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67 「ダメか?」「ダメだ」
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気がつけば床に寝かされていた。起き上がればルギアとソルが少し離れたところで、座り込み何かを話しているようだ。
「お、起きたか。」
ソルが俺のところにやってきて、屈みこみ手を出してきた。
「あ?なんだその手は?」
「メシ。」
「なんでダンジョンに潜るのに何も用意していないんだ。」
「エンがいれば必要ないだろう?」
ルギア、お前もか!
「はぁ。何がいいんだ?」
「焼き肉弁当。」
「唐揚げ弁当。」
いつもの定番を言ってきた。二人に弁当を2個ずつ渡す。
「はぁ。できれば、次から自分の足で歩きたい。振り回されるのは、もう勘弁だ。」
「おかわり。」
ソルが3個目を要求してきた。はえーよ。3個目の弁当を渡す。
「エン。多分自分で歩くと落とし穴に落ちて、魔物の海に直行だぞ。もう一つ唐揚げ弁当くれ。」
ルギアに3個目の弁当を渡す。
「流石にそんな事はないだろう?」
「「ある!」」
そんなに力強く言わなくてもいいだろう。
「はぁ、今は何階層なんだ?」
「30階層だ。」
ん?
「少し前は15階層だったよな。凄く進んだな。」
「ああ、エンが気を失ってからはスムーズに進んだからな。」
「は?それは俺が起きてると悪いと?」
「そのための背負子だ。」
ルギア。そんな事を堂々と言わないで欲しい。揺さぶって、気を失わさせて、その間に進めるだけ進もうってことか。
「そこまで、しなければ進めないのか?」
「んー。時間に余裕があるならそれでもいい。レベルアップをダンジョンでしていたときはアマツを先頭にして進めば、10歩毎に何かしらの罠に掛り、次の階層へ続く階段を見つけたと思ったら、落とし穴に落ちていくアマツを追っかけて、魔物の海にダイブして、いつの間にか裏ダンジョンを進んでいるなんて、いつものことだったからな。」
遠い目をしながらソルが語ってくれたが、そこまで酷いのか?10歩毎って殆ど進めていないじゃないか。そして、次の道が見えたと気が緩んだ瞬間に天津が落ちて行くのか。
「裏ダンジョン?」
「ああ、古いダンジョンは裏ダンジョンがある物が多いが普通にダンジョンを攻略をしていても行き着くことができない。そこは、表側と違って魔物も強力だ。俺たちもグアトールが居なければ行けないところだ。」
「そういうことだから、もう少し寝ておかないか?エン。」
ソルが真面目に説明をしてくれている横から背負子を持ってきながら言う、ルギア。
「最下層に行きないのなら寝ていろと?起きているのはダメか?」
「「ダメだ。」」
そこまでなのか?そう言えば
「15階層には何がいたんだ?気分が悪すぎて何がいたか分からなかったんだが?」
「ここの裏階層にいるはずのアースドラゴンだ。流石にグアトールが居ない俺達じゃ戦うことは無謀だという魔物だ。」
「アースドラゴン?」
「地の属性の巨大なドラゴンだ。皮膚は鱗に覆われて刃が入らないほど硬いのだが、エンの魔術で一撃だった。はぁ。」
ソルにため息を吐かれてしまった。
まさか、ダンジョンだと運の振り切れ具合がそこまで酷いとは思わなかった。今度は一人で行こうと心に決め、完全に回復はしていなかったので、酔止めを飲んでから再び寝た。
ルギア side
「寝たか。」
ソルはエンが眠ったことを確認して、背負子を背負い出した。残り20階層を一気に駆け抜ける為に、今度は俺が先陣を切る形を取る。
「久しぶりのダンジョン探索がまさかの運が振り切れ状態のエンの同行者だなんてな。」
「ソル。嬉しそうだな。」
ダンジョンに入ってからソルの金色の尻尾が振られているのが、些か目に入って邪魔だったのだ。
「くくく、それはそうだろう。楽しい。昔に戻ったみたいにとても楽しい。何度も潜って居るはずのダンジョンで大蜘蛛の巣に引っかかるってないよな。」
「煩い!」
確かにあれは不意打ちだった。森の階層の木々の間を飛んでいたら、エンがもう無理っと言葉を発した瞬間に下から大木が生えてきて避けたところに蜘蛛の巣が・・・。
はぁ。絶対にアマツより酷いよな。
「今度はソルが気をつけろよ。」
「寝ていれば問題ないだろう?それはアマツと一緒だろ?本当にグアトールは何処に行ってしまったのか。戻って来る気は無いのか?」
「あんまりアマツを重ねているとエンに怒られるぞ。」
「本人が嫌がっているのは知っているからエンの前では言わないさ。ただ、この十年間を思うと、この数カ月は楽しくて仕方がない。あの頃が戻って来たみたいだ。俺はどちらかと言うと、やさぐれた生意気な黒豹のガキンチョがエンと重なるがな。」
「うるせー。ソルさっさと行くぞ。」
「お、起きたか。」
ソルが俺のところにやってきて、屈みこみ手を出してきた。
「あ?なんだその手は?」
「メシ。」
「なんでダンジョンに潜るのに何も用意していないんだ。」
「エンがいれば必要ないだろう?」
ルギア、お前もか!
「はぁ。何がいいんだ?」
「焼き肉弁当。」
「唐揚げ弁当。」
いつもの定番を言ってきた。二人に弁当を2個ずつ渡す。
「はぁ。できれば、次から自分の足で歩きたい。振り回されるのは、もう勘弁だ。」
「おかわり。」
ソルが3個目を要求してきた。はえーよ。3個目の弁当を渡す。
「エン。多分自分で歩くと落とし穴に落ちて、魔物の海に直行だぞ。もう一つ唐揚げ弁当くれ。」
ルギアに3個目の弁当を渡す。
「流石にそんな事はないだろう?」
「「ある!」」
そんなに力強く言わなくてもいいだろう。
「はぁ、今は何階層なんだ?」
「30階層だ。」
ん?
「少し前は15階層だったよな。凄く進んだな。」
「ああ、エンが気を失ってからはスムーズに進んだからな。」
「は?それは俺が起きてると悪いと?」
「そのための背負子だ。」
ルギア。そんな事を堂々と言わないで欲しい。揺さぶって、気を失わさせて、その間に進めるだけ進もうってことか。
「そこまで、しなければ進めないのか?」
「んー。時間に余裕があるならそれでもいい。レベルアップをダンジョンでしていたときはアマツを先頭にして進めば、10歩毎に何かしらの罠に掛り、次の階層へ続く階段を見つけたと思ったら、落とし穴に落ちていくアマツを追っかけて、魔物の海にダイブして、いつの間にか裏ダンジョンを進んでいるなんて、いつものことだったからな。」
遠い目をしながらソルが語ってくれたが、そこまで酷いのか?10歩毎って殆ど進めていないじゃないか。そして、次の道が見えたと気が緩んだ瞬間に天津が落ちて行くのか。
「裏ダンジョン?」
「ああ、古いダンジョンは裏ダンジョンがある物が多いが普通にダンジョンを攻略をしていても行き着くことができない。そこは、表側と違って魔物も強力だ。俺たちもグアトールが居なければ行けないところだ。」
「そういうことだから、もう少し寝ておかないか?エン。」
ソルが真面目に説明をしてくれている横から背負子を持ってきながら言う、ルギア。
「最下層に行きないのなら寝ていろと?起きているのはダメか?」
「「ダメだ。」」
そこまでなのか?そう言えば
「15階層には何がいたんだ?気分が悪すぎて何がいたか分からなかったんだが?」
「ここの裏階層にいるはずのアースドラゴンだ。流石にグアトールが居ない俺達じゃ戦うことは無謀だという魔物だ。」
「アースドラゴン?」
「地の属性の巨大なドラゴンだ。皮膚は鱗に覆われて刃が入らないほど硬いのだが、エンの魔術で一撃だった。はぁ。」
ソルにため息を吐かれてしまった。
まさか、ダンジョンだと運の振り切れ具合がそこまで酷いとは思わなかった。今度は一人で行こうと心に決め、完全に回復はしていなかったので、酔止めを飲んでから再び寝た。
ルギア side
「寝たか。」
ソルはエンが眠ったことを確認して、背負子を背負い出した。残り20階層を一気に駆け抜ける為に、今度は俺が先陣を切る形を取る。
「久しぶりのダンジョン探索がまさかの運が振り切れ状態のエンの同行者だなんてな。」
「ソル。嬉しそうだな。」
ダンジョンに入ってからソルの金色の尻尾が振られているのが、些か目に入って邪魔だったのだ。
「くくく、それはそうだろう。楽しい。昔に戻ったみたいにとても楽しい。何度も潜って居るはずのダンジョンで大蜘蛛の巣に引っかかるってないよな。」
「煩い!」
確かにあれは不意打ちだった。森の階層の木々の間を飛んでいたら、エンがもう無理っと言葉を発した瞬間に下から大木が生えてきて避けたところに蜘蛛の巣が・・・。
はぁ。絶対にアマツより酷いよな。
「今度はソルが気をつけろよ。」
「寝ていれば問題ないだろう?それはアマツと一緒だろ?本当にグアトールは何処に行ってしまったのか。戻って来る気は無いのか?」
「あんまりアマツを重ねているとエンに怒られるぞ。」
「本人が嫌がっているのは知っているからエンの前では言わないさ。ただ、この十年間を思うと、この数カ月は楽しくて仕方がない。あの頃が戻って来たみたいだ。俺はどちらかと言うと、やさぐれた生意気な黒豹のガキンチョがエンと重なるがな。」
「うるせー。ソルさっさと行くぞ。」
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