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あれからクリストバル殿下とローゼリア様の婚約は無事に解消された。その後は兄がどうしたのかわからないが、兄と彼女との婚約も無事に結ばれたようでもある。そこにはいくつかの条件があったようだが、そのすべてを私が知る事はなかった。
「はぁ、憂鬱ですわ」
「クレス様、先程からため息ばかりついていますわよ。何回ついたか私が数えていましたからお教えしましょうか?」
「ベアトリス様ったら、そんな事をしていましたの」
二人で顔を見合わせてクスクスと笑っていれば侍女達も安心したのか空気が柔らかになっていく。私のせいでこの場の空気を乱していたのだから小さく謝って、今日これからおこなわれる卒業舞踏会について考える。
エザフォスの学園に留学しているのは私達だけではない。今回卒業する生徒の中には我が国出身の者達もいるので、王家を代表して兄と私も参加するのだがそれがまた憂鬱だ。あの事件が無ければ兄は私をエスコートして参加していたはずなのに、兄のお相手はローゼリア様になってしまった。その事に拗ねているわけではない。兄にもようやく婚約者ができたのは喜ばしい事であったが、それがあのローゼリア様だという事が引っかかっている。
彼女は長い期間クリストバル殿下の婚約者として頑張ってきたのにすぐに切り替えられるものなのだろうか。あの時に兄にプロポーズされて嬉しそうにしていた姿を見たら満更でもなかったのだとは思うが、簡単に兄に乗り換えただけのようで彼女を認めたくない。
もし、クリストバル殿下にしたように兄を裏切るのならばその時は……。
「クレスセンシア殿下、そろそろお時間です」
「わかりましたわ」
物騒な事を考えていたそれ自体を頭から消し去ってにこやかに応じる。兄の代わりはレジェスが務めてくれるので彼と共に並んで会場へ向かう事にした。ベアトリス様は外交官としてこの国に滞在している従兄妹にお相手を頼んだそうだ。彼女には婚約者はいないし、私にも何人かの候補がいるのだがあくまで候補として名前があがっているだけ。その中でも一番可能性が高いのはプラージャ公爵家の嫡男エミリオだったが、彼はここにはいない。兄が婚約するのを待っていたから私の婚約も遅くなってしまったが、今年中には決まるだろう。どの方がお相手になろうが誠実に向き合うのは変わらない。そこに男女の愛は存在しなくとも、家族としての愛ならば築いていけるはずだ。私がやるべき事は神子として海神様に祈りをささげる事。これが我が国にとって一番重要な事になるのだから、今までと何も変わらない。それでも私が望んでいた穏やかな日々だけは変わらずに続いて欲しいと海神様に願う。頬を何かが優しく撫でてくれた感触に笑みをこぼし、真っ直ぐ前を向いて会場へと入っていく。この舞踏会が無事に終わりますようにとお願いしておく事も忘れない。
今日は王家の代表なので貴賓席に座って会場内を見渡す。シャンデリアの下で着飾った生徒達が談笑をしながら開会の挨拶が始まるのを今かと待っている。その中には兄とローゼリア様もいて彼女は兄に贈られたドレスと装飾品を身に着けていた。近くには彼女の友人であるボルケ子爵令嬢がニコニコとしながら三人で楽し気に話をしているようだ。そこから離れた場所にはクリストバル殿下とエレナ様、側近候補達とその婚約者の令嬢達が固まっている。学園長の挨拶から始まり音楽が流れ始めればまずはクリストバル殿下とそのパートナーを務めているエレナ様が踊りだし、それに続いて次々と卒業生達が中心となって踊りだす。もちろん兄とローゼリア様もその中にはいる。うっとりと兄を見つめるローゼリア様のそんな顔は今までも見た事がなかった。クリストバル殿下と踊られる時は繕う事もせずに無表情だったのにこうも変わるものかと何んとなしに見ていたのだが、そんな彼女と目が合ってしまう。優越感でも覚えたのか私に対して勝ち誇った顔で見ているが、何に勝ったつもりなのかやはり彼女の考える事はわからない。そんな彼女には優雅に微笑みを浮かべて返しておけば、ムッとした表情に変わった。
前までの彼女と違ってずいぶんところころと表情を変えるようになりましたわね。
別人になってしまったのではないかと思うくらいにローゼリア様は変わってしまった。常に貴族の淑女として行動していた彼女は隙など見せず、やり方は間違っていたかもしれないが将来の国母として常に模範的であろうとしていた。それが今はそんな素振りなども無くどこにでもいるような女性に見える。今の方が親しみやすいかもしれないが彼女はこれからマナンティアール王国の王子妃になるのだから、以前と今を半分で割ったくらいにしてくれたらいいのかもしれない。いや、とにかく問題を起こさないのならそれでいい。あの中庭での事件はクリストバル殿下が収めたとは言っても、王家やエレティコス家にまったく影響が無かったわけではない。それはマナンティアール王家にも言える事なので他人事でもない。
せっかくの卒業舞踏会なのに気分が乗らないままでは卒業生達にも悪いので切り替えて、私もダンスに誘われたら踊るようにしていた。
「クレスセンシア殿下、私と踊っていただけませんか?」
「ロルダン様、えぇ私で良ければ喜んで」
ローゼリア様の弟君に誘われたので快く答えて彼に手を引かれて中央へと進んで行く。兄もおそらく他の令嬢に誘われて踊っているだろう。こういう時でもなければ気安く誘われる事もないので、できるだけ承諾している。
「殿下と踊れる機会などこれが最後かもしれませんからね。ありがとうございます」
「そうですわね。でも、あなたのお家とは繋がりができましたわ。私もいずれ降嫁しますのでどこかでこのように踊る事もあるかもしれませんわね」
「姉の事に巻き込んでしまい申し訳御座いません」
「いえ、それはこちらもですわ」
お互いに困ったように小さく笑い、休憩のために一緒に移動する事にする。殿下達と合流しそこで談笑しながらその後も何人かの殿方と踊っていたが、さすがに疲れてきた。
「クレスセンシア殿下、大丈夫でしょうか? お疲れなのでしたらこちらでお休みください」
「ありがとうレジェス。顔に出ていたかしら? 気をつけてはいたつもりなのだけど」
「いえ、問題ありません。ただあなた様の事は幼少より存じているつもりですので、気づけたのかと」
彼とは幼少から兄妹のように育ってきた。インベルシオン伯爵家は代々騎士の家系で我が王家に仕えている武門で有名な歴史のある家だ。三男である彼は兄と同い年で護衛騎士としてずっと兄と共にいる。二人は親友でもあり、昔はもっと砕けた口調で話していたが今ではそれも無くなった。真面目すぎるところは長所でもあり短所でもあるが、兄も私も彼を信頼している。だから今回も兄が彼に私のエスコートを任せたのだろう。
「そうね、あなたは昔から私の事でよく気づいてくれたものね。もう踊れてもあと一回くらいだから、最後のお相手はあなたにお願いしたいのだけどいいかしら?」
「アルフレド殿下とは踊らなくてもよいのですか?」
「あら、兄とは踊ろうと思えばいつだって踊れるわよ。それにほら、あちらを見て」
私が目線だけでうながした方を彼も見ているが一瞬で嫌そうな表情を浮かべている。それがおかしくて笑ってしまったのですぐにこちらを見て困った顔で謝っているが、彼がそんな表情になったのもしかたがない。
中央で誘われた令嬢と次々に踊っている兄を見るローゼリア様の顔がすごい事になっている。兄の事を切なそうな悲しいと言わんばかりに見ているかと思えば、コロッとその表情を変えて相手の令嬢には嫉妬で歪んだ怖い顔で睨んでいるのだ。
「もう少し隠せませんかね。仮にも王家へ嫁ぐ令嬢とは思えません」
「ふふふっ。最近の彼女はあのようにころころとよく表情をかえているのよ。内心でどう思っていようが勝手ですが外面くらいは余裕を持った表情でいて欲しいわね」
彼女は踊り終えて令嬢をパートナーの元へ連れて行った兄にすかさず駆け寄ってその腕に絡みついている。拗ねていますと言いたげにムッと頬を膨らませている彼女はどこに淑女の仮面を忘れてきたのかしら。今更そんな天真爛漫な少女を演じられてもまわりは引いているだけだ。兄はそんな彼女に何か言うわけでもなくにこやかに笑いかけてから腕にぶら下げたまま私を見つけたのか嬉しそうにこちらに歩いてくる。
お兄様、その腕にいる彼女の表情に気づいてくださいな。とっても嫌そうな表情ですわよ。できるなら私もそんな表情を浮かべたいくらい嫌ですわ。
そんな事を思ってもそれを表に出せないので微笑んで二人を迎える。後ろからは遅れてボルケ子爵令嬢もついて来ているが、この令嬢は先程からどこに行くにもついて来ているのでローゼリア様の付き人か何かなのだろうか。
「ここにいたんだねクレス」
「えぇ、少し休憩していましたの。ローゼリア様、ボルケ子爵令嬢もご卒業おめでとうございます」
「え、えぇ。ありがとう」
「あ、その、ありがとうございます」
微笑みは崩さず友好的に話しかければ顔を引きつらせながら何とか笑顔を作って返事をしているが、それならば無表情でいてくれた方がいいような気がする。ボルケ子爵令嬢にいたっては緊張からか何とか声を絞り出したかのような小さな声だった。
「せっかくだからお兄様とも踊らないかい?」
「残念ですが遠慮しておきますわね」
だって、お隣の方の顔が怖いのですもの。
「はぁ、憂鬱ですわ」
「クレス様、先程からため息ばかりついていますわよ。何回ついたか私が数えていましたからお教えしましょうか?」
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もし、クリストバル殿下にしたように兄を裏切るのならばその時は……。
「クレスセンシア殿下、そろそろお時間です」
「わかりましたわ」
物騒な事を考えていたそれ自体を頭から消し去ってにこやかに応じる。兄の代わりはレジェスが務めてくれるので彼と共に並んで会場へ向かう事にした。ベアトリス様は外交官としてこの国に滞在している従兄妹にお相手を頼んだそうだ。彼女には婚約者はいないし、私にも何人かの候補がいるのだがあくまで候補として名前があがっているだけ。その中でも一番可能性が高いのはプラージャ公爵家の嫡男エミリオだったが、彼はここにはいない。兄が婚約するのを待っていたから私の婚約も遅くなってしまったが、今年中には決まるだろう。どの方がお相手になろうが誠実に向き合うのは変わらない。そこに男女の愛は存在しなくとも、家族としての愛ならば築いていけるはずだ。私がやるべき事は神子として海神様に祈りをささげる事。これが我が国にとって一番重要な事になるのだから、今までと何も変わらない。それでも私が望んでいた穏やかな日々だけは変わらずに続いて欲しいと海神様に願う。頬を何かが優しく撫でてくれた感触に笑みをこぼし、真っ直ぐ前を向いて会場へと入っていく。この舞踏会が無事に終わりますようにとお願いしておく事も忘れない。
今日は王家の代表なので貴賓席に座って会場内を見渡す。シャンデリアの下で着飾った生徒達が談笑をしながら開会の挨拶が始まるのを今かと待っている。その中には兄とローゼリア様もいて彼女は兄に贈られたドレスと装飾品を身に着けていた。近くには彼女の友人であるボルケ子爵令嬢がニコニコとしながら三人で楽し気に話をしているようだ。そこから離れた場所にはクリストバル殿下とエレナ様、側近候補達とその婚約者の令嬢達が固まっている。学園長の挨拶から始まり音楽が流れ始めればまずはクリストバル殿下とそのパートナーを務めているエレナ様が踊りだし、それに続いて次々と卒業生達が中心となって踊りだす。もちろん兄とローゼリア様もその中にはいる。うっとりと兄を見つめるローゼリア様のそんな顔は今までも見た事がなかった。クリストバル殿下と踊られる時は繕う事もせずに無表情だったのにこうも変わるものかと何んとなしに見ていたのだが、そんな彼女と目が合ってしまう。優越感でも覚えたのか私に対して勝ち誇った顔で見ているが、何に勝ったつもりなのかやはり彼女の考える事はわからない。そんな彼女には優雅に微笑みを浮かべて返しておけば、ムッとした表情に変わった。
前までの彼女と違ってずいぶんところころと表情を変えるようになりましたわね。
別人になってしまったのではないかと思うくらいにローゼリア様は変わってしまった。常に貴族の淑女として行動していた彼女は隙など見せず、やり方は間違っていたかもしれないが将来の国母として常に模範的であろうとしていた。それが今はそんな素振りなども無くどこにでもいるような女性に見える。今の方が親しみやすいかもしれないが彼女はこれからマナンティアール王国の王子妃になるのだから、以前と今を半分で割ったくらいにしてくれたらいいのかもしれない。いや、とにかく問題を起こさないのならそれでいい。あの中庭での事件はクリストバル殿下が収めたとは言っても、王家やエレティコス家にまったく影響が無かったわけではない。それはマナンティアール王家にも言える事なので他人事でもない。
せっかくの卒業舞踏会なのに気分が乗らないままでは卒業生達にも悪いので切り替えて、私もダンスに誘われたら踊るようにしていた。
「クレスセンシア殿下、私と踊っていただけませんか?」
「ロルダン様、えぇ私で良ければ喜んで」
ローゼリア様の弟君に誘われたので快く答えて彼に手を引かれて中央へと進んで行く。兄もおそらく他の令嬢に誘われて踊っているだろう。こういう時でもなければ気安く誘われる事もないので、できるだけ承諾している。
「殿下と踊れる機会などこれが最後かもしれませんからね。ありがとうございます」
「そうですわね。でも、あなたのお家とは繋がりができましたわ。私もいずれ降嫁しますのでどこかでこのように踊る事もあるかもしれませんわね」
「姉の事に巻き込んでしまい申し訳御座いません」
「いえ、それはこちらもですわ」
お互いに困ったように小さく笑い、休憩のために一緒に移動する事にする。殿下達と合流しそこで談笑しながらその後も何人かの殿方と踊っていたが、さすがに疲れてきた。
「クレスセンシア殿下、大丈夫でしょうか? お疲れなのでしたらこちらでお休みください」
「ありがとうレジェス。顔に出ていたかしら? 気をつけてはいたつもりなのだけど」
「いえ、問題ありません。ただあなた様の事は幼少より存じているつもりですので、気づけたのかと」
彼とは幼少から兄妹のように育ってきた。インベルシオン伯爵家は代々騎士の家系で我が王家に仕えている武門で有名な歴史のある家だ。三男である彼は兄と同い年で護衛騎士としてずっと兄と共にいる。二人は親友でもあり、昔はもっと砕けた口調で話していたが今ではそれも無くなった。真面目すぎるところは長所でもあり短所でもあるが、兄も私も彼を信頼している。だから今回も兄が彼に私のエスコートを任せたのだろう。
「そうね、あなたは昔から私の事でよく気づいてくれたものね。もう踊れてもあと一回くらいだから、最後のお相手はあなたにお願いしたいのだけどいいかしら?」
「アルフレド殿下とは踊らなくてもよいのですか?」
「あら、兄とは踊ろうと思えばいつだって踊れるわよ。それにほら、あちらを見て」
私が目線だけでうながした方を彼も見ているが一瞬で嫌そうな表情を浮かべている。それがおかしくて笑ってしまったのですぐにこちらを見て困った顔で謝っているが、彼がそんな表情になったのもしかたがない。
中央で誘われた令嬢と次々に踊っている兄を見るローゼリア様の顔がすごい事になっている。兄の事を切なそうな悲しいと言わんばかりに見ているかと思えば、コロッとその表情を変えて相手の令嬢には嫉妬で歪んだ怖い顔で睨んでいるのだ。
「もう少し隠せませんかね。仮にも王家へ嫁ぐ令嬢とは思えません」
「ふふふっ。最近の彼女はあのようにころころとよく表情をかえているのよ。内心でどう思っていようが勝手ですが外面くらいは余裕を持った表情でいて欲しいわね」
彼女は踊り終えて令嬢をパートナーの元へ連れて行った兄にすかさず駆け寄ってその腕に絡みついている。拗ねていますと言いたげにムッと頬を膨らませている彼女はどこに淑女の仮面を忘れてきたのかしら。今更そんな天真爛漫な少女を演じられてもまわりは引いているだけだ。兄はそんな彼女に何か言うわけでもなくにこやかに笑いかけてから腕にぶら下げたまま私を見つけたのか嬉しそうにこちらに歩いてくる。
お兄様、その腕にいる彼女の表情に気づいてくださいな。とっても嫌そうな表情ですわよ。できるなら私もそんな表情を浮かべたいくらい嫌ですわ。
そんな事を思ってもそれを表に出せないので微笑んで二人を迎える。後ろからは遅れてボルケ子爵令嬢もついて来ているが、この令嬢は先程からどこに行くにもついて来ているのでローゼリア様の付き人か何かなのだろうか。
「ここにいたんだねクレス」
「えぇ、少し休憩していましたの。ローゼリア様、ボルケ子爵令嬢もご卒業おめでとうございます」
「え、えぇ。ありがとう」
「あ、その、ありがとうございます」
微笑みは崩さず友好的に話しかければ顔を引きつらせながら何とか笑顔を作って返事をしているが、それならば無表情でいてくれた方がいいような気がする。ボルケ子爵令嬢にいたっては緊張からか何とか声を絞り出したかのような小さな声だった。
「せっかくだからお兄様とも踊らないかい?」
「残念ですが遠慮しておきますわね」
だって、お隣の方の顔が怖いのですもの。
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