る。
「お困りの様ですね」
「部外者は黙っていろ」
「伯爵、なんでもないんです。すぐ帰りますからご心配なさらずに」
「待ってくれ。俺と一緒に行こう」
ロータスはやさしくクリビアの腕を掴んだ。
微かに震えているその手をクリビアは力いっぱい、ともすれば乱暴に振りほどくと、ロータスは硬直し瞳が赤くなる。
彼の心は崩壊寸前だった。
クリビアが無視してメイドに馬車の手配を頼むと、ランス伯爵が近くに停めてある自分の馬車で送ると言ったので迷うことなくその言葉に甘えることにして、足早にその場から立ち去った。
「クリビア、行くな! なんでそんな奴と一緒に行くんだ!」
クリビアは耳を塞いで一心不乱に歩く。
(これ以上彼の声を聞いたらいけない。早く、早く……!!)
「行かないでくれ! クリビア!」
ロータスは絶叫し、周りを一切気にすることなく地面に崩れ落ちそして呟いた。
「俺を、捨てないでくれ……」
クリビアの瞳も真っ赤になっている。もう完全に終わったのだ。
(さようなら。ロータス様)
~~~~~~~~~~
抜け殻のようになったロータスはもう何日も食事をとっていない。
(どうしてこうなった……)
心は深い闇に包まれ、絶望と悲しみに満ちている。
未来への希望が見えなくなった彼の世界は色を失い日常の全てが無意味に感じられた。
孤独と喪失感に苛まれ、心の中で何度も「何故?」と問いかける。
これまでの自分の行動全てが意味をなさないもののように崩れ去りそうだ。
半ば無理やりカラスティア王国に連れ帰らされたロータスは、政務もおろそかにしてずっと部屋に籠っている。
アナスタシアはサントリナ王国から戻った彼が一人だったことに安心した。
その落ち込みようからクリビア様に振られたのだと思うと彼女に感謝せずにはいられない。陛下も彼女の事は遠からず忘れるだろうという希望が芽生えた。
そしてもしかしたら今なら陛下の心の隙を埋めることができるかもしれないと愚かな考えが浮かぶ。
それが更なる絶望をアナスタシアにもたらすとも知らずに。
「駄目だ。もう離すものか!」
二人のやりとりを街の人がちらちら見ながら通り過ぎて行く。
クリビアが心配になったメイドがクリーヴを抱いて下まで降りてきた。
「クリビア様! 大丈夫ですか」
メイドの声にびっくりしたクリーヴが大声で泣き出すと、それに気を取られて少し緩んだロータスの手を振り切ってクリビアはメイドの元に走った。
「クリーヴ、大丈夫よ……」
ロータスは恐る恐る近づいて泣きわめくクリーヴを心配そうに覗きこんだ。
自分にそっくりな男の子。愛する女性との間にできた子は誰よりも愛おしい。
今こうやって家族三人が集っているのにどうしてこのまま共に暮らすことができないのか、どうしてそんな簡単なことが叶えられないのか意味が分からず、彼は気が狂いそうだ。
「ロータス様。あなたは私を殺そうとした男の娘と幸せになることはできないと言いました。じゃあどうしてあなたの両親を殺した男の娘と幸せになれると思っているの」
「君は何も知らなかったじゃないか。俺の両親の事で負い目を感じる必要は無い!」
「アナスタシアも知らないのよ」
「……。そもそも俺は彼女を愛していない。俺は最初からずっと、君だけを愛してきた」
(ジュリアナの事はすっかり忘れているのね)
浮気など無かったかのようにそんなことをしゃあしゃあと言うロータスに腹が立つ。
「俺は三人で幸せになりたい。その子は俺の子だ。君は俺に幸せになるなと言いたいのか?」
「な、そんなことあるわけないじゃない! 誰よりも幸せになって欲しいわよ! でもその相手は私じゃない。お願いよ……アナスタシアを幸せにして……私はバハルマにいるとき彼女に救われてきたの。生きていられたのも彼女のお陰なの」
「だとしても、俺の気持ちを変えることはできない。君は何もしていないんだから彼女に遠慮する必要ないんだ。もっと自分の事を考えろ!」
立派な男と美しい女の言い合い、赤ん坊の泣き声は周囲の目を引いて、立ち止まる人まで出てきた。
中にはロータスを見てカラスティアの国王ではないか? という人も何人かいた。
その時、たまたま通りがかった男がクリビアに気付いて声をかけた。
「クリビアさん?」
ランス伯爵だ。
手には大きなずだ袋を下げ、最近綺麗に剃っていた顎髭はまた伸び始めている。
「誰だ、こいつは」
「この方は……クリーヴを取り上げてくださった医師です」
「どうも、ランス・クライブ伯爵と申します。医師をしております」
「伯爵が医師だと? 本当にそれだけか? まさかこいつと!?」
「変な事を言わないでください」
ランス伯爵はロータスを見てクリーヴの父親だとすぐにわかった。
周囲の憶測通り、彼女の元婚約者であるカラスティアの国王に違いない。
もしかして二人を迎えに来たのだろうか。
心の中でサイレンが鳴る。
「お困りの様ですね」
「部外者は黙っていろ」
「伯爵、なんでもないんです。すぐ帰りますからご心配なさらずに」
「待ってくれ。俺と一緒に行こう」
ロータスはやさしくクリビアの腕を掴んだ。
微かに震えているその手をクリビアは力いっぱい、ともすれば乱暴に振りほどくと、ロータスは硬直し瞳が赤くなる。
彼の心は崩壊寸前だった。
クリビアが無視してメイドに馬車の手配を頼むと、ランス伯爵が近くに停めてある自分の馬車で送ると言ったので迷うことなくその言葉に甘えることにして、足早にその場から立ち去った。
「クリビア、行くな! なんでそんな奴と一緒に行くんだ!」
クリビアは耳を塞いで一心不乱に歩く。
(これ以上彼の声を聞いたらいけない。早く、早く……!!)
「行かないでくれ! クリビア!」
ロータスは絶叫し、周りを一切気にすることなく地面に崩れ落ちそして呟いた。
「俺を、捨てないでくれ……」
クリビアの瞳も真っ赤になっている。もう完全に終わったのだ。
(さようなら。ロータス様)
~~~~~~~~~~
抜け殻のようになったロータスはもう何日も食事をとっていない。
(どうしてこうなった……)
心は深い闇に包まれ、絶望と悲しみに満ちている。
未来への希望が見えなくなった彼の世界は色を失い日常の全てが無意味に感じられた。
孤独と喪失感に苛まれ、心の中で何度も「何故?」と問いかける。
これまでの自分の行動全てが意味をなさないもののように崩れ去りそうだ。
半ば無理やりカラスティア王国に連れ帰らされたロータスは、政務もおろそかにしてずっと部屋に籠っている。
アナスタシアはサントリナ王国から戻った彼が一人だったことに安心した。
その落ち込みようからクリビア様に振られたのだと思うと彼女に感謝せずにはいられない。陛下も彼女の事は遠からず忘れるだろうという希望が芽生えた。
そしてもしかしたら今なら陛下の心の隙を埋めることができるかもしれないと愚かな考えが浮かぶ。
それが更なる絶望をアナスタシアにもたらすとも知らずに。
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