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35 拾ってませんよ?
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「モナ殿。そのあたりは大丈夫だ。馬竜で移動が可能だ。馬竜は寒さにも暑さにも耐性があるし、ある程度の魔物は蹴散らすことができる。それに、氷竜は一度倒したことがあるから問題ない」
クラッシャーはドラゴンスレイヤーだったのか!それに、あの馬竜って優秀だったんだ。なら、問題ない?のか?な?
う~んと首を傾げる。生きて帰れそう?
「それに、モナ殿は絶対に守るから大丈夫だ」
「あ、うん。ありがとう」
後は私の寒さ対策か。勇者の装備なら頭の中に有るのだけど、一般人の私が出来る装備はなんだろう?
そんな事を考えていると、ジュウロウザから先程問われた事を蒸し返された。
「それで、先程の言葉は何処の言葉だ?」
「えーっと、秘密で」
「キョウヤとい言う者に関わりがあるのか?」
「響也!」
その名前にビクッと体が反応してしまった。
くー。私、ボロが出すぎ!
「キトウさん、それ以上突っ込まないでください。嫌な記憶も蘇ってくるので」
この前久しぶりに夢に見てしまったので特にだ。自分の死と未練を夢で見せつけられたのだ。はぁ。と、大きくため息を吐く。
「自分の死の記憶を繰り返すのは·····」
続きを言葉にできなかった。私はジュウロウザに抱きしめられていた。
「悪かった」
いや、なんでこんな状況になるのかさっぱり理解できない。私はただ、これ以上突っ込んで来てほしくなかっただけなんだけど?
「嫌だったんだ。わからない言葉を話すモナ殿がモナ殿ではないような気がして、怖かったんだ」
怖い?何が怖いのか?宇宙人的な感じってこと?
「何が怖いのでしょう?」
私は首を傾げながらジュウロウザを見る。っていうか、放してもらえないのだろうか。
「俺が捨てられるのではないのだろうかと」
「は?」
なぜ、そんな話になるのか?私がジュウロウザを捨てる?拾ってもないけど?あれは拾ったに値するのか?いや、違うはずだ。
「私、キトウさんを拾ってませんよ?」
「しかし、俺はモナ殿がいないと生きられない体だ」
その言い方、誤解を生むから!
「大丈夫です。今まで生きて来られましたから、生きていけます」
「生きていける。確かに生きていけるかもしれない。だが、一所で過ごすことができず、厄災を振りまく度に逃げるように生きなければならない、この身は本当に生きていていいのか自問自答する日々だった。
しかし、この数日が幸せだったんだ。とてもとても穏やかな日々。この幸せを手放してしまえば、俺は本当に邪神にでもなってしまうのではないかと思ってしまうのだ」
あ、うん。LUKは邪神レベルと言っていいかもしれない。でも、ゲームのエンディングでは普通に旅をしていたよ。魔物にまみれていたけれど。まぁ、厄災級だと言われれば、なんとも言えない。
そう、エンディングでは一度でも仲間にした人のことが映像として流れるのだ。
ジュウロウザは何処かの山奥で魔物に囲まれて戦っていた。何処の山奥だよって、つっこんだね。
そして、モナはクズだった。勇者リアンが旅立ちの時に、戻ってきたら結婚をしようと言って旅立ったことは、この私であるモナも実体験したことだ。
魔王を討伐し勇者の真のヒロインとなった者を村に連れて行く情景からクレジットタイトルが始まる。他の街は10年間の戦いに疲弊し、瓦礫が積まれているにも関わらず、勇者の始まりの村は、長閑な麦畑が広がっていたのだ。
村に入ると幼馴染みヒロイン、モナが出迎えてくれる。
『あら?戻ってきたの?』
一番最初に勇者リアンに掛けた言葉がコレだ。そして、モナの腕には小さな子どもを抱きかかえており、足元には10歳ぐらいの子供がモナのスカートを掴んでいたのだ。そう、10歳くらい。
お前、待つ気が全く無かっただろう!思わず画面に向かって叫んでしまった。
約束を守る気のない最低な女だった。
しかし、分かるよゲームのモナ!その気持ち!
魔王を討伐して更にレベルアップしたリアンと結婚だなんてできるか!って感じだ。
まぁ、今の私にはそんな相手いないけどね。
はぁ。今の問題は私の目の前のジュウロウザだ。ジュウロウザの不運の根源のステータスを改善することは、無理だと言っていいだろう。いや、方法がないわけではない。その方法は勇者という力だ。
中盤になると『勇者の光』というアイテムを手に入れることが出来る。これが重要なのだ。
勇者の仲間はことごとく何処か問題がある。その問題が『勇者の光』と信頼度によって改善することができる。
例えば、ドジっ子聖女の回復魔術の成功率が40%から100%にすることができる。
ただ、この『勇者の光』は別の大陸にある。だから、船を手に入れて海峡を渡らないと行けない。
何が無理か。中盤になると大体仲間にするメンバーが固定化される。それ以降の戦いが厳しくなるため、信頼度が高いほうが何かと事がうまく運ぶのだ。
となると、不運の根源を連れて海を無事に渡れるかという問題が出てくるのだ。
奇跡でも起これば新大陸に上陸できるだろうが、結論からいけば、ほぼ無理。
ん?これだと私はジュウロウザにくっついていないと駄目ってこと?いやー。それはないわー。
クラッシャーはドラゴンスレイヤーだったのか!それに、あの馬竜って優秀だったんだ。なら、問題ない?のか?な?
う~んと首を傾げる。生きて帰れそう?
「それに、モナ殿は絶対に守るから大丈夫だ」
「あ、うん。ありがとう」
後は私の寒さ対策か。勇者の装備なら頭の中に有るのだけど、一般人の私が出来る装備はなんだろう?
そんな事を考えていると、ジュウロウザから先程問われた事を蒸し返された。
「それで、先程の言葉は何処の言葉だ?」
「えーっと、秘密で」
「キョウヤとい言う者に関わりがあるのか?」
「響也!」
その名前にビクッと体が反応してしまった。
くー。私、ボロが出すぎ!
「キトウさん、それ以上突っ込まないでください。嫌な記憶も蘇ってくるので」
この前久しぶりに夢に見てしまったので特にだ。自分の死と未練を夢で見せつけられたのだ。はぁ。と、大きくため息を吐く。
「自分の死の記憶を繰り返すのは·····」
続きを言葉にできなかった。私はジュウロウザに抱きしめられていた。
「悪かった」
いや、なんでこんな状況になるのかさっぱり理解できない。私はただ、これ以上突っ込んで来てほしくなかっただけなんだけど?
「嫌だったんだ。わからない言葉を話すモナ殿がモナ殿ではないような気がして、怖かったんだ」
怖い?何が怖いのか?宇宙人的な感じってこと?
「何が怖いのでしょう?」
私は首を傾げながらジュウロウザを見る。っていうか、放してもらえないのだろうか。
「俺が捨てられるのではないのだろうかと」
「は?」
なぜ、そんな話になるのか?私がジュウロウザを捨てる?拾ってもないけど?あれは拾ったに値するのか?いや、違うはずだ。
「私、キトウさんを拾ってませんよ?」
「しかし、俺はモナ殿がいないと生きられない体だ」
その言い方、誤解を生むから!
「大丈夫です。今まで生きて来られましたから、生きていけます」
「生きていける。確かに生きていけるかもしれない。だが、一所で過ごすことができず、厄災を振りまく度に逃げるように生きなければならない、この身は本当に生きていていいのか自問自答する日々だった。
しかし、この数日が幸せだったんだ。とてもとても穏やかな日々。この幸せを手放してしまえば、俺は本当に邪神にでもなってしまうのではないかと思ってしまうのだ」
あ、うん。LUKは邪神レベルと言っていいかもしれない。でも、ゲームのエンディングでは普通に旅をしていたよ。魔物にまみれていたけれど。まぁ、厄災級だと言われれば、なんとも言えない。
そう、エンディングでは一度でも仲間にした人のことが映像として流れるのだ。
ジュウロウザは何処かの山奥で魔物に囲まれて戦っていた。何処の山奥だよって、つっこんだね。
そして、モナはクズだった。勇者リアンが旅立ちの時に、戻ってきたら結婚をしようと言って旅立ったことは、この私であるモナも実体験したことだ。
魔王を討伐し勇者の真のヒロインとなった者を村に連れて行く情景からクレジットタイトルが始まる。他の街は10年間の戦いに疲弊し、瓦礫が積まれているにも関わらず、勇者の始まりの村は、長閑な麦畑が広がっていたのだ。
村に入ると幼馴染みヒロイン、モナが出迎えてくれる。
『あら?戻ってきたの?』
一番最初に勇者リアンに掛けた言葉がコレだ。そして、モナの腕には小さな子どもを抱きかかえており、足元には10歳ぐらいの子供がモナのスカートを掴んでいたのだ。そう、10歳くらい。
お前、待つ気が全く無かっただろう!思わず画面に向かって叫んでしまった。
約束を守る気のない最低な女だった。
しかし、分かるよゲームのモナ!その気持ち!
魔王を討伐して更にレベルアップしたリアンと結婚だなんてできるか!って感じだ。
まぁ、今の私にはそんな相手いないけどね。
はぁ。今の問題は私の目の前のジュウロウザだ。ジュウロウザの不運の根源のステータスを改善することは、無理だと言っていいだろう。いや、方法がないわけではない。その方法は勇者という力だ。
中盤になると『勇者の光』というアイテムを手に入れることが出来る。これが重要なのだ。
勇者の仲間はことごとく何処か問題がある。その問題が『勇者の光』と信頼度によって改善することができる。
例えば、ドジっ子聖女の回復魔術の成功率が40%から100%にすることができる。
ただ、この『勇者の光』は別の大陸にある。だから、船を手に入れて海峡を渡らないと行けない。
何が無理か。中盤になると大体仲間にするメンバーが固定化される。それ以降の戦いが厳しくなるため、信頼度が高いほうが何かと事がうまく運ぶのだ。
となると、不運の根源を連れて海を無事に渡れるかという問題が出てくるのだ。
奇跡でも起これば新大陸に上陸できるだろうが、結論からいけば、ほぼ無理。
ん?これだと私はジュウロウザにくっついていないと駄目ってこと?いやー。それはないわー。
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