12 / 122
12 見た目で判断するな!
しおりを挟む
俺はミレーテを出たものの何処に向かおうか、迷っていた。はっきり言ってギラン共和国はヤバイ国に囲まれている。
まずはシャーレン精霊王国だ。世界中の教会を牛耳っているエルフがいる国だ。何がヤバイってエルフ族以外を無能扱いして、見下しているやつらがいる国だ。まず、普通には入国できない。
そして、東にいけばマルス帝国だ。ここは人族主義国家だ。獣人が奴隷扱いされている国だが、ここも出入りのチェックが厳しい。
一番行きたくないのは南のモルテ国だ。この頃王の奇行が激しくなってきたと噂で聞いた。ここは絶対にパスだ。
やはり、一番ましなのがマルス帝国か・・・そのまま、ラース公国に抜けるかグローリア国に抜けるか。悩むが行き当たりばったりでいいか。
その前に、この国をぐるりと巡るものいいかもしれない。この国は南北に長いからこれだけでも1年はかかるかもしれないな。
今は夏が過ぎた頃なので先に北に行ったほうがいいか。まずは北の中核都市から行こう。
旅は順調だった。本当は騎獣という人に慣らされた動物に乗って移動することもできるのだ。種類によっては空も飛べるらしいが、円は持っていても、Gは1Gも持っていないのだ。
だから、俺は歩いて街道を進む。時よりその辺の村人が小さい子が歩いているのを不憫に思ったのか、町から町へ荷を運ぶ荷馬車に乗せてくれたりもした。俺はお礼にリンゴを渡す。北国のため果物が手に入りにくいので、喜ばれるのだ。
そして、5日後には中核都市にたどり着いた。まずはGを稼がないと今日の宿にも泊まれない。今まで野宿だったので、今日は布団で寝たいからな。
Gがないなら魔物の素材を売ればって?順調だって言ったじゃないか。荷馬車に乗っているときも、一人で歩いているときも、魔物には襲われなかった。ただ、見慣れた丸いフォルムを追いかけて、小銭稼ぎをしたぐらいだ。
中核都市の外門で身分証である冒険者ギルドのタグを提示し、都市の中に入る。首都ミレーテに比べれば小さいが活気のある街だ。まずは、売り出している商品を見ながら商業ギルドを目指す。
商業ギルドの受付でこの街での商売の仕方を聞くと、受付の人は怪訝な顔になった。
なんだ?黒髪は隠しているので 、見た目が小さいのが悪いのか。何を売り出すのかと聞かれたので、前と同じ様に麻袋に入れた白い砂糖を出してみると 、今度は何処から盗んで来たと言い出した。前も思ったが商業ギルドのヤツは人を見た目でしか判断しないのか。
ここはもういいと思い、出ていこうとすれば、腕を掴まれ、盗んだそれを置いて行けと言い出した。こいつ本当に頭おかしいな。まあ、この砂糖は1kg200円だった物だし、くれてやってもいいが。
「あのさ、俺が盗んだという証拠はなんだ?」
「あなたのような子供がこんな高級な砂糖を持っているはずないでしょ。」
「じゃ、あんたはこれほど白く精製した砂糖を見たことがあるのか?」
「ありませんけど、盗んだ以外はありえません。」
「俺は砂糖を白く精製する方法も知っている。あんたは知っているのか?」
「知らないわよ。じゃ、言って見なさいよ。」
「そんな企業秘密言えるはずないだろ。あんたら、商業ギルドのヤツは人を疑うのが好きだな。ミレーテでも同じだったしな。」
「ミレーテ?」
「別に俺にとってはこれぐらいの砂糖どうだっていいんだ。」
そう言って麻袋を逆さにした。
「あー。あなたなんてことを!」
それを、魔法の火で炙る。
「火が砂糖に火が」
カラメル色にこんがり焼けた砂糖の溶けた板ができた。それを風を起こし冷ましてカウンターから剥がす。
「やるよ。じゃあな。」
俺はカウンターから離れ商業ギルドから出ようとしたら、立ち塞がれた。顔を上げると、ほっそりとした体格で白髪に三角の耳が生えたおっさんだった。
「ボウズはミレーテのギルドマスターが交渉を失敗したというエンと言う名前の子供で合っているか?」
「合っていようが、間違っていようがここでは取引しない。」
「じゃ、俺のところで取引しよう。」
「ん?」
「俺はジェームズ・フィーディス。この国で1番古いフィーディス商会の会長だ。」
これが長年付き合うことになる、フィーディス商会の会長ジェームズとの出会いだった。
まずはシャーレン精霊王国だ。世界中の教会を牛耳っているエルフがいる国だ。何がヤバイってエルフ族以外を無能扱いして、見下しているやつらがいる国だ。まず、普通には入国できない。
そして、東にいけばマルス帝国だ。ここは人族主義国家だ。獣人が奴隷扱いされている国だが、ここも出入りのチェックが厳しい。
一番行きたくないのは南のモルテ国だ。この頃王の奇行が激しくなってきたと噂で聞いた。ここは絶対にパスだ。
やはり、一番ましなのがマルス帝国か・・・そのまま、ラース公国に抜けるかグローリア国に抜けるか。悩むが行き当たりばったりでいいか。
その前に、この国をぐるりと巡るものいいかもしれない。この国は南北に長いからこれだけでも1年はかかるかもしれないな。
今は夏が過ぎた頃なので先に北に行ったほうがいいか。まずは北の中核都市から行こう。
旅は順調だった。本当は騎獣という人に慣らされた動物に乗って移動することもできるのだ。種類によっては空も飛べるらしいが、円は持っていても、Gは1Gも持っていないのだ。
だから、俺は歩いて街道を進む。時よりその辺の村人が小さい子が歩いているのを不憫に思ったのか、町から町へ荷を運ぶ荷馬車に乗せてくれたりもした。俺はお礼にリンゴを渡す。北国のため果物が手に入りにくいので、喜ばれるのだ。
そして、5日後には中核都市にたどり着いた。まずはGを稼がないと今日の宿にも泊まれない。今まで野宿だったので、今日は布団で寝たいからな。
Gがないなら魔物の素材を売ればって?順調だって言ったじゃないか。荷馬車に乗っているときも、一人で歩いているときも、魔物には襲われなかった。ただ、見慣れた丸いフォルムを追いかけて、小銭稼ぎをしたぐらいだ。
中核都市の外門で身分証である冒険者ギルドのタグを提示し、都市の中に入る。首都ミレーテに比べれば小さいが活気のある街だ。まずは、売り出している商品を見ながら商業ギルドを目指す。
商業ギルドの受付でこの街での商売の仕方を聞くと、受付の人は怪訝な顔になった。
なんだ?黒髪は隠しているので 、見た目が小さいのが悪いのか。何を売り出すのかと聞かれたので、前と同じ様に麻袋に入れた白い砂糖を出してみると 、今度は何処から盗んで来たと言い出した。前も思ったが商業ギルドのヤツは人を見た目でしか判断しないのか。
ここはもういいと思い、出ていこうとすれば、腕を掴まれ、盗んだそれを置いて行けと言い出した。こいつ本当に頭おかしいな。まあ、この砂糖は1kg200円だった物だし、くれてやってもいいが。
「あのさ、俺が盗んだという証拠はなんだ?」
「あなたのような子供がこんな高級な砂糖を持っているはずないでしょ。」
「じゃ、あんたはこれほど白く精製した砂糖を見たことがあるのか?」
「ありませんけど、盗んだ以外はありえません。」
「俺は砂糖を白く精製する方法も知っている。あんたは知っているのか?」
「知らないわよ。じゃ、言って見なさいよ。」
「そんな企業秘密言えるはずないだろ。あんたら、商業ギルドのヤツは人を疑うのが好きだな。ミレーテでも同じだったしな。」
「ミレーテ?」
「別に俺にとってはこれぐらいの砂糖どうだっていいんだ。」
そう言って麻袋を逆さにした。
「あー。あなたなんてことを!」
それを、魔法の火で炙る。
「火が砂糖に火が」
カラメル色にこんがり焼けた砂糖の溶けた板ができた。それを風を起こし冷ましてカウンターから剥がす。
「やるよ。じゃあな。」
俺はカウンターから離れ商業ギルドから出ようとしたら、立ち塞がれた。顔を上げると、ほっそりとした体格で白髪に三角の耳が生えたおっさんだった。
「ボウズはミレーテのギルドマスターが交渉を失敗したというエンと言う名前の子供で合っているか?」
「合っていようが、間違っていようがここでは取引しない。」
「じゃ、俺のところで取引しよう。」
「ん?」
「俺はジェームズ・フィーディス。この国で1番古いフィーディス商会の会長だ。」
これが長年付き合うことになる、フィーディス商会の会長ジェームズとの出会いだった。
0
お気に入りに追加
200
あなたにおすすめの小説
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!
小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。
しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。
チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。
研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。
ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。
新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。
しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。
もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。
実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。
結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。
すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。
主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
万能チートで異世界開拓! 〜辺境スタートの最強転移者スローライフ〜
山猪口 茸
ファンタジー
スローライフを夢見る平凡な高校生、藤峰卓人(ふじみね たくと)。屍のように日々を暮らしていた彼がある時転移したのは、岩だらけの辺境の土地だった!
「手違いで転移させちゃった///。万能チートあげるから、ここで自由に暮らしていいよ。ごめんね!」
そんな適当な女神のせいで荒地に転移してしまったものの……これって夢を叶えるチャンスでは?
チートや魔法を有効活用しまくって、夢のスローライフを送ってやる!ついでに畑とか施設も作ってのんびり暮らそう!村なんか作っちゃってもいいかも!?
そんな彼の送る、目指せほのぼのスローライフ!
[投稿はかなり不定期です!小説家になろうにも同時にあげています]
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
世界最速の『魔法陣使い』~ハズレ固有魔法【速記術】で追放された俺は、古代魔法として廃れゆく『魔法陣』を高速展開して魔導士街道を駆け上がる~
葵すもも
ファンタジー
十五歳の誕生日、人々は神から『魔力』と『固有魔法』を授かる。
固有魔法【焔の魔法剣】の名家――レヴィストロース家の長男として生まれたジルベール・レヴィストロースには、世継ぎとして大きな期待がかかっていた。
しかし、【焔の魔法剣】に選ばれたのは長男のジルベールではなく、次男のセドリックだった。
ジルベールに授けられた固有魔法は――【速記術】――
明らかに戦闘向きではない固有魔法を与えられたジルベールは、一族の恥さらしとして、家を追放されてしまう。
一日にして富も地位も、そして「大魔導になる」という夢も失ったジルベールは、辿り着いた山小屋で、詠唱魔法が主流となり現在では失われつつあった古代魔法――『魔法陣』の魔導書を見つける。
ジルベールは無為な時間を浪費するのように【速記術】を用いて『魔法陣』の模写に勤しむ毎日を送るが、そんな生活も半年が過ぎた頃、森の中を少女の悲鳴が木霊した。
ジルベールは修道服に身を包んだ少女――レリア・シルメリアを助けるべく上級魔導士と相対するが、攻撃魔法を使えないジルベールは劣勢を強いられ、ついには相手の魔法詠唱が完成してしまう。
男の怒声にも似た詠唱が鳴り響き、全てを諦めたその瞬間、ジルベールの脳裏に浮かんだのは、失意の中、何千回、何万回と模写を繰り返した――『魔法陣』だった。
これは家を追われ絶望のどん底に突き落とされたジルベールが、ハズレ固有魔法と思われた【速記術】を駆使して、仲間と共に世界最速の『魔法陣』使いへと成り上がっていく、そんな物語。
--------
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる