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54 守護スキル
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「なっ!」
ジュウロウザが歩みを止めて私を見た。いや、頬にぐらい家族にもすることだし、大したことはない。
ああ、確か。幼い私が冒険者の仕事に行く父にいってらっしゃの意味を込めて頬にキスをしているの姿をリアンが見ており、リアンにせがまれた事もあったが、それは断固として拒否をした。
そうすると、逆にリアンにキスをされた。調子に乗ったリアンはたちが悪くなるのは経験済みだったので、これを許すととんでもないことなりそうだと予想し、次の日に戻ってきた父に泣きながら訴えれば、速攻父は何処かに消えていき、私は密かにガッツポーズをした事件はあった。例え土下座してお願いされても、リアンには絶対にすることはない!
「キトウさん。止まってますよ」
私が指摘するとジュウロウザは足を動かし始めた。ジュウロウザが言い出したことなのに、顔を赤くしないで欲しい。こっちまで恥ずかしくなってきてしまう。
だが、これで守護のスキルが発動した。
ふーん。これはこれで恐ろしいね。全てのステータスが30%加算されている。このパーセンテージは互いの信頼度ということかな?
このゲームは何かと信頼度が影響してくるので、そう考えてもおかしくはない。
やはり、こころなしか進むスピードが上がっている。このスキルはある意味恐ろしい。信頼度が高いと100%の加算、倍化するのだ。しかし、何か互いに不具合が生じると恐らくマイナス加算されるのではないのだろうか。LUKにマイナスが存在するのだ。大いに有り得る仕組みだ。
この事はジュウロウザに言っておく必要がありそうだ。
「キトウさん。新しいスキルはどうですか?」
「え?」
え?っと言われてもジュウロウザの事だ。
「発動したスキルです」
「はぁ。モナ殿は何でも見通せるのだな」
ため息を吐かれても。私はなんでも見通せることなんて出来ない。
「なんでもは無理です。私が見えるのは、スキルで見える物だけです」
「それは秘密ではないのか?」
秘密?これはただのスキルだし。私個人が隠す程の情報ではない。
「秘密ではないですよ。私の母が持っているスキルの上位スキルを私が持っているぐらい村の人は誰しも知っていますよ」
ん?いや、母さんとばぁちゃんに注意されたな。
「あ。村の人以外には言ってはいけなかった。でも、守護者の称号を戴いたキトウさんは大丈夫でしょう」
だ、大丈夫のはず。守護者には対象者がいると聞いている。それが、人か物かはわからないが、私には新たな称号が発生していた。
【混じりしカミト】
カミトはわからないが、“混じりし”というのは、私が私である前の記憶を持っていることに関係しているのだろう。
ジュウロウザの【カミトの守護者】と私の【混じりしカミト】は守護者と対象者と認識していいはず。
なら、村での秘密事項を漏らしても大丈夫のはずだ。
「では、その上位スキルとはなんだ?」
「真眼です」
私は躊躇なく答える。
「そ、それは俺に話していい事なのか?」
確かに、村の人以外に話してはいけないと何度も言われていた事だ。しかし、村では守護者と対象者に対して特別な扱いがされると教えてもらった。私は詳しいことは教えては貰っていないが、リアンは何かを知っているようではあった。
「そうですね。ただ、カミトの守護者の称号と私の混じりしカミトの称号は守護者とその対象者という事でしょう。
そして、守護スキルの発動条件と今回の発動率を見ますと、ある程度信頼関係が必要だと思いました。恐らく互いが互いに不信感を抱くとマイナスに作用する事でしょう」
「混じりし神人?」
気になるのはそこ!そこは気にしなくていいよ。
「何が混じっているんだ?」
「秘密です」
「それは秘密なのか?」
「秘密です」
「信頼関係が必要なのだろう?」
「女と言うものは1個や2個や30個ぐらい秘密があるのです!」
「流石に30個は多いと思うぞ」
「多くありません!」
くっ。笑わなくてもいいじゃない!絶対にこの秘密は墓場まで持っていくから!
ジュウロウザに笑われている内に上の建物までたどり着いた。しかし、ジュウロウザは私を降ろさずにそのままスタスタと歩いて行く。
「キトウさん、降ろしてもらえます?魔石の回収もしたいですし」
「ああ、それは必要だな」
そうジュウロウザは答えたまま、歩いて行く。
「キトウさん!」
私はジュウロウザを睨みつける。凍っていないのであれば、私は歩ける!
「モナ殿。直ぐにベルーイに乗ることになるのだから、このままでも構わないのではないか?」
うっ。確かに直ぐにベルーイに乗ることになるかもしれないが。このまま自分で歩かないと駄目人間まっしぐらじゃない!そのうちカスヒロインからクソヒロインに呼び名が変わっているんじゃないのだろうか。
何度か文句を言ってもジュウロウザはそのまま歩き続け、支柱にはめた魔石を回収して、階段を降りで行き、そのままベルーイに乗ってしまった。
ジュウロウザに30階分も登らせた上に、そのまま神殿を出るまで、抱えてもらうなんて、なんて酷い人なんだろうとベルーイの背の上で私は項垂れてしまった。
ジュウロウザが歩みを止めて私を見た。いや、頬にぐらい家族にもすることだし、大したことはない。
ああ、確か。幼い私が冒険者の仕事に行く父にいってらっしゃの意味を込めて頬にキスをしているの姿をリアンが見ており、リアンにせがまれた事もあったが、それは断固として拒否をした。
そうすると、逆にリアンにキスをされた。調子に乗ったリアンはたちが悪くなるのは経験済みだったので、これを許すととんでもないことなりそうだと予想し、次の日に戻ってきた父に泣きながら訴えれば、速攻父は何処かに消えていき、私は密かにガッツポーズをした事件はあった。例え土下座してお願いされても、リアンには絶対にすることはない!
「キトウさん。止まってますよ」
私が指摘するとジュウロウザは足を動かし始めた。ジュウロウザが言い出したことなのに、顔を赤くしないで欲しい。こっちまで恥ずかしくなってきてしまう。
だが、これで守護のスキルが発動した。
ふーん。これはこれで恐ろしいね。全てのステータスが30%加算されている。このパーセンテージは互いの信頼度ということかな?
このゲームは何かと信頼度が影響してくるので、そう考えてもおかしくはない。
やはり、こころなしか進むスピードが上がっている。このスキルはある意味恐ろしい。信頼度が高いと100%の加算、倍化するのだ。しかし、何か互いに不具合が生じると恐らくマイナス加算されるのではないのだろうか。LUKにマイナスが存在するのだ。大いに有り得る仕組みだ。
この事はジュウロウザに言っておく必要がありそうだ。
「キトウさん。新しいスキルはどうですか?」
「え?」
え?っと言われてもジュウロウザの事だ。
「発動したスキルです」
「はぁ。モナ殿は何でも見通せるのだな」
ため息を吐かれても。私はなんでも見通せることなんて出来ない。
「なんでもは無理です。私が見えるのは、スキルで見える物だけです」
「それは秘密ではないのか?」
秘密?これはただのスキルだし。私個人が隠す程の情報ではない。
「秘密ではないですよ。私の母が持っているスキルの上位スキルを私が持っているぐらい村の人は誰しも知っていますよ」
ん?いや、母さんとばぁちゃんに注意されたな。
「あ。村の人以外には言ってはいけなかった。でも、守護者の称号を戴いたキトウさんは大丈夫でしょう」
だ、大丈夫のはず。守護者には対象者がいると聞いている。それが、人か物かはわからないが、私には新たな称号が発生していた。
【混じりしカミト】
カミトはわからないが、“混じりし”というのは、私が私である前の記憶を持っていることに関係しているのだろう。
ジュウロウザの【カミトの守護者】と私の【混じりしカミト】は守護者と対象者と認識していいはず。
なら、村での秘密事項を漏らしても大丈夫のはずだ。
「では、その上位スキルとはなんだ?」
「真眼です」
私は躊躇なく答える。
「そ、それは俺に話していい事なのか?」
確かに、村の人以外に話してはいけないと何度も言われていた事だ。しかし、村では守護者と対象者に対して特別な扱いがされると教えてもらった。私は詳しいことは教えては貰っていないが、リアンは何かを知っているようではあった。
「そうですね。ただ、カミトの守護者の称号と私の混じりしカミトの称号は守護者とその対象者という事でしょう。
そして、守護スキルの発動条件と今回の発動率を見ますと、ある程度信頼関係が必要だと思いました。恐らく互いが互いに不信感を抱くとマイナスに作用する事でしょう」
「混じりし神人?」
気になるのはそこ!そこは気にしなくていいよ。
「何が混じっているんだ?」
「秘密です」
「それは秘密なのか?」
「秘密です」
「信頼関係が必要なのだろう?」
「女と言うものは1個や2個や30個ぐらい秘密があるのです!」
「流石に30個は多いと思うぞ」
「多くありません!」
くっ。笑わなくてもいいじゃない!絶対にこの秘密は墓場まで持っていくから!
ジュウロウザに笑われている内に上の建物までたどり着いた。しかし、ジュウロウザは私を降ろさずにそのままスタスタと歩いて行く。
「キトウさん、降ろしてもらえます?魔石の回収もしたいですし」
「ああ、それは必要だな」
そうジュウロウザは答えたまま、歩いて行く。
「キトウさん!」
私はジュウロウザを睨みつける。凍っていないのであれば、私は歩ける!
「モナ殿。直ぐにベルーイに乗ることになるのだから、このままでも構わないのではないか?」
うっ。確かに直ぐにベルーイに乗ることになるかもしれないが。このまま自分で歩かないと駄目人間まっしぐらじゃない!そのうちカスヒロインからクソヒロインに呼び名が変わっているんじゃないのだろうか。
何度か文句を言ってもジュウロウザはそのまま歩き続け、支柱にはめた魔石を回収して、階段を降りで行き、そのままベルーイに乗ってしまった。
ジュウロウザに30階分も登らせた上に、そのまま神殿を出るまで、抱えてもらうなんて、なんて酷い人なんだろうとベルーイの背の上で私は項垂れてしまった。
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